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SHE RIDES A HARLEY-DAVIDSON
私はハーレーに乗って
賢者の告げた伝説の聖地へ向かった
絶望と悪夢を消し去るため
信じていたから出来たこと
たとえほんの僅かでも 私は希望を持っていた
旅の途中 冷やかされたけど気にも留めなかった
ハーレーに乗って
私はずっと思い出を辿っていた
行く手に広がる知らない街や風が未来なら
全ての思い出を持って私はそこへ向かう
夢でも目的があったから
生きて来られたのかもしれない
気がつくと時が迫り
太陽が現実を突きつけていた
夢を追い続けた罰とは思わない
それはこれから始まる新たな旅の密かな啓示
彼は言った
「サラ、君は長い間まるで矢のようにずっと走り続けていた」と
私は頷き
「私にだって道に立てないほどつらい時がある」
と言った
ソローのように森で一人で生きていけたら素晴らしいと思う
〝生活でないものは拒み 死ぬ時に悔いのないよう生きるために〟
でも一人で生きていけるほど
私はそれほど強くない
私の準備はできている
あとは一緒に走るだけ
私はハーレーに乗って
はるか道を行く
私はハーレーに乗って
華やぐ未来へ