後編:秋田・青森へGO!
~大湯環状列石~
翔龍道からは外れますが、今回ご案内するのは秋田鹿角市の大湯環状列石です。
こちらは有名なのでご存じの方も多い、日本のストーンサークルの聖地!
イメージでは、行ってすぐにストーンサークルと対面できると思いがちですが、実際行くとかなり広いので、時間に余裕を持っていくと良いです。
そしてこちら、私はミステリー感漂うものと勝手にイメージしておりましたが、明るくて開放的です……!
縄文遺跡がある所って居住地でもあるからか、日当たり良くて過ごしやすい場所が多い気がします。
祭りが行われた場所とされていますが、確かに、見晴らしも良くて、良いお祭りが出来そうです。
大湯環状列石では、万座と野中堂の両環状列石の中央を繋いだ線が、冬至の日の出と夏至の日の入りの方向と合致する事が知られています。
もう公式に知られているんですね。
それ以外にも、恐らく万座環状列石から万座配石遺構の方角、同じく野中堂環状列石から野中堂配石遺構が南の方角にあるようです。
縄文人は、方角をしっかり把握していたと言う事です。
やはりストーンサークルは太陽活動と関連している可能性が濃厚になってきました。
さらに、翔龍道で大石神ピラミッドの事を書きましたが、大湯環状列石の夏至の日の出の方角に、こちらもピラミッドと言われている黒又山がそびえ立っております。
古代に作られたピラミッド状の建物は世界中に分布してまして、エジプト、中東、中南米、東南アジアのカンボジアにもあります。
どれも古代の信仰施設ですが、日本にもあるのかと思うとトキメキますね。
で、秋田県の見所をご紹介したかったのですが、私、見通しが甘かったのです……!
大湯環状列石にほぼ一日かかりきりになり、周辺観光を見逃しました……
急いで青森方向へ北上し、夕方に差し掛かった頃に十和田湖へと辿り着きました。
ーーーーしかしここでアクシデントが。
カーナビを見ると、十和田湖の中を走っているんですよ、車が。
いやあ、ビックリしましたね。
カーナビさんが道を教えてくれないーーGPSさんが仕事をしてくれない!
こんな時に限って、ケータイの電池も切れそうです。
これはもう、自力で頑張るしかありません。
この湖の中にいた話をしましたら、ゲームに詳しい知人からは、他に『壁の中にいる』と『石の中にいる』バージョンがあると教えていただきました。
ーー大喜利か?
十和田湖の巨大さを思い知らされつつ、何とか道を見つけて移動し、事なきを得ました。
秋田の名物グルメは、比内地鶏の親子丼しか味わえませんでしたが、卵がトロリと濃厚で美味しかったです……! 地鶏スープは購入しましたが、マタギの館なる温泉宿があるらしく、熊グッズが豊富だと聞いてまして。伊勢堂岱遺跡のどんぐりサブレや北秋田クッキー缶も気になっていたんですが、次回のお楽しみにしたいと思います。
十和田湖もミステリー満載なのですが、縄文遺跡から外れるので今回はうっすらと触る程度に。
こちら、湖底にピラミッドがあるとかキリスト像が水中から発見されたとか、ミステリー要素満載なので、ミステリーハンターの方々には大変オススメでございます。
何が凄いって、十和田湖は今も活動中の活火山なんですよ。
湖で活火山というワイルドさ。間違いなく大自然のパワーが漲っているはず……!
*
さて、翔龍道へ戻ると、青森入りして間もなく奥入瀬渓流へ差し掛かります。
こちらも観光地として有名ですが、渓流と木々の緑のコントラストが美しく、癒される良い所です。
そちらをさらに北上し、ついに到着。三内丸山遺跡です!
~三内丸山遺跡~
三内丸山遺跡は、縄文遺跡好きなら一度は訪れたい、憧れの地です。
こちらは、とにかく広い、出土品も多いと見ごたえ十分!
