1/1
狐編 第一章【巫女服】
学校は嫌いだ、クラスメイトはうるさくて煩わしい。私は本を読んでいるというのに、周囲の騒がしさが邪魔をする。私は一人の方が好きだ。
帰り道も、そんな日常の延長線のはずだった。しかし、いつの間にか、道は見慣れない鳥居の前に続いていた。
辺りには霧が舞い。幻想的な雰囲気を漂わせていた。
空はいつのまにか、藍色に染まり、月の光が地面を照らしている。まるで行くべき道を教える道標のようだ。月光が照らす先には何段も続く石段が待ち構えていた。
私は、道を引き返そうと思い、後ろを向いたが、そこには、永遠と続く森があった。
引き返す事はできないので、私は仕方なく、月明かりの下を歩く事に決めた。
無限と続く石段を登りきると、大きな神社があった。そこは静かで、私の望んでいた環境があった。
前に前にと進んでいくと、人の後ろ姿が見えた。月に照らされていて、私は、神様かと思った。その人は、こちらを向いてきた。
巫女服を着ていて、狐の面を被っている。
「お待ちしておりました。霞様……」
と彼女は言った。
雲で隠れていたはずの、月が地面を照らしていた。




