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プロローグ01:神様は暇している
数多の神々が住む超異空世界『パンテオン』。
この世界には幾つもの国が存在し、『最高神』と呼ばれる神が支配していた。
『アスガルド』には戦と魔術の神オーディン。
『楽園スヴァルガ』には雷神インドラ。
『オリュンポス』には天空神ゼウス。
『ヘリオポリス』には万能の神ラー・アメン。
そして『高天原』には太陽神アマテラス。
他にも多数の国があり、それぞれの最高神に連なる神々が暮らしていた。
ところで。
神々は基本的に暇だった。
不老にして長寿、さらには死なない者さえもいる。
揉め事や小競り合いが時折あったが、彼らの長い寿命の中では一瞬。
些細な出来事である。
つまり刺激と娯楽が圧倒的に不足しているのだ。
中でも群を抜いて暇なのが『パンテオン』の最高神アヌだった。
彼は神々の中でも特に古い存在で、要するに半端なく長い時を生きているワケで。
そりゃあ暇にもなる。
アヌは考え、そして思いついた。
それは≪神々の遊戯≫という名の、神様の暇つぶし。
≪神々の遊戯≫は瞬く間に『パンテオン』でブームとなった。
そして今日も≪神々の遊戯≫が開催される…。