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鳴神大戦記ー最果て城主の仮想現実ー  作者: 舞茸イノコ
2章 『薄氷にひしめく』
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『17.5』狐と猫と保護者(仮)


 陽だまりにて猫は背を伸ばして微睡んでいる。その傍で小鈴も肌寒いながらもポカポカとした11月の日差しを浴びて同じく日光浴に勤しんでいる。


 今日は非番であり、久方ぶりの休みを享受している。日々の業務は自警団として町の見回り、たまに七海と一緒に討伐に出たり、田門丸の手伝いをしたり、待機中に鍛錬を欠かさず行なっている。そして休みはゆっくりと寝る。それが幸せで、師匠から言われた武者修行をこの日だけは完全に忘れることにしている。



「でも…少しだけ肌寒いかにゃあ〜。もう少ししたら冬。そう言えば掘り炬燵が九十九の寝室にあった気がするにゃよ」



 彼女の危惧していること、それが冬。とにかく寒くて動かない。小さい時は熱源を探して彷徨ったこともある。その時は大体師匠が独占していて走ってこいとか言われて遠ざけられていた。それでも炬燵に潜り込んで寝てしまった時には師匠に怒られたことを思い出す。



「にゃあ…お師さん、そういう所は見逃して欲しかったにゃよ。確かに武術は華宮国の天下に轟く強さを持っていたのは事実にゃ。唯一の弟子であるにゃあに厳しくするのは仕方ないとは思うけど、それでもあれやこれやと雑用させすぎにゃ。お前はどう思うにゃ?」



 横で眠り惚ける猫に対して言葉を投げかけるが返事は帰ってこない。どうやら風のない今日は直に日差しを浴びれて気持ちがいいみたいだ。



「はぁ…お前も所詮猫にゃよな。ん…あそこに飛んでいるのは氷華にゃ?」



 町外れのここは小鈴のお気に入り場所で人もあまり寄ってこない。しかし、氷華は何かから逃げるようにこちらに飛んできていた。



「おーい、氷華〜!」


「ん?その声は猫か」


「猫だけど猫じゃないにゃ。小鈴にゃ。いい加減覚えてほしいにゃよ」



 氷華が加わって10日か少し。しかし、未だに九十九や六花以外の名前を呼ぶことは少なく、単純に覚えてないだけだった。七海は侍、田門丸は横綱、小鈴は猫。そんな感じで外見とか特徴であだ名つけをしているようだ。



