第十話 戦闘!!!!(続き)
やっと戦闘シーンですね。
?何が起こった?
ああ……空が蒼いな……。
いや、まてまて、俺は上を見ていた覚えはないぞ?
俺はそう思った瞬間、空中から地面に落ちた。
あぶねーな。受身を咄嗟にとって良かった……。
そして、だからこそ思い出す。
この戦闘訓練でクラス第5位を決めるのだということを。
ああ、俺誰に飛ばされたんだ?
俺は元いた位置を見ると、そこにはポッカリと空虚な穴が不自然に
開いていた。空にも同じのがある。
ああ、聊爾のか……と思っていたらいきなり横から溶岩がとんできた。
……? 溶岩?
「うわっ! あぶねえ!」
俺は体勢を崩しながらも避ける。
「よくかわしたね!」
俺が溶岩をかわすと不知火が声を発した。
20mほど前に居る。
「いや、よけないと俺が死んじゃうし……」
そう突っ込むが、聞いてないようだ。
いきなり土の拳が地面から飛んできた。
俺は自分に当たるものだけを風で吹き飛ばす。
すると不知火は言う。
「私達のバトルでの約束!
たった1つ、それは手加減無用だよ!
相手を殺す気でやることだよ。でないと私達の誰かがあなたを殺すわよ!」
「……マジで?」
「「「「マジで」」」」
聊爾は紫と琴雪相手に奮闘中だというのに、不知火と一緒に言葉を返す。
「はぁ……分かったよ。殺ればいいんだろ、殺れば」
「分かったならいいんだけどね……。けど死にかけるときの
感触は怖いわよ。少なくとも私達4人は経験してる」
俺はマジか……と思いながらも集中。
空気を水素に『変換』する。地面に足をふれて、分からないように炭素をとりだす。
炭素はさっきの溶岩攻撃で、離れた枯れ枝が炭化していたものを利用した。
俺はばれないように本気を出すことにしたのだ。
本気の相手には本気を。これルール。
俺は炭素を無理やり『気化』させ、水素と無理矢理結合させる。
因みに俺の能力に物理法則など関係ない! ……自分で言っててすげーな……。
俺は水素と炭素を原子レベルで結合させた。
そう、プロパンガスを作ったのだ。
俺は不知火にばれないように、風を操り、プロパンガスをのせて不知火の周りに展開。
不知火が言ってくる。
「おいおい、攻撃して来ないのかい? ならこっちから行くよ!」
不知火は地面を蹴る。
その瞬間、小規模な地震がおこり溶岩が吹き出た。
「かかったな……」
俺は全力でプロパンガスを溶岩と不知火の間に解き放つ。
不知火がその独特のガス臭に気付いたときには、もう遅かった。
「しまっ……」
「恨まないでくれよ……」
そして、溶岩の熱の余波で大爆発が起こった。
『ドガァァァァァ!!!!』
爆音がその時の音を支配した……。
吹き飛ばされた不知火はボロボロの状態で先生に運ばれどこかにいった。
爆発場所を溶岩寄りにしといてよかったな……下手すりゃ殺してた。
俺はさっきの爆発を呆然として見ていた3人の内、まずは……
紫をねらった。
俺は風を体全体の後ろから噴射し、紫の後ろに高速で回った。
この移動法はさっき思いついたものだ。
しかしここまで上手くいくとはな…………。
俺は紫を自分の手に乗せた小さな暴風に当てた。
しかし、小さくても暴風だ。どれくらいかというと竜巻ぐらい。
紫は俺に触れて能力を使う暇もなく、後方に吹き飛ばされた。
次は……琴雪。
聊爾は厄介な相手だ。
今なら聊爾を放っておいて琴雪に集中できる。
琴雪は掌に氷の塊を作ってこっちを躊躇なく殴ってくる。
……やっぱ、性格変わってんな。
俺は少し離れて立ち止まる。するといきなり俺の服の一部が凍り始めた。
「ッくそっ!」
なんと遠距離も可能みたい……ってさっきやってたな。
俺は狙いを定めにくくするため風の高速移動を使う。
俺はもう竜巻を起こすことにした。
いや、もう面倒だから。……何?女の子相手に情けない?……うるせぇー!
全ての俺が掌握している風を琴雪の周りに渦巻かせる。
琴雪は気付いたようだがもう遅い。
……けど、マジで琴雪ごめん。
俺は竜巻を作った。
「きゃああああああ!」
俺は竜巻で巻き上げられた琴雪が落ちてくるのを
確認する。俺は落下地点に行き、琴雪を受け止める。
すると、気絶していた琴雪が目をさまし、こちらを見てくるといきなり頬が真っ赤になった。
……確認しよう。今、俺は琴雪を受け止めたままだ。
そしてその体勢は言わずもがな、お姫様抱っこ。
琴雪は「きゅう~……」と気絶してしまった。
俺は琴雪を先生の所へ置いておく。
後は、聊爾か。
俺は後ろを振り向こうとしたその瞬間、
声がした。
俺の真後ろから。
「よう、俺を無視すんなよな?」
そして俺の視界は反転した……。
……またこれか。
主人公補正で此の世のルール無視決定です。
以外に聊爾も強かったりする。