第二十五話 仲間と共に……
短すぎる!
こんな場面なのに短い!
これはやばい。
アインスとの戦いの後、部隊が事件の事を秘密裏に処理し、
俺と、起きた皆は部隊のビルの総隊長室にいる。
そこには、総隊長さん、俺、紫、琴雪、聊爾、不知火、ハイト。
それと小隊隊長の飛騨さん、紫の弟の明がいた。
総隊長さんが皆揃ったのを見るとゆっくりと口を開いた。
「今、皆さんに集まって貰ったのは他でもありません。
御神君だけは教えましたが、他の人にも関係の無い話では無くなってしまいました。
私が話したいというのは、飛騨君、明君、それに紫君達も知っていた事です。
そう。H-CR文書についてです」
その言葉を聞いた途端、部隊所属の3人は驚愕し、聊爾達は首を傾げていた。
「皆さんの中にはいままで関係無かった人達がいますが、説明させてもらいます」
そう言って、聊爾達に俺が教えられた事実を全て教えた。
『HUMAN』による人工生命体と重複能力者の再生。
その話を聞いた時、皆の顔は信じられないと言っていた。
「あの……それで私達に何をしろと……?」
琴雪が総隊長さんに聞く。
「……言いにくいが、今回のアインの騒動で君たちもこの事件の関係者となってしまった。
私達は君たちを保護させてもらう。
そして、これは苦渋の末に判断したことだが……
来るべき決戦の日には、君たちにも協力して欲しいんだ」
「なっ! そんなのダメです! 皆は、まだこっちに来ちゃいけないのに!」
俺は総隊長さんの言葉に息を詰まらせながらも言う。
そうだ。これは俺達の問題だ。皆を巻き込むわけにはいかない。
しかし、それは本人達によって拒まれた。
「……私にできることなら」
「分かりました。私は助けになってみせます!」
「俺もやってやる!」
「僕もいいですよ。皆さんのためになるなら」
皆が次々に承諾していく。
「ダメだ! お前ら分かってるのか、ここからは殺人の世界なんだよ。
お前らはそれを分かって「そんなの分かってるよ!」……なッ!」
琴雪が叫ぶ。自分の思いを必死に伝えようとして。
「そんなの、皆分かってるよ! だけど、だけど、皆は哀くんの仲間なの!
私たちは、自分の為にそうしたいって言ってるし、これは私たちの本当の気持ち。
もう1人で背負わないでよ。私たちだって助けたいの!」
俺は何も言い返せずにうなだれる。
すると紫がこちらに来た。
「……アイ」
「なんだ……」
「皆は、あなたの仲間であり友達でしょ?
だったらアイも皆を信じてあげなきゃ」
「……俺は、いつだって皆を信じてる。
だから、皆!」
俺は叫ぶ。この思いを。
「俺は、お前らを信じたい! だから!
お前らの力を貸してくれ! 俺を信じてくれ!」
「当たり前だよ、哀くん」
「何を当たり前の事をいってんのさ!」
「そんなの最初っから分かってるに決まってんだろ!」
「僕も前からそう決めてましたよ」
皆は笑って、俺に返してくれる。
……何も心配する必要なんてなかったんだ。
俺は皆がいるだけでがんばれる。信じあっていける。
なにを疑ってたんだろう俺は。
こんな事、最初っから俺も分かってたのにな…………。
俺は部隊の皆にも目を向ける。
飛騨さん、明、総隊長さん。
そして……紫。
「私たちもアイの仲間よ。
まあ、分かりきってるでしょうけど。フフッ♪」
俺は紫の笑みに、思わず顔を綻ばせた。
「ああ。そうだなっ!」
俺は仲間を信じ、決戦の日を迎えようとしていた。
「皆! これからもよろしくな」
「「「「「「「「おうっ!(はい!)」」」」」」」」
また一歩、新しく踏み出せた。
主人公。
また新しく何かを見つけたようです。
性格も最初と結構変わってますし。
もし決戦の時を書くのだったら、長めになると思います。