第三十二話 皆と……再会?
今回は短い。
俺と紫は、そのまま救護棟の食堂に向かった。
多分皆はそこに集まっているだろうと紫が思ったらしい。
……いた。みんなが集まってる。総隊長さんはいないが。
多分仕事だろう。俺達に構ってくれる時間も無いと思う。
琴雪がふとこっちを見てきて驚く。
「哀君! 紫ちゃん!」
「おう。今帰ったよ」
琴雪がいきなり泣き付いて来て、聊爾、不知火とハイトが後から来る。
「哀君。よかったぁ~」
「えーと……」
「琴雪、哀が困ってるぜ?」
聊爾がからかう様に言うと、顔を真っ赤にして離れる琴雪。
「もう大丈夫なのかい?」
「ああ、紫も俺も、な」
「それは良かったですね」
「ええ、ありがとう」
俺と不知火、ハイトと紫で受け答えしてると、不知火が真剣な顔つきで言った。
「それで……あんたの右腕は、何があった?」
その瞬間、皆が黙って沈黙が生まれる。
……やっぱり答えなきゃ、駄目だよな……。
「これは任務中、ホムンクルスの三番目に会って戦闘になった時、
俺が気を抜いたせいで右肩から貫かれ「違うわっ!」……紫!」
「それは、違うわ」
「どういうこと?」
琴雪が不安そうにこちらを見てくる。
紫は続ける。
「本当は、右肩をやられたのは私。
……なのに、哀は自分の腕を自分で切り落として、私の傷口に能力で完全に接合したのよ……」
「そんなっ!」
「…………………………」
不知火が思案顔で言う。
「……それはあんたの意思かい?」
「…………ああ」
「……ハァ、なら私達は口出しできないよ。本人の意思なんだから」
「でも、でも!」
溜め息をつく不知火に対して琴雪が必死になるが。
「琴雪、これは哀自身が決めた事だ! 俺達は口出しできない」
聊爾の一喝により琴雪が項垂れる。
「……皆、これはしょうがないんだ。でも、ありがとう、皆」
「まったく、仕方ないですね……
では、いつまでもこうしている分けにもいきませんし、とりあえずはご飯、食べましょうか?」
その空気をぶち壊したハイトの一言で、皆が笑いながら席につく。
俺はハイトにしか聞こえないように礼を言う。
「ありがとう、ハイト」
「いえいえ」
その後、朝飯を食堂で食った。
因みに俺は勿論?右利きなので、琴雪と紫、どっちがご飯を食べさせてあげるかで
口論になったが、結局ジャンケンで紫が勝って、今食べさせてもらってる。
「……そういえば、アイの能力では、その腕はどうにかならなかったのかしら?」
「紫、それは無理だよ。
いくら俺でも、細胞、神経、血管、骨とかの配列をゼロから完璧にはできない。
だから、紫には俺のを使ったんだよ」
「そう……。でもこれからはどうするの?
そのままじゃ絶対に生活に支障がでるわよ?」
すると前に座っている琴雪が提案する。
「あのさ……実は私の親、一応医者やってて、義手ならあるけど……」
「本当かよ、幸運だな。じゃあ、後で紹介してもらっていいか?」
「いいよ! でも、私の親がめついから、いくら哀君でも最新の義手だったらお金掛かるよ?」
「大丈夫。なんか異様に金が貯まってるから」
「それならいいけど……」
そんな感じで俺の義手付けは確定した。
……機械鎧みたいのだったら格好良いのに……
昔見てた漫画、アニメを思い浮かべる。
まあ、そんな事ないか……。
食べ終わった後、琴雪達には部屋に戻るように言われて、俺達は戻った。
琴雪曰く、本当は残りたいのに、訓練があるらしい。
それで、今は紫の部屋に来ている。
……別に、何もしてないよ!?
どっちもまだ本調子じゃないんだし!
けど、普通に戻ったら……って、あーーー!
……この頃俺、妄想激しい気がする。
……主人公がどんどんハガレン!?に近づく!
次は左足いっとくか?
すみません、不快感を感じたならば取り消します。
しかし、義手をつけるのは本当なんで。
主人公の性格が……オワタ




