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番外編メリカ 追放されし少女

メリカ編です。




私はメリカ。家族はいない。



その日その日を採取をしてなんとか過ごすことが出来るくらいの底辺冒険者だ。



こんな生活になるなんて最初は想像もしていなかった。



私の産まれた村は、この町を出て東にある湿地を越えてずっと先に行った森の中にある、水霊村と呼ばれる場所だった。



そこには神聖さを帯びた美しい泉と豊かな自然があり、村の人達は毎日祈りを捧げる、それが日課だった。


私に父親はおらず、母親と二人暮しだ。



「お母さん、どうしてみんな泉に祈っているの?」


疑問に思った幼き私は聞いた。



「ここにはね、水の精霊様がいるの。私達の村は代々この泉を守っているのよ」



「そうなのですね。メリカも守るのです。」



「大きくなったらお願いね」



「はいなのです!!」



それから、しばらくは幸せだった。

しかし、この村で産まれる子は、10歳になった時に精霊が見えるようになる。

でも、私は見ることができなかった。



別に10歳になってすぐに見れなかった人がいないわけではない。

そのうち見えるから大丈夫よ。とお母さんは言う。



私は不安で不安で仕方なかった。

成人までに見れなかった人は、この村には居られないそれがこの村の掟なのだから。



そして時は過ぎ成人の日を迎える。



私は結局一度も、精霊様を見ることが出来なかった。



「村の掟に従い、お前をこの村から追放とする!!!」


村の長から言いわたされる、聞きたくなかった言葉。



「村長・・・どうにか・・・なりませんか・・・?私ならどうなっても構いません」


お母さんは泣きたくなる気持ちを抑えながら、村長にお願いする。


「お前の夫である、セルはこの村の英雄だ。何度もこの村を救ってくれた。しかしな、だからこそ、成人の日まで何も言わず待ったのだ。決して儂もメリカを追放したいわけではない。儂にとって村の子は孫も同然なのだからな」



「では村長・・・」



「だがな、これは掟だ。これを破ることは断じてならん。お主もわかっておるはずじゃろうに」



そう、過去にも居たのだ。メリカのように精霊様が見えない、女の子が。



その時も勿論追放は下された。



しかし、家族との別れを数日待って欲しいと言われて、ズルズルと1ヶ月ほど待ったのだ。



「なんと言うことだ。これは祟りなのか」


泉の色が濁り、精霊様が居なくなってしまったのだ。



すぐに少女を追放したが元の泉に戻るまでに一年を要した。


精霊様は無事に戻ってきた。



それ以来、すぐに追放が絶対の掟となっている。



「・・・ごめんね、メリカ」


お母さんは、泣きながら抱きしめてくれた。

村の人達はいい人だ。こんな私を、成人の日まで、何も言わず家族のように扱ってくれた。



迷惑はかけたくない。

涙を無理やりぬぐい、笑顔を見せる。



「お母さん、大丈夫だよ!私、冒険者になる!!いっぱい稼いで楽しく暮らすんだ。そしたらお母さんも呼んであげるね」


その言葉を聞き、ただぎゅっと抱きしめる事しか出来ないお母さんだった。



「すまんな、メリカよ。最低限のお金と必要なものは持っていくがよい。湿地を抜けるまでしか案内は出来んが、そこを抜けたらなんとか町まで辿り着けるだろう」



「今まで、皆さんお世話になりました」



次の日の朝、お母さんとお別れを済まし、

村の男衆と共に村を出る。


金貨を1枚と食料を貰った。

これは庶民が1ヶ月ほど生活できるくらいのお金らしい。

一人なら、2ヶ月ほどはなんとかなる金額だ。



そして、首飾り。


付けておくといいからお守りとして持っておきなさいとの事。



歩いて3時間ほどだろうか、湿地を抜けた。


メリカはお礼を言い。みんなとハグをしてから町を目指すため、歩き始めた。



本当はとても不安だ。今にも泣きたくなる。

でも、みんなに笑顔でお別れをしたい。



メリカの背中を見守る村の人達に笑顔で手を振る。



「いつか、また会えるといいな・・・」




湿地を抜けたのは初めてだった。

村を出ることは大人以外ほとんどないので当然だ。



目の前に広がる、綺麗な緑、これが草原か・・・

村の近くの森とはまた違った美しさがあった。


悩んでいたメリカの悩みを吹き飛ばすかのように広がる自然に少し元気を貰うのだった。



1時間ほど歩き、メリカはクタクタだった。

ようやく門が見えてきた。



メリカは列に並んでいるのを見て、

自分もその列に並ぶことにした。



しばらくするとメリカの番がきた。



「はい、次ー身分証だして」


身分証がいるのか・・・知らなかった。どうしよう。


困った顔で、申し訳なさそうにしていると。


「もしかして、身分証がないのか?」


正直にないと答える。



「じゃあ、仮身分証を発行するから、とりあえずこの水晶に手を当ててくれるか?」


身分証がなくても町に入れる事がわかりホッとする。



「大丈夫だな、じゃあこれが仮身分証だ。3日以内に冒険者ギルドかどこかで身分証を作って返しにきてくれ。悪いが銀貨3枚かかる、持ってるか?仮身分証を返してくれれば2枚返金されるのだが」


