48/188
ケンという男
男はシオンを見ていたが不意に何かに気がついた。
「あぁ、俺の名前を先に名乗るべきだったよな。 俺はケンって言うんだ」
シオンは黙って見ていた。
「まだ何か不満か? この体なら気にするな。 まだ未完成なんだよ」
ケンは自分の体を見ながら言った。
「シオン」
名前だけ答えた。
「シオンって言うのか。 よろしく」
ケンは握手を求めてきたがシオンは手を見つめるだけであった。
ケンは手を戻すとシオンから視線を外し壊れたゲーム機を見た。
「まぁ握手をしないのは賢明だな。 どんな能力があるのかわからない」
「あなたはアダムの仲間?」
「いや、彼とは仲間ではない。 ただ君が学園の生徒なら我々とは仲良く出来ないと思ってもらって構わない」
ケンはゲーム機から目を離すと次は仲間達を見た。
「この人数差で構えるのは賢明ではない。 しかもここは俺達のホームだ」
「知らなかった。 人を探してたら絡まれた」
「そうか……それはこちらが悪いな。 シオンはまだこっちに来て日が浅いようだな。 とりあえず今後はここに来ないように」
出口に向かって手を向けた。
シオンは頭を下げると歩き始めた。
誰もシオンに手を出しては来なかった。
読んでいただきありがとうございます。




