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エロいファンタジーにおける近親相姦

近親相姦ものは、エロジャンルにおいて一大勢力を誇ります。

「兄妹」、「姉弟」、「父娘」、「母息子」あたりは鉄板ですが、叔父、叔母ものや、「義父嫁」、「義弟嫁」なんていうのもはいります。

祖父孫なんてのもあったりします。


いとこどうしなんかもありますが、これは結婚可能な間柄なので「幼馴染もの」として把握した方がよいかもしれません。


「母娘どんぶり」や「姉妹どんぶり」なんていうのも、近親相姦にやや近いジャンルといえましょう。


広くラノベ等のソフトなジャンルを見渡せば、主人公に思慕を寄せる妹(実妹あるいは義妹)というのは、食傷するほど多量に存在しています。

「一線を越えなければOK」というコードの範囲内で、かくも「妹」ものが愛される状況は、海外のオタク文化愛好者にはどのように映っているのでしょうか。

日本人は、「HENTAI」とドン引きされているのか、人類に普遍的な願望を表現していると尊敬されているのか、興味湧くところです。


オタク文化における「妹もの」のルーツは、ぼくの知るところではあだち充のマンガ「みゆき」を嚆矢とします。

他にも探せば出てくるかもしれませんが、周囲に与えた圧倒的な影響の大きさゆえにこれをルーツと称するのは不当とはいえないでしょう。

これは義妹との恋愛を描いたもので、最終的に二人は結ばれます。


あだち充は、この後、「タッチ」等の作品で大ブレイクしますが、数々の作品のヒロインのほとんどが「幼馴染」、という大変偏った作風をしています。

「みゆき」における「妹」というのは、ある意味「幼馴染」の極端な形式であったように思われるのです。


主人公の幼い頃からそばにいた「異性」というカテゴリーで、両者は結ばれます。

「性」の自覚のない年頃に感情を素直にぶつけ合った間柄というのは、成長した後知り合った仲では踏み入れない領域を共有します。

これが「妹もの」あるいは「幼馴染もの」の魅力の源泉であることは間違いないでしょう。


一方で、エロジャンルにおける「近親相姦」ものは、少し違う性格を持ちます。

重なり合う部分もあるのですが、近親というタブーを侵犯することへの興趣が強くなってくるのです。


とくに「親子」関係において、これは強まります。

タブーの強さと、それを侵犯する快楽は比例するものですから、ある意味当然でしょう。

「父娘」「母息子」などの関係性は、主人公視点がどちら側にあるかによって相当違う性格のものになってきます。

ともあれ、アブノーマルへの興奮が基調になるのは避けがたいところです。


「兄妹」とかの関係は、幼馴染もののよさとタブー侵犯の快楽のバランスが取れた、「おいしい」位置取りになっています。


「近親相姦」でも年齢差のある関係では、「ロリコン」ものや「熟女」ものの要素が混ざることもあります。

これはこれでひとつのジャンルを構成していますが、ここでの興味からは少し外れてしまいます。


ともあれ、日本のHENTAI文化における「近親相姦」というのは大勢力を占めます。


これは、「現実」における性規範のあり方にも、大なり小なり影響を与えるかもしれません。

「性規範」というのは保守的なものです。

そんなに簡単に変容するものではありません。

ゆえに、現実と仮構とのあいだの摩擦や衝突が発生しています。


「現実」が妥協と後退を続けるのか、「フィクション」が弾圧に屈し、萎縮せざるを得ない未来が待っているのか。

ちょっとまじめに考察してみたいと思います。

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