ロマンス
ロマンスを歌いたいな
自分のことみたいに気持ちを込めて
「きみがいないと眠れない」とか
甘い言葉を乗せてみたいな
ほんとうのわたしは臆病者で
きみが欲しい本音を見てみぬふり
現実の結末を予想するのはあまりにも簡単
せつないすれ違いの入る余地なんてない
ロマンスを歌いたいな
学園の王子様みたいにギターを抱えて
あるいはひょうきん者の秘密のメロディー
ベランダで静かに口ずさみたいな
ほんとうのわたしはカラオケボックスで
他人の書いた物語に頼りきり
現実じゃめずらしい幼なじみへの恋心に
やっぱりどんでん返しの起きる余地なんてない?
ロマンスを ロマンスを ロマンスを
歌いたいのは退屈してるから
日常にドラマなんてそうそうないから
水族館も記憶喪失も嘘の恋人もない
それでもきみに好きだと言った