クロと花子
アダムは男の頭から手を離すと外に出る。
「中の物を片付けてくれ」
アダムはそのまま廊下を歩くと外へ出る。
「マリア、君は一体何がしたい……」
1人呟くと部下がウイスキーの入ったグラスを持ってきた。
「ありがとう」
グラスを少し回してみる。
「あちらの世界においてこれだけは完璧な物な気がするよ」
部下に言ったつもりだったが後ろを振り向くと1人であった。
アダムは空を見上げると曇り始めた。
「良い天気だ。 これくらいが丁度いい」
1人空に乾杯してグラスの中身を飲み干した。
飲み干したグラスを掲げると太陽が顔を出した。
するとグラスの中にウイスキーが湧き上がりグラスから溢れ始めた。
アダムは口につけると少しずつ呑み始めた。
ーーシオンは病院を訪ねていた。
クロの病室に着くとノックをして中に入る。
クロは座っていた。
「おはよう、シオン」
クロから話しかけた。
「……すいませんでした」
シオンは頭を下げる。
「気にしないでくれよ。 僕は生徒会を辞めれて少しホッとしているんだ」
「そんな……」
「話は聞いたよ……代理は引き受けるよ」
シオンは頭を下げる。
「いいよ。 僕たち友達だろ?」
「はい」
シオンは嬉しくなった。
「ところでこの世界のこととか学園の事よくわからないだろ? もしよかったら教えようか?」
「お願いします。 でも今日は花子さんの様子を見に行きたいのでまた明日来てもいいですか?」
「あぁ、暇だから待ってるよ」
シオンはお見舞いのみかんを渡すとしばらく話病室を後にする。
学園に着くとドクターを訪ねる。
「やぁシオン。 彼女はもう大丈夫だぞ」
シオンはベッドに案内される。
「シオン君……ありがと」
シオンを見るなり花子はお礼を言う。
「いえ……守れなくてすいません」
シオンは頭を下げる。
「……守ってくれたよ」
花子は微笑む。
「シオンの彼女か?」
ドクターがからかう。
「あ……」
シオンは言葉に詰まる。
「いえ、違います。 クラスメイトです」
花子が否定した。
「振られたのか。 ごめんごめん」
ドクターは笑いながら出て行った。
「あ、違うよ。 シオン君を振ってないからね」
花子は慌てて否定する。
「いえ、気にしなくていいですよ。 それよりも花子さんが元気になって良かったです」
シオンはベッドの横に置かれた椅子に座り話をした。
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