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第一部 第三章 ②

 カナダのドームでは1つの小さな村が出来ようとしていた。

 第1団の大型宇宙船には、生活拠点を作り上げていくための様々な分野の専門家が乗り込んでいた。

 サラの兄夫婦もそうだった。

 兄のレックスはクラフトマンで、その妻のアイラは建築デザイナーだった。

 

 長を決め、配給担当、農作担当、医療担当など、日が増すごとに必要な担当が増えていき、協力しながら過ごしやすい環境を築いていった。

 ドーム内では自由に行き来できた。

 レストランのような施設があったのでそこを改築してみんなの食堂兼憩いの場にした。

 スタジアムでは土地を掘り起こし、畑を作り、種や苗が植えられていった。リンゴとベリーの苗木、オリーブの苗木も数本ずつ植えられた。

 後の便で来る予定だった家畜の小屋も建築予定だ。担当が建築する場所を考え、小屋も家畜の飼育環境に合わせて設計していた。

 

 月に残してきた家族の心配や、今後どうなっていくのか、不安は尽きなかったがドームに連れた来られた当初よりは皆、明るく笑顔をも増えていた。

 とりあえず捕虜という立場を除いては当初の地球についてからの計画通りに動けていた。

 思ったよりも快適に過ごせ、自分たちの力で少しずつ物ができていくことに皆生きる気力を感じていた。

 このまま何事もなく過ぎれば良いとも思っていた。



 戦闘員たちもドームの捕虜たちもそれぞれ不安要素は残しながらも地球での生活に慣れ始めた頃、異変が起きた。


 カナダではドームの屋根が閉まり、全員部屋で待機を命じられた。食料の供給以外部屋から出ることを許されなかった。

 月の者のすることを黙って見守っていた兵士たちは人数を増やし、月の者の監視を強化した。

 少しでも怪しいと思われる行動をすると監禁できる部屋に閉じ込められた。

 人々はまた不安と恐怖の中に閉じ込められてしまった。



 戦闘員の捕虜たちは突然作業が中止になった。兵士に目隠しと猿ぐつわをかまされ、手を後ろで縛られた。バスが来ると押し込まれ、各工場に回って、全員が揃うとピラミッドに戻った。

 戦闘員たちはピラミッドの中の大部屋に入るまで目隠しと猿ぐつわと手の縄を外してもらえず、部屋に入ってから兵士は1人だけ手の縄を解いた。

 兵士は部屋からすぐに出ていき、部屋の鍵をかけた。

 縄を解いてもらった戦闘員は目隠しと猿ぐつわを取った。すると他の全員がそのままなのでびっくりして急いでそばにいる1人の縄を解いた。そうやって次々と縄を解いていった。

 戦闘員たちは急な出来事で困惑していた。

 ジョージが戦闘員みんなに聞いた。


「何か不審な行動をした者がいるのか?」


 誰も返事がなかった。工場別に聞いてみても、どの工場も特に変わった事はなく通常通りに動いていた。

 数日経っても部屋から誰一人出してもらえなかった。

 食事は兵士が毎日3回運んで来るが、何があったか聞いても返事がない。

 戦闘員たちはだんだんと不安を募らせていった。

 



 地球の周りにある人工衛星が破壊された。1基目の破壊ですぐに気づいた。

 アマヒはモニターで各地の兵士を呼び指示を与えた。

 カナダのドームにいる捕虜たちは部屋で待機させて、ドームの屋根を閉じるように指示した。

 カイロの製造所で働かせていた捕虜たちもすぐにピラミッドの戻すように指示した。

 数日かけて人工衛星のモニターが全てが映らなくなった。

 アマヒは製造完了した人工衛星を飛ばす準備に入ったが、打ち上げはもうしばらく見送ることにした。

 今打ち上げてまた壊されたら元も子もない。全てを壊し尽くしたと月の者に思わせてから打ち上げることにした。

 兵士には月からの侵略があるかも知れないので、地上からしっかり見張るように指示した。


 人工衛星が全て破壊された数日後、月の戦闘員たちが乗ってきた宇宙船の近くで小型宇宙船がウロウロしているとの情報が入った。

 アマヒはすぐさま兵士を送るように指示した。


 小型飛行機で現場に向かうと、小型宇宙船は着陸していた。兵士は飛行機から降りて小型大砲で脅しながら操縦士2人を外に出し、目隠しと猿ぐつわをして、手を後ろで縛り小型飛行機に乗せた。

 別の兵士が小型宇宙船にのりこみ、他に誰かいないか後部まで見て回ったが、他にはいなかった。


 小型飛行機は離陸し、エジプトに向かった。途中で車に乗り換え、ピラミッドまでいき、2人を中に連れていった。


 アマヒは2人と面談し、サラが探しているという兄夫婦の名前をカナダの捕虜の名簿の中から探した。

 レックス・クライトン、アイラ・クライトンの名前は確かにあった。

 アマヒは嘘ではないことを確認し、2人を部屋に軟禁した。


 アマヒは人工衛星を1基日本から打ち上げた。続いて2基目をロシアから打ち上げた。

 半時もしないうちにモニターに画像が映り始めた。2基ともに低軌道衛星を打ち上げたのでアマヒは送られてくる画像静止画にした。

 アマヒは1度に何百と送られてくる画像を一気に見て解析することができた。


 アマヒはモニター画像を見てあることに気づいた。

 小惑星が落ちたクレーター近くの画像が送られてきたときに、2人が乗ってきた小型宇宙船がないことに気づいたのだ。

 アマヒは2人を捕まえた兵士に小型宇宙船のことを確認した。兵士は確かに小型宇宙船はそこにあってそのまま置いてきたと言った。中を確認したが誰もいなかったことも報告を受けていた。


 アマヒは兵士に現場に行って確認するように指示した。

 しばらくして兵士から小型宇宙船がなくなっているとの報告を受けた。

 アマヒは人工衛星の1つを軌道を変えてアフリカ大陸周辺を何回も周回させた。

 小型宇宙船が映った画像が人工衛星から送られてきた。小型宇宙船と一緒に大型宇宙船も映っていた。

 場所はイエメンだ。

 小型宇宙船が移動したのならばサラとラージの2人以外にもう1人いたと考えられる。イエメンに移動した理由はわからないが、アマヒは兵士を集めてすぐにイエメンに向かうように指示した。

 兵士は大型飛行機にジープとレーザー砲を乗せ、ピラミッドに数人の見張りの兵士だけを残し、イエメンに向かった。


 兵士が人工衛星から送られてきた画像の場所に行くと、小型宇宙船と大型宇宙船が確かにあった。

 大型飛行機が着陸すると同時に、大型宇宙船は離陸してそのまま上空に上がって行った。

 兵士は急いでレーザー砲を向けたが間に合わなかった。

 残された小型宇宙船の中を隈なく探したが誰もいなかった。

 兵士はアマヒに状況を報告した。

 アマヒは残っていた1人の月の者が大型宇宙船を誘導して着陸させたが、見つかってしまったので、そのまま月へ戻ったのだろうと予測した。

 アマヒは引き続き監視を続けるように兵士に指示した。



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