「こんな所に珍しいにゃ。ここはにゃあのお気に入りの場所。氷華も微睡みに来たのかにゃ?」


「いや…六花から逃げておる。今日の朝は我が飯当番だったのだが、眠り呆けていたのだ。それを六花が怒ってガミガミとうるさいのでな、こうして離脱したわけよ」


「いや、それはお前が悪いにゃ」


「なにおー!我は週に2回はやっておるのだぞ!?少しは感謝してもらいたいものだ」


「…それだと六花が5回やることになるにゃよ」


「いや、週に1度は何もない日がある」


「なら、なおさらしっかりするにゃ」



 素っ頓狂な様子で怒る氷華だが、小鈴は悪いのはお前だと口にはしなかった。そうして話しているうちに遠くの方から六花の声が聞こえてきた。



「おーい氷華!いるなら出てこーい。朝飯のことなら水に流してやるからさっさと帰ってこーい。…おかしいな、さっきこっちの方に飛んで行ったのは見えたんだが」



 そんな氷華を探しに来た六花の声を聞き、氷華はゾゾゾと鳥肌が立つ。



「こっちに来い猫!」


「だから猫じゃな…って、なんでにゃあまで逃げる羽目になるのにゃ!?」



 手を引かれ走り出す2人。六花という追手を振り切って町中に潜り込んだようだ。



「ふぅ…ここまでくれば安全だな」


「別に怒ってなさそうだったけどにゃ。水に流すとも言ってたにゃ」


「いや…猫は知らないのだ。六花はああいう風に言う時は大抵怒っておる。それを証拠に前回忘れた時は同じ文言でこっぴどく怒られたからな!」


「それはお前が悪いにゃ」



 ついに言ってしまった小鈴であったが、全く容赦ない。むしろ、ここまでやって怒られないとでも思ったのか分からない。



「あ、それはそうと猫。今日は非番だったな。我はお腹が空いた、あの飯屋に行こうぞ。なーに気にするな、九十九からお給金を2万も貰ったからな!」



 こっちは実は5万もらっている…というのは内緒にしておこう。確かに暇を持て余すだけだったからありがたく誘いに乗った。


 2人は飯屋である栄亭につき、中に通される。相変わらず昼頃は人はまばらで、1日2食という食事体系だとこんなものだと認識する。小鈴は九十九からの指示…というほど大仰ではないが、3食で摂るように言われ、そういう風にしてきた。確かに朝にたくさん食べすぎると身体が重いし、それを3食に分けるだけで朝にやる鍛錬はやりやすくなった気がする。



「氷華は何にするにゃ?にゃあはいつも通り定食にゃよ」


「我は基本的に顕現できるだけの霊力補充ができればよいが、今回は空を飛んだのでお腹が空いた。ゆえに我も定食だな」


「じゃあ決まりにゃ。すいませーん、定食2つにゃ。1つは米少なめでにゃ〜」


「はーい、いつもと同じね」


「うん?猫は米少なめでいいのか?」


「にゃあは3食摂るから、昼間は少なめで問題ないにゃ」



 正直、未だに猫呼びされていることにもうツッコミはいれない。ならばいっそ、こちらも狐と呼んでやろうかと思ったが意趣返しになるためそれは止めておく。



 時を待たずに定食が運ばれてきて、それをいただく。玄米のプチっとした感触、歯応えのある漬物、そしてカツオ出汁香る味噌汁を啜ると一息おかずにまた玄米に手を出す。そして完成する定食スパイラル。しかし、今回は少しだけ味噌汁の味が変わっており、それは旨味が増したいい味だ。



「にゃにゃ、味噌汁がいつもと違うけど、とっても美味しいにゃ〜」


「あ、小鈴ちゃんも気づいた?最近北の海で昆布が取れるようになってね。九十九さんって方から出汁にするともっと美味しくなるって言われたの」


「むむ…これは美味いのじゃ」



 九十九はより現実に味を近づけようと昆布出汁について取れる場所はないかと画策していた。美鶴城では昆布出汁の文化もあり輸入しようとしていたが、北の海で採れることが分かると何人も手伝いとして社奉行所に依頼を出していた。そして継続的に採れる目処が立ち、こうして町の飯屋に普及することになった。より一層美味しくなった定食を2人は食べ進め、あっという間に完食の運びとなった。



「うむ、中々に美味であった。いつもは家で雑炊とか作っておるが、こういう米の入らぬ汁も美味いの」


「ふーん、他には何か作れるのかにゃ?」


「ん?我は雑炊しか作らんぞ。使わない野菜と汁の残りに米を突っ込むだけで出来る料理だ。他に作るくらいならそれが一番効率がいい」


「にゃ〜それは料理とは言わないにゃ…」



 実は小鈴も料理は出来ず、大抵雑炊だけで済ましていたのだが、それは今回伏せておく。



「それにしても横綱といい、九十九といい、男どもはうまい料理を作れるのが凄いのじゃ」


「田門丸は昔からやっていたそうだし、九十九は普段見ないような料理を作れるし、それは同意にゃ」



 田門丸は力士の頃の経験から料理全般を作ることができ、今や最果城に欠かすことのできない料理番となっている。九十九も現実世界で趣味で料理をしていたため問題なく色々な料理が作れる。



