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第十五話 代表決め

みんな無茶苦茶な戦い……

「「能力武闘大会?」」


俺とハイトは同時に疑問を紫に言う。

すると紫はハァと溜め息をついてから言う。


「ハイト君が知らないのはしょうがないとしても、

アイまで知らないなんて……。

この学校の説明読まなかったの?」


「そんなもの知らないぞ? それより大会ってなんだよ」


すると紫はまた溜め息えをついて説明し始める。


「能力武闘大会っていうのは、年に一度開催される『HEAVEN』の中にある

学校が集まってやる、その名の通り武闘大会よ」


それにつづいて後ろから不知火が続ける。


「代表っていうのは、その学校の交流大会にでる、

それぞれの学校から選出される選手のこと。

どの学校からもSクラスから出るから、ウチらのクラスで代表決めんの」


俺とハイトはその説明にナルホドと頷き、そしてハイトは言う。


「では、このクラスからでるような上位の選手は誰なのですか?」


するとさらに向こうから聊爾が自信に満ちた声で言う。


「そりゃあ、俺達だよ。だってクラスの第5位までいるんだし」


「そ、それは分からないよ……他の人だって頑張ってるし」


聊爾の発言に困った顔で言う琴雪。

そこで不知火が言う。


「まあ、とにかく訓練所行きましょう!

遅れるわよ!」


俺達は時間をみて、慌てて訓練所に向かった。


そこで俺は驚く。


「すげえ……もう直ってる……」


そう、俺がこの前ぶっ壊した天井や壁が綺麗に傷一つ残さず直っていたのだ。

いくらなんでも早すぎだが、それほど上手く直したのだろう。

俺達は先生と皆がいる所に走った。


「それではこれより代表決めを行う。

代表決めは、クラスでグループごとに6つに分けられており、力配分は均等にした。

因みに言うと、第1位から第5位はみんな違うグループだな!

ルールは気絶するか降参するか、こちらの判断で決めた勝敗だ」


その言葉を聞き、先生に対して野次が飛ぶ。

しかし先生はそれを無視し、言う。


「それでは、グループごとに前にでろ!まずは1グループ!」


「俺だな!」


そう言って聊爾が前に出て行く。

ハイトが聞く。


「聊爾さんは強いんですか?」


俺は答える。


「ああ、俺でもやばかったぐらい強い」


「それ、アイが言うとただの嫌味よ?」


紫に茶化される。


「うるせーな。それで、俺はグループどこだよ?」


「哀さんは4グループです」


琴雪が言う。


「聊爾くんが1、紫さんが2、不知火さんが3、哀さんが4、私が5、そしてハイトくんが6です」


「……本当にバラバラだな……」


俺はその事実に溜め息をつきながらも前を見る。


そこには、聊爾しか立っていなかった。

もう始まってたのかという疑問はさておき、他の奴らはどこ行ったんだと

周りを見る。このクラスは30人なので、残りの4人を見失うわけが無いのに。

すると、俺達の更に後ろに、居た。

4人が倒れて重なって、なんだかとんでもないことになっていた。


「代表、荒祇聊爾!」


先生の声が響く。

聊爾がこちらに走ってきた。


「やっぱり言ったろ」


「はいはい、次は紫か」


「じゃあ、行ってくるわ、アイ」


紫はそう言い、前に出て行った。


先生が試合の始まりを宣言する。


その瞬間に、紫はもの凄い速さで1人の背中に行き、触れる。

そして、その生徒はもの凄い形相で訓練所から叫びながら出て行った。

その光景に呆然として隙がある残りの3人に次々と紫はその手で触れていく。


1人はその場で泣き崩れ、1人は白目を剥き泡を吐いて倒れ、1人は顔を真っ赤にしてその場で身悶えている。

…………紫の能力ってやっぱ恐ろしい……。


「だ、代表、佐屋紫!」


先生までもその地獄絵図を見て、同様している。

紫がうれしそうにこちらに駆けてくる。


「やったわよ、アイ」


「けどあれはやりすぎだろ……一体なにを……」


すると紫は黒く微笑して聞いてくる。


「ほんとに聞きたい?」


「いえ、やっぱりいいです……」


俺は背筋が寒くなる思いで丁重に断った。

……代表決め、なんかやばいな……。


そう思い、更に気が重くなった俺だった。


次は不知火。不知火は多分まともにやってくれるだろう、と思っていたのだが……


「代表、不知火奏華!」


「……はぁ……」


俺は溜め息をつく。

なぜなら、不知火までもまともな勝負をしなかったのだ。

内容は、始まりの合図とともに地中から溶岩を回りに噴出させて、

これまた黒い笑顔で脅した。

あの時の不知火は、いつもとなんか違った。

同じグループには、溶岩までも防御できる奴が居なかったので、あっけなく降参。

それで今に至る、という訳だ。


「やったぞ!」


不知火は喜んでいるが、他の奴には心的外傷トラウマになっただろう。



次は俺だ。

紫から、あなたも本気でやりなさいと言われているので頑張ろう。

俺は前に出る。

そして先生が始まりの合図をする。

俺は風の向きを計算して、俺を中心に小型の、だが風速はある竜巻をつくり、

ほかの奴らを吹っ飛ばした。


「代表、御神哀!」


「……これもまとも、じゃないよな……」


俺はそう呟き、皆の所に帰る。

するとハイトがこっちに来て言う。


「凄いですね、哀」


「いや、ありがとう」


俺たちは皆の所に一緒に行くと、琴雪がゆっくりと立ち上がって、前に出て行く。


「……行って来る……」


琴雪は……いや、あれは裏琴雪か、はユラユラと前に出て行き、

戦闘を始める。

しかし、裏琴雪が手をかざした瞬間、




他の対戦者がみんな凍りの牢にいれられた。

その氷の牢は、中がどんどん凍り付いていく。

そして裏琴雪は言う。


「……降参、しないと、氷付け、確定……ふふっ……」


背筋が凍った。

この気持ちを味わったのは俺だけではないだろう。

対戦者たちはみんな青ざめて、恐怖のあまり言葉を詰まらせながらも

降参の宣言をした。


「……代表、涼風琴雪……」


その瞬間、牢は砕け散った。

琴雪はこちらに歩いてくる。


「やったよ! 勝った!」


琴雪はうれしそうだ。

……良かった。『裏』じゃない。

…………次はハイトか。


俺は見たことがない能力にたいして、期待を持っていた。


琴雪がなんか怖いです。

あ、『裏』のほうね。

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