4[平和か破滅]
「エバ。どうだった?このリーストっていう大陸は。」
「どうだったって言われても、、、。まだ頭が追い付いてないよ、、、。それにあの魔法はなんだったの?2人が命を懸けて作ったって。」
「あの魔法はね。あなたにある力を与えるための魔法なの。左手首にある魔法陣がその力よ。」
「これ?これはだって、村のみんなはお母さんが生きてる証だって、、。18歳になると効果がなくなるって。」
「あながち間違ってはいないけど、実際はあなたに聖魔の魔力を宿す魔法陣なの。18歳になる頃にもう一度発動する仕組みになっていてね、それまでは、少しずつあなたの中に流し込んでたの。ただ、あのまま育ててもあなたの魔力量じゃ聖魔の力の制御できないかもしれなくてね。旅に出て力をつけさせることにしたのよ。」
「エバエル様。この刀にあなたの魔力を注いでください。そうすればラトエル様のおっしゃっている意味が分かると思います。」
「う、うん。わかった。」
エバエルが刀に魔力を注いでいると、最初は水晶の半透明だった刀が、刀身がまるで聖を物理的に表したかの様に白くなり柄は持っているだけで吸い込まれそうな闇のように黒くなった、。
「これは、、?」
「聖魔の力が完成したわ。パパ、エバに、、。」
「わかっている。エバ、よく聞くんだ。今からお前に二つの選択肢を与える。1つは世界に平和をもたらす象徴、イーダム様と同じ神になる道。もう1つは、お前が世界の毒になること。昔の天族のように。言うなれば聖魔王になることだな。」
「それって、、、、。ちょっと考えさせてほしい。」
「神になるからにはすべてを愛し、すべてを肯定しなければいけない。聖魔王になるからには、世界を変えなければいけない。どちらも世界を救うために必要な存在だ。」
「、、、、、。僕は4年間旅をしてきた。たくさんの人と触れ合って、たくさん光を浴びてきた。いろんな種族がいて、みんな楽しそうに生きていた。」
「やはり、、、そうな「でも。」ったか。、、?」
「でも、その分の闇もしっかり見てきた、レイはこの選択のためにわざと遠回りをさせて世界を見せてくれたんだって、いまなら納得できる。」
「エバエル様、、、。」
「僕は闇の部分を肯定はできない。僕が闇になって世界を変えたい。この世界の闇は僕だけでいい。」
「エバ、よく言った。俺らはそう言ってくれると信じていた。お前に世界を背負わせることになるのは心苦しい。だが、エバエル。世界にはお前が必要だ。ありがとう。」
「エバ。ありがとう。私たちから18歳の誕生日プレゼントよ。」
魔力体である2人がエバエルを抱きしめるように包むと魔力がエバに吸収されていった。
「最後のプレゼントが私たちの残った魔力だけでごめんなさい。もっといい母親でいたかった。もっとあなたを見てたかった。ごめんなさい。そして私たちの息子でいてくれてありがとう。」
「お母さん、お父さん。頑張るよ。二人の息子だもん。後はオレに任せて!!」
「レイ、君にエバを任せて正解だったようだ。これからも息子のことを頼むぞ。ここから先はお前たち二人に任せる。レイにも俺の魔の魔力を少しだけわける。うまく使ってくれ。」
「ラダーク様、、。ありがとうございます。命に代えてもエバエル様をお守りいたします。」
「【王】よ最後の仕上げは君に任せた。人族の君にこの仕事を任せて申し訳ない。後は頼んだぞ」
「もったいなきお言葉です。お二人からの最後の使命全ういたします。」
エバエルに吸収されつくした魔力体はだんだんと消えていき、そして完全に消え【王】の間に一瞬の静寂が訪れた。
静寂を破ったのは【王】だった。
「エバエル様。これが最後です。完全にあなたの中の聖魔の力を開放いたします。どうかご自身の意識は手放さないよう。」
「わかった。やってくれ。レイ、どうなってもそばにいてくれ。聖魔王として最初の味方は君だ。」
「もちろんです。エバエル様。」
「我、汝の中に眠りし魂を呼び起こすもの。どうかこの声聞こえたならば主の魂と共鳴したまえ!!!」
【王】が呪文を唱えるとエバエルの体が異様に変化をし始めた。
体は二回りほど大きくなりいつの間にか漆黒の鎧を身にまとっていた。
「ヨウヤク。コノトキガ。キタカ。エバヨ。オレヲ。ウケイレラレルカ。」
「ぐっ!なんて重い魔力だよ!だけどな!俺がオレに負けてるようじゃ世界を変えることなんてできるわけないんだよ!!!」
「ヨイココロだ。これナら。任せられる。」
「っかはぁ!はぁ。はぁ。危なかった気を抜いたら精神が持っていかれるところだった。無事に聖魔王になれた。よし、レイ。行こうか。この世界を変えに!」
「どこまでもついていきます。この命にかけて。」
こうして、聖魔王エバエルと聖魔レイが誕生したのでした。
二人は、魔物を生み出し、各種族から手下を集め、ノジャのに聖魔王国を作りました。
ここから1000年、2000年と聖魔王と各種族の終わらぬ戦いが始まったのでした。
3万年後~~~
とある町の1本の商店街にあるお店
「よし!準備できた!明日から店が始められるぞ!!」
このお話はこのお店に働きにやってきた一人の少年の物語。
聖魔王エバエルとの終わらない戦いに終止符を打つべく立ち上がった少年。
イズによるファンタジーライフ物語である。
やっと零章終わりました。
異世界居酒屋オープンです!!
第1章 『居酒屋ファースト』
次回更新楽しみにしていてください!