表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SARA  作者: ホーリン・ホーク
Sugar Mountain
32/34

32.new departure

挿絵(By みてみん)


 だいぶ昔の話だ。

 〝R.J.ソロー〟ボビィは歌番組のダーツゲームで見事ハーレーを獲得した。

 だが若き日のバイク事故による恐怖症で乗れず、それを友人のブリウスにプレゼントしたのだ。


 久方振りのボビィからの電話はこうだった。


《どうだいブリウス。ハーレーの調子は?》

「おーぅ絶好調で乗ってるぜぃ! 娘が」

《あれをサラちゃんがあ? ひぇ〜〜っっ!》

「少し前だがあれでシュガーマウンテンまで行ったよ」





 一九九四年、快晴の春。

 そこはフリーホイールの地、プディング宅。

 二年間の専門学校生活を終えたサラは次なる旅支度をしていた。

 外で父ブリウスがハーレーBOSS HOSSを磨いている。

 荷物をまとめたサラがちょこちょこやって来る。


「わあ! ピッカピカ、ありがとうパパ」

「だろう? 俺が乗ってこうかな〜」

「一緒に行く?」

「やめとく。俺は命が惜しい」



 青い空に白いシーツがなびいている。

 小さな庭に、穏やかな陽射し。

 ブリウスは遠くの尾根に友ジャックを想う。

 彼との出会いが始まりだった。

 ジャックが()()()()()()()金を巡っての騒動は終結した。

 〝ナピス〟崩壊後、ジャックは二億を入れたギターケースを車のバックシートに隠していた。

 それは()()()()の後、車の修理工場で発見された。

 クリシアはその金を震災義援金として寄付した。

 レイ・ニードルからも()()()『ウォルチタウアーはムショで死んだ。安心しろ』と電話があった。

 レイやダグラスがこれからも陰で見守るという。

 ジャックとの出会い。ブリウスに悔いはない。

 彼は最後まで《妹を頼む》と言った。

 ――そう、クリシアは俺がずっと守るんだ……。



 決意を新たにブリウスは煙草を揉み消し、サラを見た。

 随分悩ませた。つらい思いをたくさんさせた。

 それでも少女のままの瞳で見つめてくれた。

 君がいてくれた、それだけでいいと彼は心から思った。


 感涙鼻汁垂れまくりのブリウスをサラが見る。

「うぇー。パパブサイク」

「は、ハハ……うるさいわい」

 サラはその顔をティシュで拭いてあげる。

「……ごめんな。お前を困らせてばかりで」

「もう言わない。パパがどんなでも、大好きよ」

「お前には感謝しかない。パパもママもお前が誇りだ。大好きだ」

 二人は笑顔で頷いた。



「……サラ。ママと話したか?」

「うん。昨日の夜、ゆっくり」

「そっか。……じゃ、もう行くんだな」

「うん」

 サラは家の中にいるクリシアに。

「ママーーッ! そろそろ行くねーーっ!」

 洗濯籠を持ったクリシアが慌てて走ってくる。


「はーーい! 気をつけて! 行ってらっしゃい」





 END




挿絵(By みてみん)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