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SARA  作者: ホーリン・ホーク
Harley-Davidson
5/34

5.energy

「あ〜ぁ、血が出てるじゃない……もう……」

 幼い少女サラは椅子に座ってケラケラ笑ってる。

 クリシアが膝に絆創膏を貼ってあげる。

「でもママ。できるようになったよサカアガリ」

 そう言って鉄棒で汚れた赤い錆だらけの両手を見せた。



 そんなオテンバ娘も眠っている時はやっぱり子猫のようだった。

 寝静まる夜にブリウスとクリシアが見つめてる。


「ふふ……誰に似たのかしらね」

「お前にそっくりじゃないか。この目も口も」

「性格はあなたよ」

「もうちょーっと清楚にならんかな〜」

「性格があなただから無理」

「もうちょーっと可憐にならんかな〜」

「性格があなただから荒くれ」

「おま……」



 ****



 サラも小学生になった。

 明るく、誰とでも喋り、友達もすぐにできた。

 わからないことは何でも聞き、元気で正義感に溢れ……時に溢れすぎることもあったが。



「プディングさん! お宅ではどういう教育してらっしゃるの? ウチの子見てちょうだいよ、こんなに怪我させられて! どうしてくれるのよ!」

 と、隣り部落の母親が怒鳴り込んできた。

 玄関口で頭を下げるクリシア。

「本当に申し訳ありません……」

 サラは柱に隠れてる。

「サラ! こっち来て謝んなさい!」

「だってそのコがエリザベスのクレヨン、ぜんぶわざとおったのよ! このイジメっコ!」

 サラはベー! と舌を出す。

 その母親の後ろには、丸々と体格のいい、顔ボコボコの男の子が……。



 ……その夜の食卓。

「ハッハッハ。タネンのガキをやっつけたって? 番長クラスだろ?」

「笑い事じゃないわブリウス、ちゃんと叱って」

「頼もしいじゃないか! ありゃあデカいくせに根性曲がってら! なぁ、サラ」

「へへへ……」

「イジメっ子の方が悪いもんな!」

「うん!」


  

 ****



 英単語の授業。

「はーい。じゃあ次は〝H〟で始まる言葉よ。前の席の人から順番に、言ってください」


「え〜と…… HEART!」

「HORSE」

「……HAPPY」

「……ヒ、HERE」

「ここ! HEAD!」


 先生が次の列を指差した。

「はい、じゃサラさんから」


「はい! えーと……、あ! HARLEY DAVIDSON!」



挿絵(By みてみん)



 エネルギーの塊。

 走るのも男の子を負かすほど。

 鉄棒や跳び箱もみんなに教えてまわった。



 夜、ブリウスがサラと絵を描いて遊んでいる。

 クレヨンを手に、サラのリクエストに応える。

「パパも小っちゃい頃から恐竜大好きだったからなー」

 サラも一生懸命描いてる。

「ほら、サラできたぞ〜 強そうだろ?」

「ええ? T・レックスはもっとアゴが大きくて手は小っちゃいよ」

「そ、そっかあ? どれ。見せてみな……あ、お前の方が、上手い」 


 クリシアがコーヒーとジュースを運んでくる。

 その空気……それは本当に幸せだと、彼女は思えた。


 二人の絵をクリシアが覗きこむ。

「あら、このトカゲ? カンガルーかしら」

「ママこれT・レックスだって! パパがかいたの」

 ブリウスの絵の下手っぷりにクリシアは思わず吹き出した。


「え? そうなの? ……ぷっ」

「な、なにをぉ〜〜!」



挿絵(By みてみん)

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