登場人物
☆賀茂家
・安倍晴明
主人公。陰陽得業生。十九歳。豊かな黒髪と鋭い蜜色の瞳を持つ男装の麗人。
陰陽道に関しては、ずば抜けた才能があり、幼い頃から鬼が見えた。
普段は冷静沈着だが、恋仲である保憲に関しては泣き虫。
・賀茂保憲
晴明の義兄であり、兄弟子。若干二十三歳にして、陰陽助の位に就いている。稀有な黄金の髪を持つ、宮中でも評判の美男。稀代の陰陽師・賀茂忠行を父に持つ。
陰陽道に関する才能が高く、忠行からも一目置かれている。年上である筈の忠行の弟子達には、畏敬のあまり「保憲様」と呼ばれることもしばしば。
冷静沈着で、如何なる時も表情を変えない。
晴明とは恋仲。
・賀茂忠行
保憲の父。
陰陽頭を勤める六十五歳。
・賀茂保遠
保憲の弟。
二十歳。
数年前に賀茂家を出て、今は僧となり、裏で暗殺を生業としている。
☆式神達
・歪
保憲の式神。
群青の髪と漆黒の目を持つ。
性格と言葉遣い以外は保憲と瓜二つ。
新参者の真白を敵視している。
・護白
保憲の新しい式神。
白い髪に、鳶色の目を持つ。
言葉遣いが荒く、口も悪い。
自分に名を与えた保憲に恩を感じ、慕っている。
歪とは犬猿の仲。
☆大内裏
・朱雀天皇
天皇。
十六歳。
銀色の髪と赤い瞳を持つ。
幼い頃から、叔父と母親から虐待を受けている。
人前で猫をかぶる癖があり、内裏の外では全くの別人格である。
愛称は帝または主上。
・藤原穏子
朱雀天皇の母親。
夫である醍醐天皇と東宮達を亡くしてから、朱雀天皇を虐待するようになった。
容姿端麗で、歳を感じさせぬ美しさを持つ。
・藤原忠平
朱雀天皇の叔父。摂取・関白の座き就き、政治を行っている。
醍醐天皇の遺言を盾に、朱雀天皇と肉体関係を持つ。表では人望厚き男として振る舞っているが、本当は酷く残忍な性格。
男好き。