第五話 能力研究……By家
毎日更新!
これからもそうでありたい!
俺は総隊長さんに教えられた住所に向かう。
もう夕方だ。遠くでカラスの鳴き声が聞こえる……。
「はーーー疲れたーーー」
いや、本当に疲れたよ?
だってさっきまで居たのは一応じゃなくても”UnInstall”部隊の総隊長
だったし、俺はそこまで無神経じゃないよ?
けどマンションってどんな所かなーー?
一人暮らしはもう慣れてるけど、今まで一軒家だったから。
はっ! もしかしたらさっきの能力判定でSランクって出たから
高級マンションとか? ありえるかも!
生活支援金もたっぷり出るって言うし、実力至上主義最高!
とか色々考えながら街中の道路を歩いていた。
そろそろ空が薄暗くなってきたな。もうすぐか。
教えられた住所までもうすぐ着くという所で、ビルとビルの間の
路地裏から何か声が聞こえてきた。
「いやっ! ちょっとやめてよ!」
(ん? 何か女の子の声が……なんかヤバそうだな。
よし、ちょっくら人助けに行きましょう!)
俺の主義。女の子は大切に。
俺がちょっと駆け足で路地裏に入ると視界に2人の男と1人の女の子がいた。
どうやらお約束らしいな……。
男は無理矢理女の子を夜の街へ連れて行こうとしている。
「おい、お前らその子を離せよ」
俺が男達の背後から低い声で脅すと、男達は
一瞬ビクッとするが、こっちを見るとすぐその下卑た笑みを
こぼして、
「おいおい、まぁたいい女見つけちゃったよ!」
とか抜かしやがる!
怒りゲージ20から55へ上昇……
するともう一人が、
「こいつも連れて行きましょうよ!」
とか言っちゃってるよ。
完全に俺を女だと思ってるらしいな。
怒りゲージ55から120オーバー。
……………………
ぷちっ☆
もう許せんよ?当たり前じゃん。
男を女と間違える者には死を…………
「ヲィ、テメエらわオルェをくわんゼンニオコラせたらしいな……」
みんなーーー! 虐殺TIME始まるよ★
10秒経過……
「ふぅっ」
今俺の目の前にはさっきのバカどもがぼろ雑巾になってる。
俺が潰しといた。言っとくけど俺は喧嘩強いよ?
けどこっちに来ても女と間違われるのはかわんねーな。
原因っぽい髪切ろうかな……。
今の俺は男なのに髪が肩を普通に越えてる長さなのだ。それも絶対原因の一つだ。
そんな事を考えているといきなり後ろから話しかけられる。
「あのっ、あ、ありがとうございました…………」
さっき絡まれてた女の子だ。つーか美少女だな。
その短い茶髪は、紫の黒くて長い髪とは違う綺麗さがあるし、
顔も間違いなく美少女と称される部類だ。
俺がそう思っていた次の瞬間、
「お姉さん!」
その瞬間、俺の周りの空気が止まった。
俺は全力で叫んだ。
「お、れ、は、女じゃ、ねえーーーーーーー!!!!」
「えっ、あの、その、すみませんでした」
女の子は泣きそうになっている。
それを見て、我に返った。
「……すまん。怒鳴って悪かったな」
俺は恥ずかしさで胸がいっぱいなので、さっさと撤収しよう。
「じゃ! そういう事で! 本当にごめん!」
と言って走る!
女の子が何か言おうとしているのが視界の端に映ったが、走る。
俺はマジで逃げた。
気付くと、やけに大きいマンションの所にきた。
「ここが俺の住むとこか。いいとこじゃねーか!」
無理にでもさっきの事を忘れよう。
部屋に向かう。鍵はすでに渡されている。
このマンションは全部20階建てのようだ。
「えーと、俺の部屋は……最上階の部屋か」
通常一階ずつには10個ほど部屋が並んでいて、どれもすごい広いのだが
最上階は部屋が3つしかない。その分どこかの5ッ星ホテルのスイートのような部屋だ。
なんでも、部隊に入っていて、さらにランクSとなった俺の所持金は凄いことになってるらしい。
部隊の給料は何もない月でも、毎月、7桁はあるし、Sランクの
生活支援金がそれと同等の額なのだ。つーかもう”支援”じゃない……。
部屋に入ってみると(鍵はカードキー+指紋認証。指紋認証は初めて部屋入るときに登録した)
それはそれは……なんかもう言葉では言い表せないものだった。いい意味で。
話によれば7部屋+2L+D+Kらしい。ちなみに洋室。必要最低限の家具はもうあった。
メインリビングのでかいテーブルの上には生活に必要となる、この街だけの
住居人証明書と能力証明書。それと真っ黒なクレジットカードがあった。
「……こんな大事な物机の上に置いとくなよ」
そんな独り言を呟きながら持ってきた荷物……とは言っても、気に入ってる服とか
その他は下着とかだけだけど、をもってきた。
俺は寝室へ向かった。そこには……キングサイズのベッドがあった。
俺はその大きさに驚かされながらも荷物をどっかに投げてベッドに横になる。
(あ~あ。やっと終わったあ。明日から学校とか言ってたけど制服は自由らしい。
最初の頃出回った制服があったらしいけど俺は私服でいいや。)
そして俺は寝ようとしたが、大事な事を忘れていた。
(やべぇ……学校で使う能力何にしよう……)
ちなみに言うと、俺の能力は自分でも分かるとおり凄い応用が利く。
一回使ったせいなのか、紫が言った通りもう自分の体の一部として使える。
しかし、何でも操れる為、応用が利きすぎで、なににしようか迷っている。
俺の能力の欠点は、自分に触れていなければ使えないというもの。
確か同じ物質なら間接でも遠くに使えるらしい。
たとえば。
俺→鉄→鉄その2を操れる……みたいな。
それで思い当たった。
同じ物質なら間接的でも大丈夫で、それでいてこの地球のどこにでも
ある物質。
空気だ。
空気を操ることにしよう。そうすれば能力を隠しながらも
能力の大半を使うことになる。結構強そうだし。
俺はその考えに思い当たると、早速空気を操ろうと空中に手を伸ばす。
その瞬間、寝室の中の空気の流れが俺の手を中心に回る。
それを肌で感じて、俺は満足した。
意外と簡単だな。
総隊長の話によれば、俺は1tまでの質量なら操れるらしい。
……空気1tって……なんてチート
よし、やっぱちょっと制限して100kgまでにしとこう。
あんま目立ちたくないし。
俺は目覚ましをかけ、明日に期待を膨らませながら、寝間着に着替えて寝た。
ちょっと短いですね。はい
わかってますよ。
ついにヒロインが出揃いましたよ。
まあ、後の方は次に出てくると思うんで。(多分)