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第5話 神様がキレ気味です

「ウズメ! 一つのパラメータだけでいい、パワーアップを頼む!」

「どこを強化するの?」

「スピードだ! 俺の合図で頼む!」

「オッケー!」


「さて、そろそろ終わらせようか。我が必殺の『インドラドッカンサンダー』でな!」


インドラのオッサンが右手を天にかざすと、空を黒い雲が覆い、雷鳴が轟く。


「ウッキー! インドラ様、決めちゃってください!」

「当然だ! くらえ! インドラドッカンサンダー!」


天から放たれた巨大な刃のような稲妻が、地へと落ちてくる。

…そんな簡単にッ!


「今だウズメ!」

「えーい! ハッスルダンス・ショートバージョン~っ!」


ウズメがクルっとターンを決めると、力が高まるのを感じる。

よし!


「おらぁ!」

「何っ!?」


俺は間一髪、インドラのオッサンの攻撃をかわした。

落雷の衝撃が闘技場を穿つ。

うへぇ、こりゃ食らったら完全アウトだぞ…。


「へっ、どうしたオッサン?」

「…インドラドッカンサンダーを人間に避けられたのは初めてだな…」


今の技を避けられたのがよほど不満だったのか。

明らかに不機嫌になるインドラのオッサン。


「そんな恥ずかしい名前の技でやられてたまるかよ!」

「一度避けたくらいが何だというのだ! インドラドッカンサンダーッ!」


天空から再び稲妻が落ちる…!


「とうっ!」


俺は大きく後ろに飛んで攻撃を回避した。

よし、威力は凄いしスピードも速いが、落ちてくるのは必ず上からだ。

避ける事に集中すれば何とかなる!


「おのれ! インドラドッカンサンダーを二度も!」

「その技名を聞くのは4回目だけどな…さてはオッサン、その名前気に入ってるな?」

「うるさい! カッコいいだろうが!」


うおおおっ、オッサンがキレたぞ!

雷系攻撃を手当たり次第に放ってくる!


「ウキッ、インドラ様、私も…」

「お前は手を出すな!」

「ウキキッ! は、はい!」


怒りと共に激しさを増すオッサンの攻撃。

しかしその分、かなり単調な技ばかりになってきた。

さっきよりも避けるのは簡単だぜ…!


「げっ、やばいやばい! 効果が切れそう!」


俺はいったん、ウズメの元まで引いた。


「ウズメ、もう一度ハッスルダンスでスピードを強化してくれ!」

「うん…って何か作戦があるんだよね? 避けてばかりじゃ勝てないよ!?」

「ああ、今考えてる!」

「えぇ!? 作戦があるんじゃないの?」

「お前なぁ…フツーの高校生だぞ俺は! 異能バトルマンガの主人公じゃあるまいし、こんな時に神様の裏をかくような作戦を持っているわけないっつーの!」

「いや、まぁ…それはそうかもだけど…」


『なんと…貴様、策はないと申すか…!』


ん?

なんだこの…声?

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