体育祭5
シオンはお昼ご飯を食べるとまだ時間があったが暇なのでクラスの場所に戻った。
いたのはノアだけであった。
「ノアさんご飯食べたんですか? 早いですね」
と声をかける。
「……食べてないよ」
とノアが答える。
「お腹空いてないんですか?」
「えぇ。 大丈夫。 気にしないで」
「もしかしてお弁当忘れたんですか?」
「いえ……それに忘れても家近いし」
「そうですね」
なかなか会話が続かない。
すぐに男が1人現れた。
「姫様、どうか僕のお弁当を食べてください。 一流シェフに作らせました」
「結構です」
男はトボトボしながら帰る。
次にまた男が来た。
「姫様、私は美容に気を使った食べ物を集めたお弁当を持ってきました、いかがですか?」
「無理です」
これをきっかけに次々と男達がやってきてはノアにお弁当を勧める。
これは食欲なくなるだろとシオンは思いノアの手を持つとそのまま走り出した。
「他で何か食べましょう」
シオンは一生懸命走り屋上まで行くと鍵を閉める。
「これで入ってこれません。 食べるものありますか?」
するとノアは頷きポケットからスプレー缶の様なものを取り出した。
「それは?」
「生クリーム」
「え? 生クリーム味のご飯ですか?」
シオンは聞き間違いだろうと思い聞き直した。
ノアは首を横に振るとスプレー缶の先端に口をつけクリームを飲み始めた。
シオンは口を開けノアを見ていた。
ノアは至福の表情をしていたがシオンの口が開いてるのを見ると少しクリームを入れてくれた。
「甘いです……とても甘いです……」
そこまで甘いものが好きではないシオンにとっては食事になりそうになかった。
しばらく待つとノアは全て吸い尽くした。
「お礼してあげる」
ノアが言うとシオンの腕を掴み顔が近づく。
「へっ?」
ドキドキしてシオンが間抜けな声を上げるとノアはシオンの体を抱きしめ地面を蹴り空高く跳ぶ。
そしてそのまま校庭まで飛び降りた。
シオンは地面に落ちるまでの間に今までの人生が見えた。
地面に着いたときにはシオンは漏らしていないか確認した。
「まだ生きてるし漏らしてない……」
シオンは言いながらみんなが座ってる場所までフラフラと歩いた。




