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へっぽこモンスターな俺たちの異世界攻略法  作者: 小嵐普太
第4章 シャクヤクと捨て身アイドルのコンサート編
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第35話 再会そして別れの危機

「着いたぞ!!!フェイバリル!!!」


未来都市と言わんばかりに近代的で巨大な建物が並んでおり、至る所でキャラクターやアイドルが映し出されてした。


「な、なんですか!?あれは!!」

「すごーーい!!」

「超大型巨人!?駆逐してやる!!」

「ホログラムだな。レーザー光をなんかー。えっとえー、あれあ、あれなんかー。な、ななんか‥あれしてるやつだ!!」

「まとめてから喋れよ。」


一同は、初めて見る光景に大興奮していた。船を降りると好奇心と厨二病心をくすぶられたフィットニアとイバラが、全力疾走で都市を探索しようとした。


「待て待て!!これから仲間探さないといけないから観光は後だ!」


探索はお預けと知った2人は、悲しさのあまり膝から崩れ落ち項垂れた。


「嘘だ‥‥。こんなのひど過ぎるよ‥‥。」

「おお、女神よ‥‥。どうかこの哀れな我々に祝福を!」

「パンツの取り合いでもして遊んでろ。」


マサトパンツを奪われそうになっている中福神は、チャムホでチャムに連絡を取っていた。


「うん。‥‥お前ほんとに来れるのか?‥‥分かった。」

「チャムさんの場所わかりましたか?」

「うーーん。何か‥‥カフェに来いって言われた。」

「カフェ?」



マサト達が、指定されたカフェへ向かうと窓際の席に呑気にお茶を浴びているチャムの姿があった。


「おーいチャム!!!」

「お?‥‥あ!リーーーダーーー!!皆ーーー!!久しぶり!!!」


久しぶりに仲間と再会出来たことに大喜びして、手に持っていたマグカップを放り投げて全力で手を振り始めた。


「変わりなさそうで良かったよ。」

「うん!めっちゃエンジョイしてた。あと、新しい子増えた?」


初対面の2人に気になったチャム。それにいち早く気付いたフィットニアは、いつもの厨二病自己紹介を発動した。イバラもフィットニアに続き普通に自己紹介した。若干フィットニアを引いてたもののチャムは、快く迎い入れた。皆が再会の和やかな雰囲気の中福神が、チャムに質問した。


「お前、どうやってここまで来たの?動けねぇだろ?」

「確かに‥‥もしかして!まともに動けるようになったのか!?」


やっとまともな戦闘員が増えたことにマサトが期待している中チャムは、宝箱の中に入ってもぞもぞし始めた。


「それは‥‥この子のおかげ!」

「‥‥‥‥///」


チャムが、宝箱の中に消えるのと同時に耳の尖ったうすい黄緑髪の美少女が現れた。しかし、少女と顔があった瞬間少女は顔を真赤にして再び宝箱の中に戻ってしまった。


「な、何今の子?」

「チャムさんその子エルフですよね!?」

「うん。エルフの【ツボミ】。」

「エルフ!!!!」


異世界に来てしばらく、ようやく念願のエルフを拝むことが出来興奮状態だったが福神が、すぐに騒ぐマサトの口を塞いだ。


「ちょっと黙ってろ。」

「むごごご!!――プハッ!何でだよ?」

「エルフは、昔色々あって迫害対象なんだ。詳しくは後で本渡す。」


いつも以上に真剣な表情で話す福神にマサトは、少し驚いた。


「わ、分かった‥‥。ところでツボミちゃん?とはどこで出会ったの?」

「分かんない。気付いたらオイラの中にいた。」

「「「「「え、えぇ‥‥。」」」」」


知らない間にエルフの女の子を連れ回し、さらにどこの誰かもわからないという無茶苦茶無責任なことをしでかしていることを知ってその場にいる全員がドン引きした。


「マ、マサト殿‥‥。失礼だと思うが‥‥。この青い喋る粘土ボールは本当に大丈夫なのか?」

「そんなの俺が聞きてーよ‥‥。他所のお子様を誘拐しちまったかもしれねーんだぞ‥‥。」


モンスターであることは、重々承知な上だったが仲間の一人が犯罪を犯してしまったかもしれないことにマサトは、絶望した。


「もしかしてですけど、福神さんが前に言ってた奴隷商で売られていた子では?」

「うーん‥‥。確かに亜人の奴隷もいたからもしかしたら居たかもしれない。」

「そうだとしても色々問題だけどな。」


本人は、困っている女の子を助けて勇者のような気持ちになっていたが、マサト達が深刻な表情で話し合っているのを見てようやく自分が悪いことをしてしまったことを理解した。


「リ、リリーダ‥‥。おお、オイラ。もしかして悪い子?」

「ああ、お前は今日から”不動のスライム”から”犯罪者”にジョブチェンジだ。」

「おおおお、オイラどうすればいいの?」

「ハハハ、チャム大丈夫だよ!世の中にはこういう言葉があるんだ。」


パニクり始めているチャムにマサトは、ゆっくりと落ち着いた口調で話し始めた。


「『バレなきゃ犯罪じゃない』。つまり隠蔽しちまえばいいんだよ☆」

「ダメに決まってんだろ。」

「本当にこの人が僕を助けて黒龍を倒した英雄なの?」


マサトが罪をなかったようにしている中チャムはあることを決心した。


「リーダーありがとう。でも‥‥オイラ償いに行く。」


チャムは、自分の犯した罪に耐えられなくなり自首することを決意した。


「ダメに決まってるだろ!!!‥‥そんなことしたら俺にも飛び火が来るに決まってるじゃないか!!」

「あなた本当にリーダーですか?」


マサトは、チャムを必死に止めようとしたがチャムの意志は固かった。


「もういいんだ‥‥。じゃあね、皆。」

「待て!!チャムゥゥゥゥ!!!」


チャムがパーティーを脱退した‥‥


「‥‥‥何だこの茶番。」

「ちなみにこの子がエルフである限り、自首して国に渡すよりワイらが保護したほうが安全だぞ。」

「じゃあいいじゃねーか!」


結局チャムは、自首することをやめ再び仲間になった。


「そういえば、オイラこんなの手に入れたよ。」

「はっ。S字フックならぬM字フックとか、どうせまたくっだら無いものだろ?」

「失礼な!!M字フックは、個人用だぞ!!」

「買ったのかよ!!」


またガラクタを買ったのかと呆れているマサトにチャムは、あるチケットを手渡した。


「なにこれ?」

「アイリスのワールドツアープレミアチケット。」

「‥‥へ?」

お久しぶりのチャムさん

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