カエデの勘
カエデはシオンの部屋を見渡す。
女の気配はない。
トイレも借りる。
綺麗だがここも女っ気は無い。
「シオン君。 綺麗好きなの?」
「いや、それほどでは……ただあまり使っていないので綺麗なだけだと思います」
「お隣さんはどんな人か知っているの?」
「えぇ……優しい人です」
シオンの顔がニヤける。
これは女だ。
そう思ったカエデは立ち上がるとナオキを引っ張って玄関まで行く。
「シオン君は少し待ってて」
シオンがこちらに来ようとしたので止めると扉を閉める。
「シオン君の隣の人はきっと美人なお姉さんよ。 どうにかしないといけないわ」
「え? よく話が読めないけど……」
「分かりなさい。 そして協力しなさい」
「……はぁ」
ナオキは玄関の外に放り出された。
「行ってきて」
親指を立てられる。
ナオキは渋々隣の部屋のインターフォンを鳴らす。
しばらく待ってみるが誰も出てくる気配は無い。
ナオキは戻ってシオンの部屋へ戻る。
「留守みたいだ」
「部屋の中明るいけれども?」
「それでも出ないならシャワーか電話か……とにかくもういいだろ。 シオンと今後の話をしたいんだよ」
カエデはほっぺたを膨らませながら戻って行くナオキの後に続く。
「すまない。 気にしないでくれ」
ナオキは謝ると座る。
カエデは何故か膨らんだまま座った。
「シオン。 生徒会からリングを取ると生徒会になるって話はしたよな?」
「はい。 聞きました」
「だからシオンは生徒会に入ってもらう」
「え? そんなの無理ですよ……」
ナオキが話を遮る。
「まぁ聞け。 生徒会だって出れる時と出られない時がある。 そこで代理人を選ぶことが出来る」
「まぁ普通は選ばないけれどね」
膨らんだままのカエデが付け加える。
「じゃあクロさんに頼みます」
シオンは嬉しくなった。
「そう言うと思ったよ」
ナオキも嬉しそうに答える。
しかし1人だけ嬉しく無い顔をした女はなにかを察知した。
「女よ……」
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