ジン先生とドクター
ジンは走りながら目を動かし続けた。
何か見落としがないかと必死に見ているが何もない。
戦いの音も聞こえて来ない。
こんな短時間で倒せるはずもないから倒されたと思うしかないのかなどと思っていると目の前にフラフラ歩くシオンが見えた。
ジンはシオンの側に行くと声をかけながら手を貸す。
「シオン! 大丈夫か?」
すると小さな声がかすかに聞こえた。
「大丈夫です……帰りましょう……」
服は真っ赤に染まっている。
ジンはシオンのお腹の部分が見える様に服をめくる。
お腹の左側に大きな傷跡が見える。
しかしそれは古傷という感じに見えた。
「君は一体……」
フラつくシオンを助けながら呟き2人は学園目指して歩く。
しばらくするとドクターが花子に引っ張られ嬉しそうな顔をしながら走って来た。
「ジン先生、ドクター連れて来ました」
花子は息を切らしながら言う。
「なんだよ、男かよ。 どれ面見せろ……」
シオンの顔を見るとドクターは呆れた顔をした。
「またお前かよ。 俺は男は見ないと最初に言ったよな? わかってんのか?」
と言いつつもシオンの体の異常がないか調べ始める。
「おい、何と戦った?」
ドクターは驚きを隠せない。
「熊猿です!!」
花子が答える。
「そんなバカな。 この傷跡が今日つけられた物だとしたらこの大きさシルバー野郎だぞ!?」
「そんな……」
花子が涙を浮かべる。
「シオン君、シルバーの毛をした奴がいたのか?」
ジンは優しく語りかける。
シオンは何も言わずに頷く。
「お前バカか? あれは特別な合成獣でランクC以上じゃないと倒せないんだぞ」
ドクターはシオンの細かい傷を消毒しながら言う。
「そうだったんですか……」
シオンが言葉を出す。
「あれはいじめっ子みたいでしたよ。 花子さん心配かけてごめんね」
シオンが花子に微笑む。
花子は涙が止まらなくなり言葉も発せなかったので何回も頷いた。
「ジン、シオンはすぐによくなる。 だがな、花子ちゃんの心の傷を治せるのは俺だけだ!」
ジンは呆れた。
「うちの生徒になにもしないでくれ」
と言うと花子に手を差し出す。
花子が手をとると2人を連れてジンは立ち去る。
ドクターは3人が立ち去るのを確認すると森の奥へと歩いて行った。
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忙しくて更新が……
また頑張ります!!




