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SARA  作者: ホーリン・ホーク
Harley-Davidson
4/34

4.unknown legend 〜出発

 一九九二年、九月。

 必要な物だけ、全てバッグに詰め込んだ。

 鋼鉄の愛馬(スティール・ホース)の整備も抜かりない。

 マゼンダのレザースーツを着、髪を束ね、ブーツを履く。

 ひび割れた丸太の椅子に腰掛け、ジッポーで最後の煙草に火を着ける。


 出発前、これからしばらく世話になるハーレー・ダビッドソン〝BOSS HOSS〟。

 その勇猛なライン、畝るファイヤーパターンを静かに見つめる。



 これから彼女は旅に出る。

 これから彼女は夢を叶えに行く。



 煙草を揉み消し、アッシュケースごと捨てた。

 晴れ渡った空を見上げ、彼女は立ち上がった。

 頑強なシートに跨り、キーを回す。

 地に重く轟く、ハーレーの嘶き。

 メタリックな巨馬の猛々しい咆吼。


「素敵よ。あなたの鼓動」

 サラはそう微笑んでサングラスをかけ、ハンドルを握った。



 フリーホイールの地からシュガーマウンテンまで。

 それは知る人ぞ知る、伝説の物語――。



 ****



 砂漠を走るハイウェイのどこか

 ハーレーに跨って疾走する彼女

 金色の長い髪を風に踊らせ

 これまでの人生の半分を走り続けてきた

 彼女の愛馬は

 黒光りするクロームと頑丈な鉄のボディ

 あの娘の発散するやさしい雰囲気と

 およそ似つかわしくないのさ



 ――〝UNKNOWN LEGEND〟 ニール・ヤング



挿絵(By みてみん)

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