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SARA  作者: ホーリン・ホーク
Revenge In The Barrel
22/34

22.sara 1992 〜旅路③

 それは一九九二年九月二十五日のサラ。

 彼女はこれまで旅をしながら子供の頃からの思い出を辿り、両親の事を考えていた。

 フリーホイールから東へおよそ千キロ。

 セントセフトスを駆け抜けひと暴れし、タイムズアウトアを燦然と轟かせた。



 その日、陽が沈みブリンギングスの街に入るとハーレーを停め、公衆電話にコインを入れた。

 電話の向こうはエリザベスお嬢。エリザベスは大声で返した。


《何してんのよ、じゃないわよ! サラ、あなた今どこにいるの? もう三日も……》

「ごめんごめん。あなたのボディガードはもう終わったと思って。パワーファイターの彼にコクられて」

《もーう、やめてよー! タネンきらーい、あいつ本当はあなたのことが好きだったのよー》

「うっそ! うへー! パグ・タネンがぁ?」

《……ていうか、本当にシュガーマウンテンに?》

「そうよ。私は夢見る少女ですもの」

《信じてるのはいいけど……無茶しないでね》

「わかってる」

《本っ当にマジに絶対、ちゃんと帰ってくるんだよ! 私あなたがいないと生きてけないからー!》

 おいおいそこまで言うなよと、サラは笑って頷いた。



「……ありがとうベス。またね」

 受話器を置き、鋼鉄の愛馬(スティール・ホース)の脇に腰を下ろす。

 誇らしいフロントフォークに夜空の星が煌めいている。

 胸元を広げ、ネックレスの(セイレイ)を手に見つめる。

 たとえそれが幻影でも幻想でも信じて走ってきた。

 ()()()()()()()()()……ずっと希望を追い続けた。



 光の竜よ、聖なる生命の水よ……

 彼女は祈る。大切な人のために。



挿絵(By みてみん)

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