そして近年は6本柱建物が冬至や夏至の方向を示していると話題になっております。
木の柱が立っている、いわゆるウッドサークルは石川県のチカモリ遺跡などでも見られます。
注目したいのが、アメリカの"ムーアヘッドサークル"では、木製のヘンジで天文観測をしていたと言われていまして、木製ヘンジの前方に作った盛土との線上に夏至の太陽が昇るそうでーー
何と、ヘンジと盛土の組み合わせは、ここ三内丸山の南盛土と北盛土、御所野でもストーンサークル近くの盛土があるではありませんか……!これは偶然にしては出来すぎています!
ちなみに三内丸山遺跡では南と北の盛土から大量に土偶が見つかっているそうです。
盛土は祭祀場の可能性もありそうです。
そして、これは推測ですが、こちらでは十字形の板状土偶が大量に見付かっていますが、十字は古くから太陽の象徴とされているため、もしかすると夏至や冬至で太陽の復活などを意味する祭祀が十字形の土偶で行われていたかもしれません。
あともう一つ、縄文時代は南十字星が見えていたそうなので、冬至の頃に現れる南十字星を祀った可能性もありますね。青森ではっきり見えていたかは定かでないのですが、ペルーでは南十字星を見て農事暦にしているそうなので、こちらの説も捨てきれません。
それと、ペルーでは十字架で占いをするそうなので、何かしら関係あるのかな、とも思います。
こういう海外との共通点がありそうと思うものは、三内丸山遺跡の近く、小牧野遺跡にもありまして。
小牧野遺跡は環状列石が特徴の遺跡で、こちらから八甲田山と冬至の日の出が重なり、夏至には以前は馬頭観音碑があり、そちらと重なっていた様です。
また、少々日にちがずれますが、春分と秋分の日の出が雲谷山と重なり、岩木山方向へ日が沈みます。
この雲谷山はモヤ山と言いまして、御所野遺跡で夏至に日が沈む方向にあった茂谷山もモヤ山です。
雲谷山は地元の方に神の山と言われているらしく、岩木山も神の山なんです。八甲田山にも神様が祀られております。
神の山を望む小牧野遺跡では、石でできた三角形岩板がたくさん出土しています。
三角形の石と神の山と言うと思い出すのが、ペルーの"イリャ"という石でできた山の神(精霊や聖なるものをも表す)を表す、”アプー”という三角の石です。
そっくりではない(時代もかなり違いますので)のですが、ペルーの古代文明も太陽信仰でピラミッドもありますし、ストーンサークルもあり、共通点は多いーー日本はあちこちに山の神様を祀る石碑を建てているので、山の神様の祭祀はあり得そうだーーと可能性を感じております。
何しろ、アプという呼称、岩手の安比と語源が恐らく同じではないかと。
アピはインドネシア語で火山の意味ですが、他にも日本で阿保山、韓国にアプ山、ネパールにアピ山、フィリピンにアポ山、ニカラグアにアポヤケ山があり、かなり広範な地域の”山”で使われているんです。アイヌ語ではアペが火を意味していて、安比は火山だからアピ。
アイヌで火の神はアペフチと言いますが、富士山は火の神だからフチと言う説もあります。
かなり共通点があって面白いと思いませんか?
