4. 紐
ロープでも糸でもなく紐。紐の形状には特にこだわりはありません。細く編んだものだったり、リボンだったり、きしめんみたいな平ぺったいものだったり。どれも好きです。
よく猫が紐に飛びついたりしますが、あの気持ちが理解できる気がします。
紐を見つけると視線をはずさずに床に伏せ、虎視眈々と狙いつつ少しお尻を上げてフリフリ。いざっ! とばかりに一気に飛びかかる。両手で掴もうにも紐は軽くて頼りなく、その手をスルリスルリと抜けてしまう。そのまるで意志を持つような動きに翻弄されながらも手中に収めると、愛しさのあまり興奮状態に。ああ、もう、どうしていいのかわからない! 紐、大好き! そんな思いでゴロンゴロンとしているうちに見事にからまってしまう──そんな姿に共感を覚えます。
あ、ここまでの行動描写は猫のものですからね。私ではありませんよ。念のため。
でもね、私、前世は猫だったのかもしれません。
というのも、幼いころから紐が好きだったのです。
まだ歩き回れない頃には近くに紐があると触っていたそうです。
はっきりと覚えているのは幼稚園の制服です。丸襟のブラウスに臙脂色のリボンだったのですが、そのリボンというのが紐状のものを蝶々結びにしていたんですね。それがね、もう、好きで好きで。
だからどこかの民族衣装っぽいブラウスとかもお気に入りでしたね。前ボタンじゃなくて紐がこう、靴ひもみたいに×××って縦に並んでいて、襟元で蝶々結びするようなやつ。わかります? 編み上げブーツみたいな……って、編み上げブーツも好きですね。スニーカーとかの靴紐も好きです。紐ならなんでもいいくらいの勢いですね!
身に着けるものだけじゃないですよ。たとえばなにがあるかなぁ……(部屋を見渡しています)
あ。スピンも好きですね。本のしおり紐。好きなので使いません。だって先っちょがケバケバになるのがいやなんだもん。で、使わないけど指に絡めたりしちゃいます。紐と戯れます。ずっとじゃないですよ、ちょっとだけね。
ラッピングのリボンの先がペロンと垂れているのもたまりませんね。箱を十字に縛っていたり、袋の口をグルッと巻いている部分はそうでもないんですけど、両端のあの不安定に動いちゃう部分がいいんです。きっとあれですね、頼りなげで儚げでしなやかな感じが魅了するのですね。
ああ、でも紐じゃなくて「紐状の部分」も好きです。
んっとね、わかりやすいのはキャミソールですね。タンクトップとキャミソールって似て非なる物でしょう? 厳密にはなんかちゃんとした定義みたいのがあるのかもしれませんが、私の認識では肩紐の部分が違うだけでしょ? って感じです。太いか細いか。もちろんタンクトップが太くて、キャミソールが細いですよね。
これ、断然キャミの方が好きです。まさに頼りなげで儚げでしなやかな感じじゃないですか! しかも縁がレースで、極細のリボンがついていたりするとキュンキュンしますね!
好きすぎてなんだか身に着けるのが恥ずかしくて、結局タンクトップを着ちゃったりしますね!
あれ? また身に着けるものに話がもどっちゃった。
そうそう。紐とはちょっと違うのかもしれませんが、ネックレスも好きです。
アクセサリーはまったくと言っていいくらい興味がなくて、婚約指輪ももらわなかったし、結婚指輪は持っているけどつけていないし、っていうくらい。でもネックレスは好きで時々つけます。
あれ? やっぱりこれ、紐好きとは関係ないのでしょうか? 頼りなげで儚げでしなやかな感じだから同じかな~と思ったんですが。どう思います?
っていうか、この話、ついてこれました?
紐の魅力が少しでも伝わっているといいのですが……。