「六花の料理も美味いのじゃ。だけど、精進料理ばかりで肉を食おうとせん。じゃが…あの胸と言い体つきといいなぜあんなにでかくなるのかの?」


「確かにそれは気になるにゃ…」



 小鈴は以前から思っていた。七海はサラシで胸を潰して動きやすくしているみたいだし、御船はそもそも何もしてないそうだが、服の上から見ても大きい。六花も身長が他の者に引けを取らないくらい大きいし、なおかつ胸もでかい。そこに小鈴が1人放り込まれると悲しみを感じてしまう。そして現れた新星である氷華に親近感を感じていた。



「恐らく我はこの先も大きくなることはないじゃろう。すでに魂魄になっておるから成長もない。猫は…どうなるかは分からんが、そのままの姿でいて欲しいものだ」


「大きなお世話にゃ!…大きいのは憧れるけど、大きすぎても動けなさそうだにゃ〜」



 そんな話をしてしばらく時間が経つ。このままずっと店におるわけにはいかないため、会計を済まして店を出る。その時に氷華が全額出そうとするが止めて、別々で会計を行った。



「にゃあより多分持ってないからにゃ〜…」


「ん?何か言ったか猫よ」


「なんでもないにゃ〜。…それとこれからどうするのにゃ?そろそろ家に帰るのかにゃ?」


「いや、我は侍に頼み事をしておってな、社奉行所で待ち合わせなのじゃよ。猫もくるか?」


「うーん、暇だし行くにゃ。いい依頼があればそれをしてもいいのにゃ」



 そして社奉行所に向かい中へと入る。『薄氷』が鎮静化した影響なのかいつもよりはまばらに人が集まっていて、その中にベテラン兄弟の姿があった。



「お、猫の嬢ちゃんと狐の嬢ちゃんか。久しいな」


「久しいと言っても10日くらいにゃよ〜」


「ははっ、そうだったな。お前達も依頼を受けに来たのか?まぁ、目玉は俺たちがやったけどな。今日が最終日だったわけよ」


「うーん…目ぼしいのはなさそうだにゃ。その目玉ってのはどんな依頼だったのかにゃ?」


「あ、氷華ちゃん、一緒に小鈴ちゃんも来てたんだ」



 奥の部屋から七海が出てくる。相変わらず血糊が凄まじく、激戦を物語っている。



「おおぅ…すごい血飛沫じゃったの…。こほん、それで…お願いはどうだったのじゃ?」


「バッチリ!あとで持ってきてあげるね」


「いやぁ、七海の嬢ちゃんがいなきゃ依頼完遂はならなかっただろうな」



 話を聞くと、あれから1週間にかけて『薄氷』の開拓や縄張り調査、そして討伐と大忙しだったようだ。前回の反省点を踏まえて各個行動するのではなく一個隊に集まって殲滅を繰り返したそうだ。これも九十九が直々に依頼を出して行ったもので、ここでも影響を与えている。



「牛頭と馬頭がやられた今、鬼の残党だろうがそれらと単騎で対峙したり、空飛ぶ天狗に斬撃飛ばしたり、土蜘蛛の硬い甲殻を切り裂いたりと獅子奮迅の活躍だったぜ」


「いやぁ、照れますな〜」


「やってることが鬼神のようだにゃ…」


「とにかく今回のおかげで探索員の奴らも浮かばれるってもんさ。…俺たちがついて居ながら死なせてしまったからな」



 やはり気に掛かっていたようで、今回の依頼が出た時には我先にと志願したそうだ。その甲斐あってか、士気は高く道中の殲滅に大きく貢献した。



「近日中にはある程度根っこを引っこ抜いて整備作業がなされるだろうな。だが…これは西紀城にとっても好都合かも知れん。俺は西紀城下で育ったから分かるが、今の城主は戦闘狂だ。表向きは怪異と渡り合うためにやっているだろうが、俺はそうとは思えんな」


