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へっぽこモンスターな俺たちの異世界攻略法  作者: 小嵐普太
第4章 シャクヤクと捨て身アイドルのコンサート編
38/52

第38話 3つのお願い

「いや無理無理無理無理無理。こっから歌に戻るのは無理よ!!何あれ!!何なの!?」

「ただの恒例行事ですよ。いいですよね‥‥あれ。」


青年は、地元の行事を紹介するように当然のように答え何か勝手に感慨に浸りだし涙を流していた。


「お前もアイドルもいかれてんのか!?ケツバットを恒例行事にするアイドルがどこにいるんだよ!!ていうか、さっきの木製バットだよね?めっちゃ粉々になってたけど‥‥。」


自分の想像していたアイドル像が突然のケツバットでぶち壊されたマサトは、ものすごい情報量を一気にぶっこまれ困惑することしか出来なかった。そんな大パニック中マサトをお構い無しにアイリスは、ただひたすらにケツバットでバシバシ叩かれながら歌い出した。


「アッッ♡ナタのことをイツッッ♡♡までモッッッッ♡♡忘れなイ〜〜〜ッッッ♡♡♡」

「あれアイドルじゃなくてリアクション芸人だろ‥‥。」


ケツバットの衝撃でまともに歌えていないだけど十分頭おかしいのに青年は、少し不服そうだった。


「でも今回は結構控えめですね。いつもは、金属バットを使ってるのに‥‥。」

「アイドルじゃなくて化物じゃん‥‥。もう突っ込むの疲れてきた‥‥寝よ。」


この一日で様々なことがあり疲れ果てたマサトは、ベンチで横になるとそのままぐっすりと眠ってしまった。


「さて、そろそろ本気モードに入りますか!!」


青年は、再び公共の場でオタ芸を始めた。



しばらくしてマサトが、目覚めるとすでに日が沈んでおり街灯の光が綺麗に街を照らしていた。


「リーダーおはよう。」

「お兄さんめっちゃ寝てたね。」

「うぅ‥‥。もう夜か、マジでめっちゃ寝てたな‥‥。」


何気なく巨大モニターを見ると縄でぐるぐる巻きにされたアイリスが、バットに叩かれ喘ぎながら歌っていた。マサトは、もうあれに触れなようにしようと決意した。


「それにしても、何かやけに静かで平和だな‥‥。夜だからかな?」

「確かに静かでオイラお腹空いてきた。」

「関係ねーだろ。まあ、確かにお腹は空いたな。飯にするか。」


ご飯を食べるためその場を離れるため持ってきたお菓子のの片付けをしていると兵士がマサトに向かって走ってきた。


「あなたがヤマグチマサトさんですね?」

「あ、はい‥‥。そうですけど。」

「あなたのお仲間が問題を起こしたため牢屋で拘束しております。解放するには同伴者が必要なので迎えに来てくれませんか?」


突然の出来事に戸惑い罠を疑うも、仲間が仲間なのでとりあえず流されるままに兵士についていくことにした。


「誰が捕まっちゃったんだろうね?」

「まぁ、十中八九福神だろ。」


福神の悪口を大会を始めてしばらくすると監獄に着いた。捕まったやつを冷やかしてやろうとマサトは、牢屋の中をみるとそこには正座をして下を俯いているオタクの青年がいた。


「スミマセン。あの後、不審者として通報されちゃいました‥‥。助けてくれませんか?」

「馬鹿じゃねーの。オメー。」


青年は、誰もが予測し回避できたであろう未来を綺麗にクリーンヒットして無事豚箱に入れられていた。そしてマサトは、街が静に感じた理由を理解した。


「何で名前も知らない会ったばかりの変質者を助けないといけないんだよ。ていうか、そもそも何で俺?」

「僕の名前は、【イシバシ・コウ】って言います。さっきそこの男の子と雑談をしたんですよ。その時に名前とか色々聞いてヤマグチさんも転生者じゃないかと思ったんです。だから同じ転生者の好で助けてくれないかなーと思いまして‥‥。」

「‥‥」


マサトはクソだるそうな顔でコウを睨んだ。コウは、明らかにマサトが不機嫌になったことに焦だした。


「もちろん!ただってわけじゃありません!!あ、そうだ。何でも、何でも一つ言う事聞きます!!戦闘以外なら割と出来ると思います、でもアイリスちゃんのグッズ捨てるとかやめてくださいね。」

「‥‥」


マサトは、チャムを持ち上げその場を後にしようとした。


「お願いします!!靴を舐める――いや全身を舐め回すことだって出来ますよ!!」

「やめろ普通に気持ち悪い。」

「何でもするので!!全裸で土下座だってします!!こんなところでくたばるわけにはいかないんですよ!!」


コウは、ものすごい勢いで服を脱ぎだしわんわんと号泣しながらその場に土下座した。それを見た兵士たちは、マサトのことを白い目で見始めた。


「分かった!!分かったから落ち着け!!このままだと俺が悪役になる!!」


マサトは、コウを解放するための事情聴取をされたり書類を書いたりして終わるころには疲れてヘロヘロになっていた。


「はぁ‥‥もうヤダ‥‥。」

「ヤマグチさん!ほんとにありがとうございました!!俺として三つ何でも命令してください!!」

「やったね!マサトお兄さん何でも願い叶えてくれるって!!」

「もういいよ‥‥。お前といると疲れるもん‥‥。」


色々なことに巻き込まれもう関わりたくないマサトは、コウの申し出を断った。


「そうですか‥‥。でも、頼ってほしいときは何でも言ってくださいね!!それは僕はこれで!!」


コウは、水を得た魚のようにライブ会場の方へ走っていった。


「‥‥次逮捕されてもゼッテー助けねー。」

「リーダーオイラお腹すいた。」

「悪いけど俺疲れたから先に宿に帰って休んでるわ。金渡すから好きに食ってきて。」


マサトは、金を渡すと宿へと向かった。チャムとイバラは、もらったお金を握りしめ飯屋へと向かった。



「さ〜て♪今日は良い夜だね〜♪風が心地よい♪コンサートには、ピッタリだ♪」

あ〜あ道端に魔法のランプ落っこちてね〜かな。

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