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第4話 神様は諦める

「それでは紹介しますぅ~! まずはチームアズガルド! オーディン様と英雄シグル!」

「チームスヴァルガはインドラ様と猿王ハンヌマン!」

「チームオリュンポス! ゼウス様と女戦士ゾネス!」

「チームヘリオポリスはラー・アメン様と魔術師メスーネ!」


各国の神様と戦士が呼ばれる度に観客席からは歓声があがり、そして俺は顔は青くなっていった。

神様は、まぁ、デカいオッサンばかりでビビっちゃうけどさっき一回見ているからな。

それはいいんだけどさ。


問題は人間! 人間の戦士だよ!

英雄シグルはやたら長い剣を片手で持ち、いかにも歴戦の戦士って風を吹かせている。あとイケメンだなちくしょうめ。


猿王ハンヌマン。…そもそも人間か? 猿顔だし尻尾もあるぞ? 『ぼかぁ身体能力高いんスよ』と言わんばかりに飛び跳ねてやがる。


女戦士ゾネス。うん、まぁ美人だな。美人だけどさ。斧持ってるぞ斧。女の人の武器じゃねぇだろ。レイピアとかだろ女性は。


魔術師メスーネ。この人も女性だけど…魔術師? なにそれ炎とか出しちゃうの? 美人だけど。怖いんだけど!


「おいおいおい! なんだよこのメンツは!」

「うーん、すごいよね! 特に女戦士ゾネス! 何を食べたらあんなにおっぱい大きくなるんだろ? いいなぁ」


いや、ウズメさん。

あなたも充分おっぱい大きいですからね、うん。

あーいやいや、今はそんな事が問題ではない。


「こんな中でフツーの高校生の俺が混ざって勝てるわけがない! むしろ死ぬだろ!」

「大丈夫だよ!『高天原』の神様だって半端ない実力者なんだから! キミを守りながら戦うくらいヨユーだって!」


叫ぶ俺にグッと親指を立てるウズメ。

ホントかよ…いや、そうでないと困るぞ!?


「で、その『高天原』の神様はどこだ? なんて神様が参加するんだ?」

「えーとね、多分ツクヨミ様かスサノ…」

「最後に、チーム高天原! アマノウズメと高校生タイチ!」

「……は?」

「え?」


ウズメが言いかけた時、『高天原』が呼ばれた。

え? なに?

高天原の神様はウズメなの?


「ぷぷーっ! ちょっとウズメ、あんたが出んの? 大丈夫ぅ?」


なぁ、朝礼台でサラスヴァティーがゲラゲラ笑っているぞ?


「ちょ、ちょちょちょっとぉ! サラス! なんで高天原の神があたしなのよぉ!」

「いや、アタシに言われてもぉ。アタシは紙に書いてある名前、呼んだだけだしぃ」


すっごい慌てるウズメ。

なんか嫌な予感…。


「騒がしいぞ、アマノウズメよ」

「え、エンリル様、これは一体!?」

「アマテラスよりメッセが来てな。今回参加できないから代わりにお前が出る、と」

「んなっ!」


うわぁ…めっちゃ「聞いてません」な反応だぞ。


「そんな、聞いてませんっ!」


やっぱりかよ。


「アマテラス様が不在の時、いつもならツクヨミ様やスサノヲ様が参加されていたはず…何で今回はあたしなの…!」

「私は知らぬが、メッセには 『ウズメちゃんへ。年増で悪かったな!』と書かれておる。…何かやらかしたのではないか?」

「あ、あっはは~聞かれてたか~…」


エンリルと呼ばれている、特に偉そうな神様に詰め寄るウズメ。

その様子に周囲もザワつき始めた。


「ふーむ、大丈夫なのかね? お主の所は」

「いやぁ…ははは、どうなんでしょうね…」


ゼウスのオッサンに話しかけられた。

インドラのオッサンに比べれば物腰は柔らかいが、この人もデカいから威圧感がすごい。


「ねぇ、タイチくん?」


気が付くと、ウズメが戻って来ていた。


「うおっ! なんだ、結局どうなったんだよ? ウズメが出るみたいだけど、あんた戦えるのか?」

「むり、きみ、しんだ」


おいいいいいいいい!!

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