第11話 真の勇者
「や、やっと着いた!!トレウド!!!」
街は中華風の建築物、港には様々な貿易船、そして交易目的の商人が行き交っていた。
「しばらく旅はしたくない‥‥毒キノコ食べたせいで耐性あるユーリン以外死にかけるし、チャムは囮魔法使ったら集団リンチにされるし、ユーリンは共食いするしこれからのワイらの旅が幸先が不安だ。」
「鶏肉食べたとき共食いって言うのやめてくれませんか?」
「そんなことより早くギルドで飯!チャムが空腹のあまり俺を吸収しようとしてる!」
「スライムなのに飢餓状態になるのマジで意味分からん‥‥」
4匹はご飯と任務を受けるためにギルドへ向かった。ギルドへ着くと4匹は各々料理を頼んだ。
「そういえばさ。トレウドってどういう国なの?」
マサトは、頼んだチャーハンを食べながら質問する。福神は食べるのを止め考えるように答える。
「うーん‥‥貿易で成り立ってる国?っていえばいいのか分からんけど。欲しいものがあったらここに来れば大体手に入るらしい。」
「へーなんかコストコみたいだな。」
「最近だと【デルフィニウムエンタープライズ】っていう武器会社が出来て儲かってるみたいですよ。」
「武器か‥‥」
マサトは、輪廻を見た。
「もうちょっと使い勝手のいい武器が欲しいなぁ。」
「そういうこと言うのはもうちょっと余裕出てからにしてくれ。」
「それはそう‥‥」
2匹は再び料理を食べ始めた。料理を食べ終えると任務を受けるために掲示板へ向かった。
「これにしようぜ!食べ物を運ぶ輸送車を襲撃する原因のモンスターの討伐だって!」
「いいんじゃね知らんけど‥‥」
「何か策があるんですか?」
「囮魔法誘い出して輪廻でぶった切る。」
「やだ!オイラやりたくない!」
囮魔法にトラウマがあるチャムは提案を嫌がったがマサトは、冗談を聞いたときのように高らかに笑い始めた。
「はっはっはっは!何を言っているんだ。お前に拒否権は無いんだよ。じゃあ行くぞ。」
「ヤダああああぁぁぁ!!!」
「私やっぱり入るパーティーまちがえたかもしれません。」
任務を受けると4匹は襲撃されるという森へと向かった。
「う、うぅ‥‥」
「じゃあチャム!囮魔法を発動しろ!モンスターが集まってきても俺がすぐに倒してやるから心配する必要はない思いっきりやれ!」
「うぅ‥‥わ、分かったぞっ!【囮魔法】」
チャムが魔法を発動すると巨大なオークが現れた。
「グオォォォォーーー!!!!」
「イヤアアアアァァーーー!!!!」
「でかいなあのオーク。あれに接近されるとかワイなら絶対やだだな。てか、斬撃飛ばすの危なくないか?」
「大丈夫。当たってもどうせ切れないから。」
チャムが泣き叫んでいる中マサトと福神は、輪廻の危険性について分析し始めた。
「のんきなこと言ってないで助けてあげましょうよ‥‥」
「リィィィィィダアアアアアアア!!!!」
「分かった分かった!じゃあやる――あれ?」
「どうしたんですか?」
「‥‥抜けない。」
説明しよう。輪廻はマサトの「もうちょっと使い勝手のいい武器が欲しいなぁ。」という発言に「だったら私じゃなくてもいいじゃんもう知らない。」という感じに不貞腐れてしまった。可愛いね。
「お前はめんどくせーツンデレヒロインか!」
「助けてええーーーー!!!!!!」
「チャムさん今助けます!【雷霆】」
魔法を唱えると雷雲が発生し雷が落ちた。そして雷は、見事にチャムにクリーンヒットした。
「あらら。」
「あららじゃねーよ!追い打ちかけてどうするんだよ!」
「‥‥オイラ‥‥もう‥‥ダメかも‥‥」
「チャム‥‥ワイはお前のことを忘れないぞ!」(涙)
福神は、涙を流しながらチャムの勇姿に敬礼した。
「お前はお前で諦めモード入ってじゃねーよ!」
「そもそもお前が輪廻にノンデリ発言したのが悪いんだろ!」
「…それもそうだな……うぅ‥‥チャム‥‥今までありがとう」(涙)
「チャムさん‥‥」(涙)
3匹は、涙を流しながらチャムの勇姿に敬礼した。
「冗談はいいとして、どうすれば‥‥」
「【封印魔法】」
マサトが助ける方法を考えていると魔法を唱える声がした。白髪の巫女姿の美女がオークに魔法をかけていた。女性に見とれているとオークがうなり声をあげ倒れておりその近くには、ちょうどマサトと同じくらいのさわやかな青年が大剣を担いでいた。あっけにとられているとチャムが飛びかかってきた。
「リーーダーー!!!【エクスパンドハンド】」
「ひでぶっ!!」
チャムのアッパーはマサトにもろに入った。
「オイラリーダーのせいで死にかけたぞ!それに皆でオイラを見捨てようとするなんてひどいじゃないか!!」
「まあ、ワイは見捨てようなんて思ってなかったけどな」
「嘘つけ!真っ先に見捨てたじゃないか!!」
「とにかく無事でよかったです。それと‥‥私たちの仲間を助けてくださりありがとうございます。」
「‥‥当然のことをしただけだ。」
「アハハ‥‥ごめんね。この人人見知りなんだ‥‥そ、そんなことより!ここで神々しい白い狐さん見ませんでした!?」
不愛想な青年に変わって女性が喋った。女性はまるで人生最大の危機が自分に迫ってるかのように慌てていた。
「狐……。すいません見てないですね。白狸ならいるんですけど。」
「おい。誰が白狸じゃ。分類的には猫だぞ。」
「そ、そうなんだ‥‥ありがと。ほらツバサ君行くよ。」
「ちょっと待て。」
立ち去ろうとする二人をマサトは、呼び止めた。
「そこの男。お前‥‥俺と同じ転生者だろ。」
青年は、振り返り少し驚いたようにマサトのことを見た。
お久しぶりです。
まだ投稿ペース上げれそうにないです。すいません。