ちなみにペルーでは、シャーマンが首から下げた小さな笛でアプー(精霊)を呼んで交信します。
大湯環状列石でも三角岩板が見られまして、山の神を祀っていたなら、多分ですが、大湯で有名な土版はシャーマンが吹く笛(オカリナの様な)だったのではと推測しています。
土版の造りが、ほぼオカリナなのですよ。なので、音が出そうなんですよね。
あの小さな体で、山の神様を呼ぶ使命を背負っていたかもしれない。
土版は大変可愛らしいです。縄文時代のシャーマンが、何でも可愛いものに魔改造する、日本人の元祖の魂を見せつけてくれているのかもしれません。(*個人の想像です)
このもしかして……というのがペルーと縄文遺跡には多くて、ペルーで聖地でお香を焚いたり小さな鐘を鳴らしたりしますが、小牧野遺跡などでも小さな土製鈴が見つかっています。
他にもペルー繋がりで、縄文遺跡からよく出土する石匙ですが、イヌイットのウルナイフと似ているとも言われています。それ以外にも、ペルーの儀式用ナイフのトゥミナイフとも似ているんですよ。装飾がないトゥミナイフはウルナイフとそっくり。
イヌイットと言うと、御所野遺跡の"鼻曲がり面"はイヌイットの顔が歪んだ仮面とも似ています。
ただ、アフリカの"病人の仮面"の方が鼻曲がり面とも似ているんですよね。
ハート形の顔の土偶はアフリカのレガ族の像とも似ている気もしますし。遮光器土偶の様に目を閉じた像があるのもアフリカで見られます。
類似品を上げていくと、何ともインターナショナルですね。
さて、ミステリーの解明はここまでにして、後は皆さんに推理をお任せいたします。
なにしろ古代遺跡なので、連綿と続く悠久の歴史の秘密は一朝一夕では謎解き不可能でございます……!
縄文遺跡と天体観測は関係ありそうですが、土偶や謎の道具類がひしめいていて、謎とロマンをまだまだ内包しています。
今後、発掘が進むにつれ徐々に不思議のベールが剥がされていくことを期待しています……!
続きまして、青森観光といきましょう!
三内丸山遺跡へ行ったら、青森市浅虫の鶴亀食堂がおススメです。
こちらテレビにも出ていて有名な、山盛りのマグロ丼が食べられます……!
インパクトがあるだけでなく、本当に美味しい。そして、ラーメンも実は美味しい‼
ラーメンはこってり派な私が、魚介スープに目覚めたほどです。近所だったら通ってしまうなあ、これは。お店へ行くなら、かなり混み合うのと、お昼時間帯しか開店してないのでご注意を。
(余裕を持って行かないと、マグロが食べきれない悲劇に見舞われます!)
そして目についた産直に入ってみるのも良いです。
嶽きみと言うトウモロコシが甘くてオススメ!真空パックに入ってるのもあるんですよ。
青森はニンニクも有名で、田子にんにくのポテトチップスも旨い。ガーリック味って罪作りな美味しさ。私、お料理で使うニンニクは青森産と決めています。香りと風味の良さが決め手です。
後はまだ実食できていませんが、津軽の貝焼き味噌、十和田のバラ焼き、鰺ヶ沢のヒラメの漬け丼、十三湖のシジミラーメン、弘前のイカメンチ、豚辛焼き等、聞いただけで食べたくなるグルメがたくさんあります。
紳士淑女の皆様には、弘前のアップルパイ店を巡る、アップルパイタクシーをご案内いたします。
渋い旅がお好きなら、青森ねぶた、ストーブ列車や津軽三味線が聴けるお店がおススメです。
つがる市の高山稲荷神社や白神山地も気になっています。行きたい所が多過ぎて時間が足りなくなってしまうんですよ……!
ーーさて、今回書ききれなかったグルメや見所もまだまだありますが、北東北の縄文遺跡のミステリーツアーのご案内はいかがだったでしょうか?
観光グルメを重点的に紹介すると、縄文遺跡とは……?とタイトル詐欺になってしまいますから、少々自重いたしました。
ミステリーとグルメのお好きな皆様。最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。
三内丸山遺跡までをご案内しましたが、翔龍道の行き先は龍が飛翔する竜飛岬で、翔龍道を旅した方はきっとパワーアップして運気が上昇するのではと思っております!
今回推理した内容の部分は、あくまで個人の推測です。
縄文遺跡の奥深さ、不思議さが伝わっていたら嬉しいです。
そして、北東北の魅力も楽しんでいただけたら幸いです……!