金貨を持たせてくれた、村長に感謝だ。お金がなかったら入ることも出来なかったかもしれない。



「はい、大丈夫です」


金貨を渡し

お釣りの銀貨7枚を受け取った。



「すみません、冒険者ギルドはどこにありますか?」


詳しく説明をしてくれた。


まっすぐ行くと大通りがあり、大きな噴水が見えるらしい。

その左手側に行くと剣と盾の看板が見える。それが冒険者ギルドとのことだ。



私は、初めての町にドキドキしながらも冒険者ギルドを目指す。



看板を見つけて中に入ってみる。

視線を感じ、何かおかしいのかな?と思ったがすぐに逸れたのでおそらく、人が入ってきたので無意識に見たのだろう。


「私、変じゃないよね?」


ずっと村暮らしのメリカは普通の町の人の生活を全く知らないので不安になった。


だが、気にしても仕方がない。



まずは身分証を作らないといけない。

だが、どこで作るのかわからない。

辺りをキョロキョロ見渡していると。



イカツイ、髭面の男が声をかけてきた。



「おい、何か探しているのか?」


思わず悲鳴をあげてしまった。


「キャッぁぁぁ 熊がでた!!!!!」



「誰が熊だよ!!」



「あ、喋った、人間さんなのです・・・?」


酒場の方から笑い声が聞こえる。


「当たり前だ、こんなギルドの入り口に熊がいる訳ないだろう」



「すみません、今日町に来たばかりで知らないのです」



「まあなんだ、何か困ってるかと思って声をかけたんだが」



「ありがとうなのです。身分証をどこで作ればいいのかわからず、困ってるのです」



「そうか、こっちについて来い」


顔は怖いけど、優しい人なのかな?

案内されて私は列に並ぶ



私の番がくる


「こんにちは。今日は新規登録でしょうか?」


綺麗な獣耳の女の人だなーと思った。



「はい、お願いするです」



「では、こちらの紙にご記入ください。代筆は必要ですか?」



「いえ、大丈夫書けるのです」


村長に字を習っていて良かった。

こんなところで役に立つとは。


書けたので、受付のお姉さんに渡す。



「はい、メリカさんですね。得意な事は、なし、ですね。ではステータスプレートに登録するので、これで血を一滴お願いします」


プスっと刺して血を垂らす。ちょっと痛い。



「はい、登録出来ました、メリカさんのステータスだと討伐は厳しいので採取や町のお手伝いが主な仕事になると思います。パーティーが組めれば別ですが。」


知り合いもいないし、仕事が出来るのであれば、

なんでもいいや。メリカはそう思っていた。



「ありがとうございます。採取とお手伝い頑張るのです。どこかおすすめの宿屋を教えて欲しいのです。泊まるところが決まってないのです?」



「それでしたら、エーゲの泉という名前の宿屋がオススメです。簡単に地図を書くので行って見てください」



「ありがとなのです」


お礼を言って受付を後にする。


クマさんは待っていてくれたようだ。



「無事登録が終わりました。ありがとうございます」



「おう、明日から仕事か?わからない事があれば、このグーマ様になんでも聞くといい。こう見えて俺はここの上位冒険者だからな」



「はい、ありがとなのです」


女には最初から優しいグーマであった。



ギルドを出て、宿屋へ向かう。

地図はわかりやすく、すぐに着いた。



「いらっしゃいませ。お泊まりですか?」




「はい、お願いするのです」




「1泊1000アルト 食事、とお湯が必要でしたら、100アルト追加となります」


色々必要になるものもあるかもしれない。

とりあえず3日?くらい払っておけば、仕事してなんとかなるかな?



「3日で、食事とお湯もお願いするのです」



「はい、では、、3600アルトになります」


メリカは銀貨4枚を渡す。


「はい、お釣りの銅貨4枚です。お部屋にご案内しますね」



着いた部屋は2Fの一室だった。

一人で過ごすには十分な広さだ。



「戸締まりだけお願いしますね。夜の6の鐘の時間にお食事が出来るの、1Fまでお越しください。何かわからない事があればまたその都度聞いてくださいね」



「はい、ありがとうなのです」


疲れていたのか、すぐに寝てしまった。



カーンカーンカーン

鐘の音で目を覚ます。



寝てしまった。ご飯の時間だ。



メリカはご飯を食べに1Fへ降りていく。



「ご飯食べにきたのです」



受付にいる先程のお姉さんに声をかける



「ご案内しますね」



案内されて席に着く

どうやら、お魚とお肉が選べるようだ。

私はお魚をメインに選んだ。



出て来た料理はどれも美味しく

夢中で食べてしまった。


どこからか、ジュージューっと音がする。

いい匂いが漂ってくる。お肉を選んだお客の料理の音と香りである。



美味しそうだなーっ今度はお肉にしようかなあー

宿も決まり、美味しいものを食べる事によって、

メリカにも少しずつ余裕が出て来たのである。



食べ終わったメリカは、部屋に戻り明日の事を考える。

森の中に入るのはまだ怖いから・・・最初はお手伝いかな?

どんな仕事があるのか、明日は早く起きて見てみよう。



そんな事を考えてる間に眠りにつくメリカだった。



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