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第二部 第四章 ③

 翌夜明け前大型宇宙船から5機の小型宇宙船が地球に向かって飛び立った。

 2機の小型宇宙船にはそれぞれ操縦士と副操縦士の2名とドーム内に侵入する者5名が乗っていた。

 後の3機には操縦士と副操縦士、5名の隊員がそれぞれ乗っていた。

 大型宇宙船にはドーム内を占領したのちに地球の戦闘機に対処する小型宇宙船5機に操縦士と副操縦士が乗り込みいつでも飛び出せるように待機していた。


 小型宇宙船は大気圏を抜け、2機はドームの屋根の周りの通路上で停まり、サラを含む10名の隊員が降りた。

 3機はドーム近くの建物の陰で待機、隊員を降ろした2機もドーム上空で待機した。


 サラが隊員9名を案内してドーム内に侵入した。そこから階段を使って1階まで降り、柱の陰に隠れながら正面玄関まで近づいた。

 玄関前に2人兵士が立っていた。

 サラを含む5名はすぐそばのホテルのロビーの机やカウンターに身を隠した。

 残り5名は大きな声をあげながら兵士に向かって走り、レーザーガンで脚を狙って撃った。

 兵士は銃を取り出して応戦したが、防弾スーツが弾をはじき、隊員のレーザーガンに撃たれて動かなくなった。

 動かなくなった兵士を縛り上げようとしているとき、他の兵士が現れた。


「誰だ!」


 兵士が叫ぶとホテルのロビーに隠れていた隊員が出てきて兵士の後ろからレーザーを撃った。

 兵士は倒れて動かなくなった。

 

 サラはカウンターに隠れていたが、急に後ろから頭に銃口を突きつけられた。


「動くな!」


 カウンターの奥の部屋にいたらしい兵士が二人出てきていた。

 サラは油断したと思った。


「レーザーガンを床に置いて手を上げろ」


 兵士に言われてサラはレーザーガンを床に置いて手を上げた。

 サラは兵士にカウンターの外に出された。


「こいつの命が惜しかったら全員レーザーガンを床に置いて手を上げろ!」


 最初に兵士を倒した5人と後から来た兵士を倒した1人が、レーザーガンを床に置いて手を上げた。

 残り3人はまだ机の下に隠れていて、兵士に気づかれていないようだった。

 サラは兵士が机に背を向けて立つように6人の隊員のそばに行く振りをして、手を上げたまま歩き始めた。


「勝手に動くな!」


 兵士がそう言ったが、サラは無視してゆっくりと歩いた。

 兵士はサラを追うようにして銃口を向けながら後をついて行った。

 机の前を通り過ぎ兵士が机に背を向けたとき、隠れていた隊員2人が後ろから兵士をレーザーガンで撃った。

 兵士はそのまま倒れた。

 サラは大きく息を吸って吐いた。


「5人全員ね。鎧兜を外して縛り上げておいて」


 サラはそう言うと小型宇宙船で待機しているアランに作戦成功と通信機で報告をした。


「うわっ、何だこれ!」


 兵士の鎧兜を外していた隊員が驚いた声を出していた。

 サラは近づいて真っ黒なゴムの身体をした兵士を見ながら言った。


「ここの兵士もヒューマノイドなのね」


「サラ、こっちは違います!」


 サラの頭に銃口を突きつけた兵士は人間そのもに見えたが、レーザーが当たった腕の傷口はショートしたコードが剥き出していた。


「アンドロイド……こんなに精巧に作れるなんて……」


 サラは地球の技術はかなり進歩していると思った。


 サラは兄夫婦の部屋を訪ね、とりあえずドーム内の占領は成功したことを告げた。

 レックスにドームの屋根を開けてもらい、小型宇宙船を1機駐機させて、また屋根を閉じた。

 残りの4機はドームの周りに待機して地球人からの攻撃に備えた。

 ドームの屋根周りの通路には監視と攻防のため20名の隊員を配置した。



 ドームを占領して2時間ほどして戦闘機が1機飛んできたがすぐに旋回して帰って行った。ドームの兵士との連絡が取れなくなって戦闘機で偵察に来たのだろう。


 その日は何事もなく夜を迎えた。

 小型宇宙船はそれぞれ乗っている2名で交代しながら、屋根の通路にいる者は半分に分かれて交代で見張りを続けた。

 残り5名はドーム入り口で交代で見張った。


 明け方のことだった。小型宇宙船にいたオリバーが全隊員へ無線通信を入れた。


「レーダーに5機の戦闘機らしきものを感知した。今500㎞西からこちらに向かっている」


「全員作戦通り戦闘準備に入る。こちらの宇宙船は上空より戦闘機に向かって飛行する」


 大型宇宙船に残っていたアランが指示を出した。

 大型宇宙船から5機の小型宇宙船が飛び出し、大気圏に突入した。

 大気圏を抜けると高度50kmまで降下しドームより西に向かって飛行した。


 ドームの周りに駐機していた4機の宇宙船も高度10kmまで上昇し、ホバリングして待機した。

 ドームの屋根周りにいた隊員たちは戦闘機から見えないように物陰に隠れた。


 西に向かった小型宇宙船はドームから200km離れたところで戦闘機5機を確認した。

 さらに西の方向50㎞先に10機レーダーに反応した。


「上空から5機の戦闘機を5機の小型宇宙船でそれぞれ1機ずつ後ろからレーザー砲で撃ち落とす。右から順番にドユン、ユート、ラージ、エリオス、俺アランだ。一気に行くぞ。

