駅
シオンはレース会場を出ると駅に向かって歩き出した。
レース会場は騒がしかったが外は別世界の様に静かであった。
みんなはまだメインレースを楽しんでいるんだろうなと考えながら歩いていると駅に着いた。
駅に人は少なかったが1人目立つ女性が立っていた。
スーツを着こなした白人の女性で20代後半くらい、身長も高く茶色い髪が綺麗さを引き立てていた。
近くを通る人はもちろん、遠くを歩いている人ですら彼女を見ていた。
しかし本人は気にする様子も無く誰かを探しているようで辺りを見回していた。
そこに2人組の男達が彼女に話しかけた。
「お姉さん、誰かを待ってるの? 待たせる人なんて最低だよ。 俺たちと遊ぼうぜ」
しかし女性は反応しない。
「日本語わかりますか?」
ともう1人の男が声をかけるがやはり彼女は反応しない。
しかし彼女は辺りを見回した後2人の男の顔に手を添えると笑顔を見せた。
男達は明らかにデレデレしているが次の瞬間2人は消えた。
シオンは関わらないほうがいいと思い早足で改札まで歩く事にした。
しかし運が悪く肩を叩かれ振り返ると先ほどの男がいた。
「シオン君、もう少し話しないかい?」
と言われたがシオンは彼女の方を見て彼に教えようとしたが振り向いた時にはすでに目の前に彼女がいた。
「あ……危ない」
とシオンが声をかけ金次を逃がそうとしたが意識を失った。
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