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へっぽこモンスターな俺たちの異世界攻略法  作者: 小嵐普太
第1章 始まりのチュートリアル編
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第1話 始まりとご利益のない神様

「じゃあお前死んだっぽいな」


 生い茂る木々、静かな小川そんなのどかな自然の中白い毛玉は無慈悲にも現実を突きつけてきた。




「やっと買えたよどこにも売ってなかったからな。『ご主人おいたはいけませぬ♡』」


 買ったエロ本を持ちながら少年はつぶやいた。

 彼の名前は【山口ヤマグチ雅人マサト】陰キャだった中学時代の自分から卒業するために高校デビューしようとしたが、見事に空振り引きこもりになった17歳である。無論彼女はいない。


「チッ、リア充め公共の場でイチャイチャするなよ。」


同じ年ぐらいの男女が仲良さそうにイチャコラチャッチャしている姿を見るのをマサトは、どうしても許せずカップルを見るたびに悪態をついていた。つまり八つ当たりだ。


「はぁ‥‥それにしても何で俺こうなったんだろう‥‥いっそうライトノベル主人公みたいに異世界転生して無双してエルフとか半獣人とかのハーレムを作りたっ―――?」


空を仰ぎながら叶いもしない夢を想像していると唐突に地面の感覚がなくなった。


「あああぁぁぁぁぁ!!!」


 マサトは蓋が開いていたマンホールに足を滑らせてしまった。



そして現在マサトは、白い毛玉に死因を馬鹿にされている。


「久しぶりに見たわ全然同情できない死に方w。エロ本を回収しようと下水道に溺れて死ぬってwww。」


 ふわふわとした雪の様にしろ毛並み、腹巻のようにお腹の赤い模様丸い人形のような動物だが、その見た目とは裏腹に口を大きく開けてゲラゲラ笑ってマサトをあざ笑う。


「うるせぇ!!男として当然のことをしただけだ!!!ていうかお前誰だよ!!!初対面なのにさっきから偉そうに!!」


 急に動物は笑うのをやめ糸目が鋭い目つきになった。


「そういえば名乗っていなかったな。ワイは【福ノ神(ふくのかみ)】その名の通り神だ。」


 腕を組みでエッヘンっと言わんばかりに福神は自己紹介をした。


「そうかーそりゃすごいなー。」

「ケッ、信じてないだろ。」

「信じるわけねーだろ。じゃあなんかやってみろよ。福ノ神なんだろ?」

「すぐ能力を見たがる。これだからガキは。」


 やれやれと福神はマサトを馬鹿にした。


「まぁどっちにしろ神器を盗んだ冤罪かけられて『ユニークスキル』も攻撃系のスキルも没収されたからほとんど何もできないんだけどな。」

「何なんだよおま‥‥待ってスキルって?」

「‥‥?聞かされてないのか?」


 異世界の常識を知らないマサトに福神は不思議そうに首を傾げた。


「い、いや何も…。気づいたらここにいたから…‥。」

「……そうか。じゃあ、この世界の常識だから教えておくぞ。まずこの世界には魔法、通称スキルというものが存在していて大きく2つに分けられる。

 1つは目は『一般魔法(ノーマルスキル)』個人差とか少し条件があったりするが基本誰でも使える魔法だ。

 2つ目は『特別な魔法(ユニークスキル)』こっちは生物が生まれた時点で魂に刻まれている限られたものにしか使えない魔法だ。これはちょっと複雑なんだが‥‥例えば『炎』というスキルであれば炎技の威力が上がるし、『氷』というスキルなら氷技の威力が上がる。スキルによっては特殊な魔法スキルを使えるものもいるらしい。」


「つまりユニークスキルは固有能力的な感じか?なるほど面白くなってきた!!」


 自分が異世界に来たことを実感し興奮した。


「まぁそういう理解でいいだろう。それにしてもこんな基本的なことも教えられなかったのか?一体転生係は何をしているんだか」ヤレヤレ

「よーしこの世界で最強になってハーレムを築いてやるぞ!!」

「っぷw」

「なんだよ」

「今の自分の姿を見ても同じことが言えるのかと思ってなww川で自分の姿のぞいてみろwww」

「あ?結構顔はわるくないとおもうけ―――」


 川に写ったのは、全体に丸みを帯びた記号の+プラスのような形をしており、とても人間とは思えない姿だった。


「え?え?え?なにこれ!?何かケモ耳生えてるし!口ないし!!ちょ、ちょっと待て‥‥俺の息子もいなぁぁぁい!!」


「キャキャキャキャキャww‥‥はぁ‥面白いw」


 童貞卒業、ハーレムを作ることを夢にしていたマサトにとってこれ以上にない絶望だった。しかし、そんなことお構い無しに福神は爆笑し始めた。


「俺は‥‥どうすればいいんだ‥‥これじゃぁ一生童貞確定じゃないか‥‥」

「あってもなくても童貞は確定だろ。」

「黙れ!!そんなのわかんねーだろ!!はぁ‥‥」

「‥‥たくしょうがないな行くぞ。一応お前に頼みたいこともあるし。」


ショックで項垂れているマサトを流石に見てられなくなり福神は、マサトの方を叩いて東へ歩き出した。


「どこへ?」

「腹減っただろ?少し進んだところに街がある。飯屋の一つや二つあるだろ。」

「‥‥あぁちょっとショックだけど、異世界無双の夢は残ってる!!せっかくの第2の人生だ。全力で楽しまなきゃな!」


先程の福神の対応からは思いがけない行為にマサトは少しすくわれたのだった。

こうしてヤマグチマサトの異世界生活が幕を開けた。

どうも皆さん初めまして、小嵐普太と申します。

初めての投稿で変なところもあると思いますが温かく見守ってくださると幸いです。

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― 新着の感想 ―
マサトのコミカルさと福ノ神のツッコミが明確で、二人の掛け合いが活き活きとしてていいですね!
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