表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナナミの冒険  作者: ななまる
1/36

黄金の小麦

「ただいま〜っ。エフィラの遺跡調査行ってきたよ。」

「ナナミさん、お帰りなさい。首尾はいかがでしたか?」

1週間振りにギルドに顔を出すと受付のエルザさんがいつもの笑顔で迎えてくれる。

「楽勝だったよ。4層奥から5層への通路が開いたよ。詳しいことは、後で報告するから、取り敢えず、なんか食べさせて〜」

「まずは報告だ。それと荷を下ろすのをお前も手伝え。」

「は〜い」

踵をかえしながらフィーナさんの声に応える。ほんっとに・・・みたいなんだから。


ーーー


彼らは盤上の駒達が紡ぐ物語を楽しむ。駒達の行動と選択、そしてサイコロの目が様々な物語を紡ぎす。ときには失敗し、ときには成功する。しかし、英雄が世界を救ったとしても、その裏には多くの悲劇があった。

あるとき彼らは考えた。原点に戻ろう。冒険とは未知の探索。謎を解き、未知を既知とする過程こそが冒険。悲劇ではなく、挑むべき未知に満ちたフィールドを作ろう、と。

(  ̄ー ̄)ノ◇ 座布団一枚。「未知」と「満ち」が、かかってるね。


ーーー


「調査、ご苦労様でした。新しい区画の発見とはお手柄でしたね。それにしても報告書自体はもう少しなんとかならないのでしょうか?」

エルザさんが、にっこり笑いながら報告書を受け取る。

「ええっ〜、前に言われたとおり、道中含めて詳しめに書きましたよ。それに、マップにもメモを細かく入れてるよ〜」

「たしかにマップはちゃんとしてるし・・・・まぁ、いいでしょう。発見品の鑑定はやっときますので、報酬と合わせて、明日受取りに来てくださいね。」

「は〜い」


調査報告 ナナミ(翠玉)、フィーナ(紅玉)

エフィラ遺跡 西部区画 5〜7層

青玉以上推奨

4層の最奥部広間の石像にオーブをかざすことで5層への通路が開けた。長い通路は薄暗いもののヒカリゴケでそこそこ視界が取れる。

5層は、細々と入り組んだ通路と小部屋。いくつかのトラップもあるが、解除は容易。

6層は、ターンテーブルのトラップがそこかしこに仕掛けられており、丁寧な位置確認が重要。

7層は、魔力か淀んでいるみたいでアンデットとのエンカウントが、そこそこ多い。中心部の広間は、すこし肌寒いものの明るく他のところとは異なる空気に包まれている。正面中央のすこし高くなったところに装飾の施された大きな扉があるが、解除方法は不明。

調度いい頃合いだったので、宿の女将さんが持たせてくれたサンドイッチを頂いた。甘く味付けした卵焼きにシャキシャキのレタスと甘酸っぱいトマトがよく合う。暖かいお茶でホッと一息をいれた。火炎魔法があるとお湯も沸かせてとっても便利。

各層の詳しいことはマップに記載。


黄金の小麦亭

☆☆☆(ナナミ、人族) エフィラ遺跡探索の北の拠点となってるヴィラの街からゴブリンの集落を抜けて西の入口に向かう街道沿いの小さな集落にある。女将さんがエルフなんだけど、宿の作り自体は至って普通。

しか〜し、出てくる料理が絶品。エルフ料理って木の実とか野菜ばっかりで、なんか物足りないって人も多いと思うけど、ここは違う。特に、パイ皮包み焼きが絶品。パイ皮を突くと、色とりどりの野菜たちをじっくり煮込んだ餡の芳醇な香りが食欲をそそる。一匙口に入れるとトロっーとした餡の優しい甘みが口の中に広がり、旅の疲れを忘れさせてくれる。細かく刻まれた野菜たちのシャキシャキとした食感もあって、手が止まらない。餡に落としたパイ皮は程よくあんの旨味を吸ってて、濃厚な味が胃袋を満たしていく。

エルフのお料理だから、肉は使ってないと思うけど、小麦と野菜たちだけで、これ程まで満足感が得られるのは驚きだった。秘密は調理法にあるらしい。餡を作るのに、かなりの手間暇をかけているそうで、長くなるのでここでは省くが、本当に大したものだった。

エフィラ探索に行くなら、立ち寄ることをお勧めする。というか、探索しなくても立ち寄るべきだ! そして、少なくとも3日は留まることをお勧めする。そうすれば、秘密の一端に触れられるかも。


☆(フィーナ、エルフ) 人族の集落にエルフが住むのは珍しい。いろいろ事情はあるのだろうが、その辺りは詮索しないことにする。

ヴィラよりも西の入口に近いので良い足場にはなるが、宿自体はごく質素なものだし、小さな集落だから装備類の補充はほとんど期待できない。

食事もごく普通のエルフの家庭料理だ。私にとっては懐かしい味だといえる。材料も、店の名前にもなっている小麦こそ南の大陸産の特別なものではあるが、その他は、付近で採れるごく普通のものだ。ただし、ひとつひとつの工程に、考えられない程の手間と工夫がかけられていて、出来上がりは普通の家庭料理とは一線を画するものとなっている。

また、宿全体を暖かい魔力が覆っているので、種族によっては、よい安らぎの場となるだろう。探索の後に少し寄り道をしてみると良いかもしれない。


ーーー


彼らは盤上の駒達を優しい目で見つめている。小さな冒険が紡いだ物語を思い起こしているのだろう。

『・・・。なんだろう、このモヤモヤは。』

『たしかに、謎に挑み未知を知ったんだけど、何かが違う。違う・・・けど、まぁ・・・』

『良いんじゃない・・・かな?』

 (⌒▽⌒)


良いらしい♪







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