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少年召喚士は伝説となる。  作者: 千羽 鶴
少年召喚士、異世界に転生する。
8/18

これから向かう先は【最善戦の街】?


本日二話目です。ちょい短めです。

楽しんでいただけると嬉しいです。

 僕は、再び白虎に跨ると、後方から馬車に着いていった。

 先程の一件が原因かは分からないが、騎士達(女性騎士は除く)も随分僕にフレドリーに接してくれるようになったと思う。

 女性騎士の方は逆に、僕に対して警戒は多少なくなったが、それでもさっきまでの事もあるので、どう接するべきか、迷ってる感じだ。

 チラチラ僕の方を見て、様子を伺っている。


 僕は遠い遠~い異国から来たので、正直この辺の地理は詳しくない……と、明らかに嘘(あながち間違っていないけどね)だと分かるような話にも、騎士達は何かしらの理由があるのだと察し、色々と親切に教えてくれた。


 これから向かう街は、【ラザン辺境領】と言って、別名【最前戦の街】と呼ばれてるらしい。

 何とも物騒な呼び名だなと思った。

 それもその筈。

 ここから少し南に行った所に国境があるらしく、その国境を超えると砂漠を挟んだ先に【ムンサーバナ帝国】と言う国があり、長い間そこと小競り合いをしているのだとか。

 そして、真っ先にその戦いに巻き込まれるのは、当然国境近くにあるラザン辺境領なのだ。

 そして、そのラザン辺境領のご息女が、メリーナさんと言うわけだった。

 まあ、そんな訳で、ラザン辺境領には、それなりに腕の立つ騎士や冒険者が集まっているらしい。

 そう聞くと、治安が悪くなりそうな所を、メリーナさんの父親であるラザン辺境伯の手腕で、特に問題も無くまともな街として栄えているのだとか。

 騎士達の喋り方から、何となくラザン辺境伯と言う人物が慕われているのは感じられた。

 きっと、良い方なのだろう。

 そんな騎士達でも、キラーイオン(あのライオンの魔物の名前らしい)には苦戦してしまったようだ。

 キラーイオンの強さはBランクらしく、一体ならまだ何とかなっただろうが、三体も一気に攻めてきたので、僕達が通り掛からなければ、本気でかなりヤバかったらしい。

 咄嗟に女性騎士が馬車に乗り込み、万が一の時は、メリーナさんに覆い被さってでも、身を挺してメリーナさんだけは守るつもりだった。まさに、決死の覚悟だったようだ。

 そもそも、あのキラーイオンが街の近くに出る事は滅多に無いらしい。

 だからと言って、決して油断してた訳では無いけど、それでも魔物の接近を許してしまった事は、騎士として恥ずべき事だと、皆さんが声を揃えて言った。

 若干落ち込んでる感じはあったが、守るべきお嬢様を危険に晒してしまったのだ。致し方ない事かも知れない。


 それから少しして森を抜けると、離れたここからでも、前方に高い石造りの外壁が見えて来た。

 間違いなく、あそこがラザン辺境領だろう。

 そして、また数十分馬車を進めると、門らしき入り口が見え、そこに見知った顔があった。

 さっきまで、メリーナさんの護衛をやっていた二人の騎士だ。

 騎士は、ビシッと直立不動になり、一度頭を下げてから口を開いた。


「負傷した一名は、無事に病院に搬送しました。お陰様で、命に別状は無いそうです」


 チラリと僕の方を見て、騎士は軽く頭を下げる素振りをする。

 僕も、内心ホッとした。

 ダンタリオンを信じて無いわけではなかったが、それでもここまで来るのに何も無かったのは幸いだ。

 容態が急変するかもしれないし、何より、もしも魔物とまた遭遇すれば、気絶した怪我人を庇いながらでは、無事な騎士二人もただでは済まないだろうから。


「それで、ですね……ラザン辺境伯に、事の次第を説明しました所、その……命の恩人の方々を連れて来いと言われまして……」

「………………へ?」


 少し言いずらそうにしながらも、そんな思いがけない事を言われて、僕は間抜けな声を出してしまった。


「まあ!当然ですわよね!何たって命の恩人ですもの!誰かさんと違って、お父様はやはり話がわかりますわ!」


 それを聞き付けたメリーナさんが、馬車から顔をだして、喜びにはしゃぐ。

 ここでの『誰かさん』とは、敢えて言うまい。

 メリーナさんも、意外と良い性格をしてるのかもしれないと、苦笑してしまう。

 その誰かさ……じゃなくて、クラネさんは、「お嬢様、はしたないですよ」と、ちゃっかり注意をしていた。


 仲が良い事で……。


 皆さんも、こんなやり取りには慣れっこなのか、特に何かを言うつもりはないようだ。

 二人は歳は離れているが、姉妹のような間柄らしく、メリーナさんも、きっと相手がクラネさんだからこそ、飾らなくこう言う事が言えるのだろうなと思う。

 そして、和やかムードは一変して、皆が一斉に僕に注目してきた。


 このまま有耶無耶にしてくれても良かったんだけど…………無理だろうな。はあ~……


 僕は、心の中で盛大に溜め息を吐きながら、引き攣った顔で了承した。

 何たって【ラザン辺境伯】ーーつまりは、この街で一番偉い人に会うんだよ?

 緊張しない筈がない。


 そこで僕は、ラノベ好きの親友の顔を思い出す。



『転移や転生で、真っ先に偉い人に会うのはテンプレなんだぜ!』

一章は、結構テンプレが続く感じですかね~。

一章は、後十八話?位で終わります(笑)

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