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ボタニカル

びわ

作者: あいなめ

梅雨も明け また一つ

季節が進むことになりました

高速脇の空き地に植わった

びわの木に生った実は

摘み取られることなく

地面に落ちて朽ちています


持ち主の定かでない木に

生った実を黙ってもぐわけにも

いかないでしょうが

でもそれは誰かの私有地に

生えているびわの木でも

あまり変わる事はありません


とてもおいしい実なのですが

かつてグルメ漫画が説いたように

上品に食べる方法はなどはなく

手づかみでかぶりつくしかない

そんなところが昨今の風潮では

嫌われるのかもしれません


実の大きさの割に種が大きく

小鳥では種ごと食して

それを遠くに運ぶことも

出来はしないでしょう

そしてただ無為に地に落ちて

朽ちてしまうのです


せめて芽を出して育つことが

できればよいのでしょうが

落ちている実はあまりにも沢山

きっとお互い邪魔しあって

育つことはないのでしょう

ましてや親の木の下では


つむいで実らせた言の葉とて

同じことかもしれません

時流に合う事が無ければ

摘み取られ口にされる事もなく

ただ落ちて朽ちていく

それだけなのです


びわの花はあまり目につくことが

ありはしないのですが

それでも苦労して花を咲かすのは

実りをなすためなのです

実ったならばせめて一口ついばんで

欲しいと思うのは贅沢でしょうか


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― 新着の感想 ―
[一言] 地面に落ちている柿やかんきつ類の実を見ると、なんかしょんぼりした気分になるのでよく分かります。 折角美味しく実ったのだから、誰かに食べてもらいたいですよね。
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