このまま降下して5分後に発射する。3、2、1、ゴー!」


 5機の小型宇宙船は急降下し、戦闘機の斜め後100mまで近づきレーザー砲を発射した。

 見事に5機の戦闘機に命中し、戦闘機は煙を出しながら落下して行った。


「次は50㎞先の10機を狙う。一度高度50㎞まで上昇する。まず5機を狙う。5機を撃ち落としたら一旦残りの戦闘機が追いかけられないところまで高度を上げろ。そこから残りの5機を狙う」


 アランが指示を出し、全員が了承した。


 10機の戦闘機の真上まできて、5機の小型宇宙船は急降下して斜め後ろからレーザー砲を発射した。

 5機の戦闘機は落下し、残りの5機が小型宇宙船を追いかけ、ミサイルを発射した。

 小型宇宙船は猛スピードで上昇し、なんとかミサイルをかわした。


 レーダーに5機の戦闘機以外の飛行物体が3機感知された。戦闘機よりスピードがないようだ。

 アランはドームで待機している小型宇宙船に応援要請した。


「今こちらに敵が8機いる。うち5機は戦闘機で3機は不明だがスピードが遅い。5機の戦闘機はこちらの5機の宇宙船を狙っていると思われる。そちらから不意をついて戦闘機に攻撃をしてもらいたい。こちらは3機の不明の飛行物体を攻撃する」


「ラジャ!」


 ドームで残っている小型宇宙船のリーダーであるオリバーが返事をして、他の小型宇宙と共に西へ向かった。

 オリバーたちはアランたちと同様に高度50㎞を飛行した。


 戦闘機はアランたちの小型宇宙船が西へ向かったのでそれを追いかけた。

 オリバーたちが戦闘機をとらえ、降下してレーザー砲を撃ち、3機に命中した。

 残りの2機の戦闘機は左右に分かれ1機は西へもう一機は東に向かって飛んだ。

 オリバーたちも分かれて2機の戦闘機を追いかけた。


 アランたちが向かった飛行物体は大型貨物飛行機だった。レーザー砲で撃つと大型貨物飛行機は3機とも着陸し、中から戦車や大型トラックが出てきた。

 戦車はアランたちの小型宇宙船に向けて砲弾した。大型トラックは荷台の上部が開きレーザー砲が出てきて小型宇宙船を狙って発射された。

 アランたちの小型宇宙船は高度を上げて砲弾を避けたが、近づくことができず攻撃できなかった。

 4台の戦車と2台のレーザー砲を積んだ大型トラックは小型宇宙船が近づくと砲弾しながらドームの方向へ向かった。

 

 東に向かって飛行している戦闘機をオリバーが捉え、レーザー砲で撃ち落とした。

 西へ向かった戦闘機は戦車や大型トラックのレーザー砲に援護され、西へそのまま飛び去った。

 小型宇宙船が高度を上げて追ったが500㎞先で見失った。


 アランは何としてでもドームに着く前に戦車を止めたかった。


「自動操縦でこの宇宙船をトラックに向けて突っ込む。おそらく全ての戦車の砲口がこの宇宙船に向けられるだろうからその隙にレーザー砲で砲身を破壊してくれ」


 アランは全小型宇宙船の隊員にそう告げると、目標を定め自動操縦に切り替えた。

 アランたち3人は緊急脱出のボタンを押し、射出座席で脱出した。

 小型宇宙船は大型トラック目掛けて飛行した。戦車の砲口が小型宇宙に向けられ、砲弾が発射された。

 その隙にドユンたち6機の小型宇宙船がそれぞれ砲身を狙い一気にレーザー砲を撃った。

 全てが命中し、すぐに戦車本体や大型トラックに向けて近距離からレーザー砲を何度も撃った。

 戦車や大型トラックは破損して動かなくなった。


 アランたちは無事地上に着き、オリバーの小型宇宙船に乗り込んだ。

 アランはしばらくレーダーを見て何も感知しなかったのを確認してから他の小型宇宙船に向けて通信した。


「任務完了。全機ドームに戻る」


 8機の小型宇宙船はドームに向けて飛行した。


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