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へっぽこモンスターな俺たちの異世界攻略法  作者: 小嵐普太
第2章 デルフィニウムと聖剣の勇者編
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第19話 英雄宣言

「ほら!早く私の攻撃を当ててみなさいよ!私を倒すのでしょう?」


ツバサが剣を振るたびに威力もスピードも徐々に上がっていくが、片手で軽く流されてしまうばかりだった。


「受けるのも飽きてきましたね‥‥こちらも少し反撃してみますか!」


デルフィニウムは、荒々しく剣を振り上げるとツバサめがけて思いっきり振り下ろした。ツバサは、大剣で防ごうとしたが、衝撃が強すぎ大剣は真っ二つに切られてしまった。


「全能の神から与えられた剣の才を持った者が、剣の素人である私に負けるなんてなんて嘆かわしいことなのでしょう!さらに、剣士の誇りである剣もおられてしまうなんて!ああ!ああ、神よ!(笑)本当にこのようなものが勇者に選ばれてよかったのでしょうか?」


ひたすら煽り続けるデルフィニウムを無視し、折れてしまった大剣を鞘へと戻した。


「短い間だったけどありがとな。後でしっかり埋葬してやるから、ちょっとだけ待っててくれ。」


お世話になった大剣にお礼を言うツバサをデルフィニウムは、小馬鹿にし嘲笑した。


「私のように常に最新の技術を取り入れ、素晴らしい武器を手に入れることです!それが最も最善ということなのに‥‥そんな第3等級にも満たなそうなおんぼろのクソ雑魚剣なんて使うから負けるんですよ!」

「黙れ。」


今までどんな煽りにも反応しなかったツバサが、初めて怒りをあらわにし一言で周りの空気を一気に変えた。


「お前の言う通り、刃毀れもしていない新しい武器のほうが強いかもしれない。でも、それがこの剣を馬鹿にしていい理由にはならねー。俺がこの世界に来てからずっと支えてくれた大切な相棒だ。それを馬鹿にする奴を俺は絶対に許さない。」


ツバサの威圧に押されるもすぐに自分が有利な立場に立っていることを思い出し、再び煽り始めた。


「許さないねぇ。そんな大口叩いても現状あなたが不利なのは変わりない。あなたが、出来損ないの勇者なのは変わってないんですよ!」

「ああ、俺の力だけじゃこれが精一杯だ。だから【本物の勇者】に少し力を貸してもらう。俺にこれを使う資格があるのかどうかはわからない。でも、お前を倒して沢山の人に笑顔が戻るなら俺はもう迷うわない。」


ツバサは、胸のあたりから一本の剣を取り出した。すると真っ黒な髪と目は、夕暮れのように真っ赤に染まり、体からは、溢れんばかりの魔力が体を覆った。


特別な魔法(ユニークスキル)剣神(グラディウス)】。第1等級10本の魔具が一つ【聖剣 アレス】。」


ツバサは、剣を構えデルフィニウムを睨みつけた。


『こいつ。剣を抜く前と後で構えも魔力量も圧もまるで別人だ。剣の能力か?いや‥‥こいつまさか!今まで特別な魔法(ユニークスキル)を使わず自力で私と渡り合っていたということか?なんという屈辱!!』


舐めプされていたことに気づきいらついていると、ツバサが前へと踏み出す素振りを見せた。デルフィニウムは、迎え撃とうと剣を振ろうとしたが力が入らず気付いたときに体を縦に真っ二つに切られてしまった。


