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へっぽこモンスターな俺たちの異世界攻略法  作者: 小嵐普太
第1章 始まりのチュートリアル編
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第10話 盗賊団との魔眼争奪戦③

「はっテメーみたいなへっぽこには絶対譲らないから。」

「いっちょ前なのは言葉だけじゃないよな。」

「はっ当たり前だろ。それじゃ俺はこっち行くからじゃあな!!」

「は!?」


短剣を構えるメギを横目にマサトは、全力疾走した。


「ぬははははははは!!勝てないと分かってる敵に挑む馬鹿がどこにいる!!」

「【縮地】」

「あっ――ぶへっ!!」


マサトは、目の前に現れたメギに蹴り飛ばされた。


「鬼ごっこは、私の専売特許だぞ。」

「くそっ!‥‥それ禁止にしないか?」

「君にプライドというものはないのかい?」


真剣に提案する雅人に、メギはあきれながら答えた。


『どうしようかな‥‥輪廻は、あんま人にむかって使いたくないし、でも絶対勝てないよな‥‥』

「何もしないならもう終わらせちゃうよ!」

『完璧は存在しない。弱点を見つけ出す。集中!!何かあるはずだ。何か――』


メギが、再び縮地で距離を詰め、短剣を振りがぶった。


『貰った。』


メギは勝利を確信したが‥‥


「‥‥!?」


マサトは、輪廻を抜き短剣を受けた。その衝撃でメギの短剣は折れてしまった。


「ぬはっ‥‥ぬははははは!お前の瞬間移動完全に見切った!」


マサトは、自信満々に宣言した。メギは、剣を折られたことに驚き距離を取った。


「見切った?運が良かっただけでしょ?」

「じゃあ使ってみろよ!全部カウンターしてやるからよ!」

「‥‥」


メギは、トップスピードで縮地を発動した。


「今まで誰も私の縮地を攻略できた人はいなかった。逃げてばっかの君に見抜けるの?」


マサトの背後に回りこみ襲撃しようとした。


「そこっ!」

「ぶっ――!!」


襲撃しようとしたメギをかわしエロ本を投げつけ、顔面にクリーンヒットした。


「お前自分でも制御できないから、移動する前に魔力で道に目印をつけてるだろ?確かに()()見切れないみたいだな。」

「‥‥ケッ、そうだよ。こうしないとすぐに壁にぶつかるだ。」


メギは、弱点がばれたことに不貞腐れながら答えた。


「さーて厄介な能力を攻略できたことだしそろそろこの戦い終わらせようじゃないか!」


そういうとマサトは、輪廻を真下に振りかざした。


「何々⁉」

「ファイナルステージ‥‥」ヘナヘナ


2人は、輪廻であけた穴に落下した。


「ィャァァァアアアアア!!!――っと」

「――ブヘッ!!!」


メギとマサトは、通路落ちた。通路は、薄暗いが少し先に明かりと膨大な魔力を感じる。


「この魔力‥‥まさか⁉」

「っ痛‥‥だから言っただろ?最深部手前(ファイナルステージ)って。」

「この先に魔眼が‥‥」

「おーーい!!」


明かりの先からプロビデンスの声がした。


「どうやら見つけたようだね!でも気を抜いてはだめだよ!なぜなら魔眼はあと一人用しかないからね!」


2人は、お互いの顔を見合わせた。


「私は、君と――

「お先!」

「おい!人の話を聞け!」


ゴールまで50メートル。


「君は何者なんだい?人間には見えないけど‥‥」

「そんなのこっちが聞きたいよ。」


ゴールまで30メートル。


「じゃあ何で冒険者になったんだい?」

「この世界の魔王を倒して童貞を卒業するためさ。」

「その二つにどんな関わりが‥‥やっぱりいいや聞いてもわからなそう‥‥」

「そういうおまえは何でなったんだ?」

「‥‥姉さんの呪いを解くためさ。」


ゴールまで10メートル。


「マサト。」

「どうした?魔眼なら譲らないぞ。」

「私は君と出会えてよかったよ。」

「‥‥そうか。俺はそうは思わないけどな。」


2人は、ゴールテープに手を伸ばした。わずかに手が出てることを除けばほぼ同時。


「シューリョー!」

「はぁ‥‥はぁ‥‥どっち?」

「お主ら、よく頑張った。僅差だったが勝者は決まった。この魔眼はお主の物だ。メギ・シサヴロス。」

「‥‥や、やったー!」

「クソーー。」

「それじゃあこれを。」

「ありがと――「えい!」

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


プロビデンスは、メギの目ん玉に魔眼を押し込んだ。


「や、やっぱりゴールしなくてもよかったかも‥‥」

「君に与えたのは【蛇蛙(ジャワ)の眼】睨みつけた相手の行動を制限できるぞ!」