「兄者の言う通りだ。俺達は怪異狩りを中心として生計を立てていた。つまり、怪異専門で戦う技術を身につけた。しかし、城の奴らはどっちかと言えば対人に重きを置いている、そんな印象だったな」


「何やらきな臭いよね…。そこらへんは九十九に伝えておくとしますか。あ、そういえば次は昇段試験だった。その時は小鈴ちゃん達の手を借りるかもね〜」


「へー、次は何を狩るんだにゃ?」


「うんとね…確か東の川にいる河童と小豆洗だったかな〜。概ね5匹狩ればいいはず」


「まぁ…嬢ちゃんなら単独で出来るだろうが、職員もついて行くからな。その護衛がいればより気兼ねなくできるだろうさ」


「わかったにゃ。日にちが決まったら教えてほしいにゃよ」



 一抹の不安を抱えながらも今回の依頼は達成し、無事昇段にまで到達した七海。七海としても昇段は早い方がいいわけで、その理由として今回のような討伐隊を組む際に上の段位の者がいれば動きやすくなるし、何より城支えということで箔がつくからだ。



「それじゃ、夕方に六花さんの家に行くからね」


「うむ、わかったぞ!」



 そうして七海は血糊を落とすため一旦城へと戻ることにした。



「にゃあ、七海はああ言ってたけど、氷華は帰れるのかにゃ?」


「あ…」



 すっかり失念していたようで、少しだけ顔が青ざめてしまう。顔を振ってなんとか平静を装う。



「夕方ならばほとぼりは冷めているはず!問題ないじゃろ!」



 楽観的な氷華に対して小鈴は少し哀れみの目で見てしまった。どこからその自信は出てくるのだろうかと。


 社奉行所を出てぶらぶらと歩く2人。居住区に足を運ぶと見知った少年少女が小鈴に走り寄ってきた。



「猫姉ちゃん!」


「おっ、お前達、今日も元気かにゃ?」


「うん!元気だよ…。そこの狐のお姉ちゃんは初めて見るね」



 ピクっと耳が動く氷華。今までお姉ちゃんと呼ばれることもなかったため、少しだけ照れくさそうだ。



「休みの日にいつも遊んでいる子ども達にゃ。いい子達にゃよ」


「そ、そのようじゃな」


「お姉ちゃんお名前は?」


「わ…我は尸解仙、氷華じゃ。最近引っ越してきたばかりじゃ。よろしく頼むぞ」


「じゃあキツねぇちゃんだ!」


「狐は狐じゃが…むむむ」


「これでわかったにゃ。にゃあも同じ苦しみを受けているのにゃ」


「なんだかすまない気持ちになったのじゃ…」


「それで、今日はますたーは来てないの?」


「九十九は忙しいから今頃頭を抱えて唸っているのにゃ」


「お、おいますたーとはなんぞや?」


「まさに、すごい、たくましいの略だそうだにゃ、知らんけどにゃ〜」



 子ども達は元気である。それは城下町の平穏を意味していて、他にも他方から移り住んで今ここにいる住民の数も多くなってきた。実状、九十九は優先的に居住区から増やしている。


 その理由として挙げられるのが税収関連。人が増えれば税も増える。だからこそ定住してもらって税を納めてもらおうと考えているようだ。


 もう一つは施設の増加だ。この城下町は生まれたばかりでほとんど最低限の店しかない。最初に比べれば多少は発展したが、それでもまだまだ物足りない。人あっての統治。それこそが九十九が掲げる政策というわけだ。