「この剣は特殊で、斬りたいものだけを斬ることができる。そして斬られたところは、どんな手段を用いても傷が癒えることはない。」


役目を果たした剣は何事もなかったかのように消え、髪も目を元の色に戻った。


「ふぅ‥‥まだ体がついていけない。勇者は、どうやってこの力を常時発動してたんだ?」


ツバサが疲れてその場に座っていると、ドタドタと急いで走っている足音が聞こえた思えば、天花を両手でホールドしているアセビがドアを蹴飛ばしながら飛んできた。


「ツバサ君!!大丈夫!?」

「ああ、大丈夫だ。天花見つけたんだな。無事で良かった。」


少し痩せ細っていたが、外傷がない天花を見てツバサは安堵の表情を見せた。


「どこが無事ですか!こんなに痩せ細ってしまって可哀想に‥‥。」


アセビが、涙ぐみながら見つめる中天花は暗い表情でツバサに問いかけた。


「そんなことよりツバサ‥‥七花軍師は?」

「体真っ二つにして倒しから安心しろ。ちゃんとアレスで斬ったから再生もできない。」


安心させるために言ったつもりが、天花の表情は余計暗くなり恐怖でガタガタと震えだした。


「おい‥‥ツバサ‥‥」

「何だ?」

「‥‥そいつの死体‥‥どこだ?」


その瞬間剣を持ったデルフィニウムの手がツバサたちめがけて飛んできた。ツバサは、すぐに反応しアセビと天花を突き飛ばして庇ったが間に合わず剣が腹をえぐった。


「ツバサ君!!」

「アハハハハハハ!!やはり味方を狙えば庇いますか!!それにしても先程の攻撃素晴らしかったですよ!!ですが残念!!あなたが斬った物も!!今ここで喋っているものも!!使い捨ての入れ物に過ぎない!!私の本体ではないんですよ!!ですが気を落としてはいけせんよ!!あれをくらっていたら負けていたのは確実に私!!他の七花軍師にも通用するものだ!!いやぁ〜あれが手に入るなんて!!苦労して囮を用意して正解でした!!アハハハハハハ!!」


グニャグニャとした肉の粘土のような異形の姿へと変わり果てたデルフィニウムにツバサは、えぐれた箇所を押さえながら折れた大剣を抜こうとした。


「本当にかっこいいですね〜!!その信念!!しかし、そのような体と傷ではもう戦うのは限界でしょ?」

「【回復魔法(ヒール)】ツバサ君!!ツバサ君!!動いちゃだめ!!本当に死んじゃうよ!!」


すぐさまアセビが駆け寄り回復魔法をかけたが効果は現れなかった。


「何で!?何で効かないの!?」

「回復阻害の魔法(スキル)か!?」

「アハハハハハ!!そのとおり!!私が術を解かない限り傷がいえることはありません!!さあ!!早く全員まとめて私の手駒になりなさい!!」


再びデルフィニウムの巨大な手が襲いかかってきた。ツバサ達は、死を覚悟した‥‥瞬間

巨大な手は、野菜のようにスパッと斬れて地面に落ちた。


「マサト君!!」

「遅かったな。」

「ギリギリセーフだからいいで――


マサトは、ツバサのえぐれた腹を見て沈黙した。


「めっちゃアウトじゃん‥‥ごめん。」

「気にするなこれは油断した俺のミスだ。でもすまない‥‥もう戦えそうにない。」

「流石にその重症で戦わせるほど鬼じゃないよ!!」

「さっきからゴチャゴチャゴチャゴチャと!!逃げたんじゃね〜のかオメーはよう!!」


マサトは、デルフィニウムの方を向き直ると輪廻を突き立てた。


「逃げる?そんなわけねーだろヴァァァァカ!!こちとらずっとやられっぱなしなんだ。テメーぶっ飛ばさないと気がすまねーんだよ!!」


デルフィニウムは、マサトのぶっ飛ばす発言にゲラゲラと嘲笑った。


「俺を倒す?笑わせるな!!くだらないジョークはやめろ。」

「ジョークじゃねーよ。俺はいつかてめーら七花軍師全員やっつけたあとに魔王ぶっ倒しに行く。そして歴史に名を連ねる英雄になって‥‥‥‥俺だけのハーーレムを作る!!!」


カクヨムにも投稿はじめました。

毎日18時に投稿中若干内容が変わってるので(なろうも一応変わってる)

よかったら見てくだせい。おにゃシャス。

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