「痛みが引かなかった場合は、冷やしてください。」

「君のお仲間は、入り口で待ってるみたいだからじゃあね!」

「う、うぅ‥‥」


プロビデンスが指を鳴らすと足元に魔法陣が現れた。次の瞬間メギは、ストックとシンプリーのいる入り口の前に移動していた。


「リーダー!」「お嬢!」

「目どうしたのそんなに腫れて!誰にされたの?」

「出てこい!!お嬢をこんな目に合わせた奴は俺が許さんぞ!!」

「だ、大丈夫‥‥優勝賞品だから‥‥」

「大丈夫ではないでしょ!」

「医者を連れてこい!!!!」

「ちょっと黙ってて!」

「フフッ」


メギは自分のために慌ててくれる二人を見て笑った。


「ストック、シンプリー私についてきてくれてありがと。」

「‥‥急にどうしたの?怖いよ‥‥」

「ガハハハハ!!お嬢が変だ!ガハハハハ!」

「ふふっ。」

「何々?怖いって‥‥」


魔眼争奪戦勝者

ハラン盗賊団



「さてさて。本題に入ろうか【ヤマグチ・マサト】」

「な、何すか?」


プロビデンスがいつものおちゃらけた態度から一変真剣は表情になった。そして指を鳴らす。


「私の麦酒もう一生離しません!あ、マサトさん無事だったんですね!」

「あ、良かった殺されてなかった。」

「再会した第一声が不謹慎すぎる‥‥」


散り散りになっていた4匹が一斉に集まった。


「げっ!?プロビデンス‥‥」

「久しぶりだね!福ちゃん。神器を盗んだってね!流石!!」

「濡れ衣だわ!」

「分かってるよ。お主がそんなことしないって。」


プロビデンスは、気まずそうな福神をからかい始めた。


「あ、あの‥‥本題って?」

「ああ、すまない話が逸れたね。」


改めてマサトたちの方へ向き直った。


「お主らに魔眼を与えようと思ったんだ。」

「え!マジで!」

「ああ、勿論だとも。」

「でも魔眼はもうないんだろ?」

「僕が作った物はね。」


そういうと帽子の中から豪華な箱を取り出した。


「これはすべての能力を扱えるちょぉぉぉぉぉう特別な魔眼だよ!」

「他とは何が違うんですか?」

「よく聞いてくれた!この魔眼はすべてを見通しすべての物事を捻じ曲げることが出来る全能力を集結させた物さ!」

「よくわかんないけど!なんかすごそう!!」

「オイラに頂戴!」

「残念だけどこれを渡すには条件がある。1つ目この魔眼は福ちゃん君が使うこと。」


プロビデンスは福神の方を見る。


「何でワイなんだよ!」

「お主が一番最適でちゃんと使いこなせると思ったからだよ!」


プロビデンスは信頼の目で福神を見る。


「ハイじゃあ解散解散。」

「オイラお腹すいた。」

「あなたたち貰えなかったからって不機嫌にならない失礼ですよ。」

「そしてもう一つ『尊敬する人は誰だ?』と聞かれた時は『眼をつかさどる神プロビデンス』と答えることこれが条件だ。」

「何だこいつタダノ自意識過剰やろうじゃねーか。」

「だからやめなさいって。」


福神は少し悩いをみせたがしばらくして頷いた。


「流石吾輩の親友だ。」

「‥‥」

「それじゃあ‥‥えい!」


魔眼を福神の左目に思いっきり押し込んだ。


「ぎゃああああああああぁぁぁぁ!!!!」

「よしできた!じゃあヤマグチ・マサト君。福ちゃんのこと頼んだよ!」

「ああ、うん。はい。」

「じゃ頑張ってね!」


再び指を鳴った。そして気付くとダンジョンの外にいた。


「何だったんだあいつ。」

「うぅうぅ‥‥そんなのこっちが聞きたいわ!!‥‥うぅぅ。」

「オイラ欲しかったな。魔眼‥‥」

「そういえばどんなことが出来るんですか?」

「ええ‥‥できんのかな?」


福神は、右目に手を当て左目に魔力を込め集中した。


「お、トレウドが見える。」

「お!千里眼(せんりがん)か!他は?」

「‥‥遠くしか見えない。」

「は?」

「これ多分、千里眼しか使えない。」

「‥‥全然使えないじゃねーーか!!!」


福神は、魔眼プロビデンスの目を手に入れた。



ダンジョン最深部

「ホントによかったんですか?あれ貴方の眼ですよね?」

「ヤマグチ・マサト彼を含め三人。」

「?」

「吾輩の目の前で未来を変えたものだ。吾輩が見た未来はメギ・シサヴロスではなく彼が手にする未来だった。意識的にやったのかは、分からないが彼は確実に手を抜いた。だから彼らに賭けてみることにしたんだよ。」

「じゃあ彼らにあなたの未来を‥‥」

「いやこんなことで邪魔は出来ない。それにこれはもう決まったことだしね!」

「‥‥」

「君は自分の未来だけ考えな。」

ここ1カ月忙しくなるので投稿が3月になるかもしれません。

すいません。


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