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返したかった
シオンが外に出るとナオキが立っていた。
「絡まれている生徒がいたと聞いて来たが、君だったのか」
すぐに立ち去ろうとする。
「待ってください」
シオンが言うと背を向けたまま止まった。
「これ、返しておいて下さい」
シオンがリングを差し出すとナオキはこちらに
振り返りシオンの手の上のリングを見た。
「それは受け取れない」
「なぜですか?」
「それは力ずくで奪わないといけないんだ。 それにクロは当分動けない……意識もないんだよ」
ナオキは落ち込み答える。
「すいません」
シオンは頭を下げた。
「気にするな。 ただ君が今後僕たちからリングを奪おうとするならこちらも本気で戦う」
ナオキの目は本気だった。
シオンは横に首を振る。
「今回は諦めます。 それで世界から追放されるなら受け入れます」
ナオキは予想外の言葉に少し驚いた。
「傷つけるつもりはありませんでした……皆さんは同じくらいの歳の初めての友達だったので……」
「そうか……なぜ暴走させた?」
「誰も殺さないと言ったので……」
「ちょっと待て、暴走ではないのか? 別の声が聞こえた?」
「……信じてもらえないですよね」
シオンは肩を落としトボトボ歩き始めた。
しかしすぐにナオキがシオンの肩を掴んだ。
「今すぐ学園長の所へ行くぞ」
ナオキはシオンを引っ張り走り出した。
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