筋肉太郎
3ヶ月が過ぎた。
太郎は元通り元気になり3人で任務をこなしていった。
「試験の時期よ!」
花子は勢いよく教室に入ってくる。
「そうだ、もうすぐ試験だ」
太郎は感化されたのか立ち上がる。
「あの、何をするんですか?」
花子が走ってきた。
「試験は主に筆記試験と特殊な任務を行う事でランクが上がるの」
「それって危険ですか?」
「いえ、死ぬことはない程度よ」
花子はさらっと言ったが怪我はするんだなとシオンは思った。
その時教室の扉がゆっくりと開きジン先生が入ってきた。
「えー、試験が始まります。 筆記は全員参加ですが特殊任務は受けたい人だけで結構です。 受ける人いますか?」
花子はシオンの手を掴み一緒にあげた。
「あー、じゃあ2人は決定で。 太郎はいいのか?」
「僕は……僕は……」
なぜか太郎は手を上げない。
シオンは太郎なら真っ先に手を挙げると思っていた。
「僕は……筆記試験が受からないんだ!」
太郎は立ち上がり叫ぶ様に言う。
教室は静まり返る。
シオンは花子を見たが横に首を振る。
ジン先生を見ると明らかに困っている様だ。
「勉強すれば……」
シオンが言うと花子が口を塞ぐ。
「シオン、君が教えてくれるのか?」
太郎は嬉しそうな顔でシオンを見た。
シオンが頷くと太郎は駆け寄ってきてシオンを抱きしめた。
「ありがとう。 僕がんばるよ!」
花子は手を離す。
「えっと……3人で一緒に勉強しましょう」
シオンは不安になりながら答える。
「筆記試験は基本的に普段授業でやってる事や任務で見つけたことなどが出るの」
放課後シオンは花子の説明を受けていた。
「でも授業って言っても計算や物理とかですよ? これじゃあ普通の世界と変わらないじゃないですか」
「それが問題なんだよ。 僕は……勉強が出来なかったんだ」
「足し算と引き算は出来ますよね?」
「ムリね」
即答で花子が答える。
「シオン頼んだ」
太郎はどこか他人事の様にシオンに言う。
「キノコの名前とか苔の名前とか、効果とかも出るわよ」
花子が続ける。
「えっと……何点くらいとればいいのですか?」
「だいたい60点くらいかしら? 後は特殊任務で点数を稼いで合計で100点を越えればいいのよ」
「じゃあ特殊任務だけで100点とればいいのでは?」
「特殊任務は最高50点なんだよ……」
太郎はがっかりしている様だ。
「じゃあしっかりと勉強しましょう」
「はい……」
太郎は答えると教科書を広げる。
シオンが覗き込むと色々書き加えられていた。
「ちゃんと書き加えているんですね」
言いながら教科書を持ち見てみる。
ーー筋肉は常に自分の努力を表すパラメータだ
ーー筋肉だけは裏切らない
ーー筋肉の布団で寝たら気持ちいいのだろう
シオンは教科書を返すと静かに席を離した。
「ちょっと待ってくれよ。 ちゃんと教わるから
、大丈夫だから」
シオンは少し机を戻す。
足し算から教え始めた。
太郎は分かっているようだったが次の日にはすべを綺麗さっぱり忘れていた。
シオンは当日に教えてなんとか60点を目指そうと思った。
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