「今日は何して遊ぶ〜?」


「そうだにゃ…鬼ごっこするにゃ!」


「鬼ごっこはまた奇怪な。あんなことがあったのにの」


「…?多分、氷華の思っているのとは違うのにゃ。七海が教えてくれたのにゃ」



 ある程度説明をして氷華も理解する。なるほど、それなら簡単なこと。つまり捕まらなければ問題ないというものだ。



「ふふん、我を捕まえることができるかの?」


「鬼役が決まってないにゃ、三すくみ拳で決めるのにゃ!」


「なんと…まぁ、勝てば良い話!…いくぞ、最初は石ころ、ジャンケンーーーーーー!」



 ことの顛末。つまり負けたのは氷華だ。一撃必殺の鋏を皆が選び、布を選択した氷華の1人負け。



「致し方ない…ならばいくぞ!」


「ちょっと待つにゃ。この広場のみで、触られたら10秒待つのにゃ。氷華は今から10秒後に始めるのにゃ」


「くっ…縛りが多いのじゃ。まぁ、いい…そんな足枷すぐにひっくり返してやるぞ!」


「よし!みんな逃げるのにゃ〜!」



 散り散りになりそれを追いかけていく氷華。まずは女の子から狙いを定めて駆けていくが、思うように捕まらない。彼女は親が足軽で多少はその技能を引き継いでいる。差が縮まる気配はないため、すぐさま小太りの男の子に狙いを定めるがこの子も意外に速い。っと、氷華は思うが、それは彼女にスタミナがないだけだ。移動は空を、そして100年も魂魄だけで過ごしてきただけで、日頃から遊んでいる子ども達に勝てる道理はないのだ。


 その後なんとかして別の標的に近づき、体力が切れそうになる時、ふわりと浮かんでその差を縮めてなんとか触れることができた。



「今の見た?」


「うん見た見た!空に飛んでた!」


「ますたーだ!ますたー!」


「ぜぇ…ぜぇ…、見たか小童ども…これが我の…尸解仙の力じゃ!」


「氷華…次は届かないところに飛ぶのは禁止だからにゃ〜」


「くっ…。だが、宙に浮ければこちらのものだ。さーて逃げるのじゃ!」



 それからいい勝負を繰り広げる。…子ども相手に。たまに小鈴は捕まったりして飽きさせることなく遊ぶとあっという間に空が紅く染まりつつあった。



「じゃあな〜猫姉ちゃんとキツ姉ちゃん!」


「またにゃ〜。じゃあ…にゃあ達も帰るのにゃ」


「…うむ」



 手を振り見送る2人。しかし、氷華は疲れが出てきたのか、話しかけても座り込んで話半分の上の空だった。



「氷華、寝てないで帰るのにゃ。…帰って六花に謝るのも一緒ならば大丈夫にゃよ」


「うん…そうするの…じゃ」



 こくりこくりと船を漕いで、遂には寝息を立ててしまう氷華。揺さぶっても起きる気配はない。しかし、そこに1人見知った顔が現れる。



「よ、猫娘…と氷華もいたな、やっぱり」


「遠巻きに見てたのは分かっていたにゃ。どうして声をかけなかったのにゃ?」


「うーん、楽しそうだったしな。そんな所に水を刺したら悪いだろ?」


「それもそうにゃ」



 そんな2人を他所にむにゃむにゃと眠る氷華をそっとおんぶする六花。3人は夕焼けの道をゆっくりと帰っていく。


 しっかり者の姉、活発な次女、そしてわがままでいい加減だが、眠ると静かな三女。まるで三姉妹のように3人は町を歩いていく。


 そうして六花の住む花火屋兼住居に着くとそっと寝所に氷華を寝かせて小鈴は帰り支度をする。



「それじゃ、にゃあは帰るにゃ」


「おう、今日は一日中付き合ってくれてありがとうな」


「こちらこそにゃ。氷華は来たばかりであんまり接点もなかったからにゃ。こういうのも悪くないにゃよ」


「そう言ってくれると助かるよ。さて…私は七海も来ていることだし、氷華が起きるまで対応しておくよ」


「にゃ。それじゃあにゃ〜」



 夕暮れ時、小鈴は上機嫌で城への道を歩いていった。一方で六花は七海と談笑して氷華が起きるのをゆっくりと待つのであった。


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