3. 男性の喫煙姿
最近、聞きませんね。「煙草を喫む」って言い回し。私が子供の頃はそう教わりましたが、中学では「煙草を吸う」って言っていました。ん? なぜ中学でそんな話が出るのかって? うん、そうね、察してください。そんな中学だったのですよ。むしろ高校では見かけませんでしたね。不思議なものです。
さて。由緒正しい表記をするなら「煙草を喫む」とすべきところですが、通じないことも多いようですね。間違いと思われたり、そうでなくても年寄扱いされるようです。
よく言われることですが、言葉は生き物ですから正誤が逆転して新しい言葉となっていくんですもんね。今ここで気にしても意味がないし、これは気楽な女子会トークなので「タバコを吸う」で統一しましょう。うん、よし、決まり。
でもって、タイトルの「男性の喫煙姿」ですよ。男の人の煙草を吸う姿ですよ。なんで言い換えたのかって? 意味はないです。なんか堅苦しかったので。あ、意味あるじゃんね。
でねでね、その煙草を吸う姿って、かっこよくないですか? キュンとしちゃうのって、私だけじゃないですよね?
これもう女性陣からの同意が得られると信じて疑っていないんですけど! だって誰が見たってかっこいいでしょ?
そうそう、この前ふとしたことで気が付いたんですけど、私、今までにお付き合いした人は全員喫煙者でした。
別にタバコフェチじゃないですよ。昔は喫煙者が多かったんです。私の周りだとタバコを吸わない男の人の方が珍しかったんじゃないかなぁ。
喫煙者だから好きになるわけじゃないんですけど、結果的に目の前でタバコ吸うのをじっと見ていられるってラッキーでした。だって彼氏でもない男の人をじっと見ているわけにもいかないじゃないですか。怪しすぎます。まあ、タバコ吸っている彼氏をうっとり見つめる彼女っていうのもバカップル丸出しですが。
彼氏にも「なに見てんの?」って言われることもありますよ。でも見続けますね。目を逸らすことなんてできません。惹きつけられて。えへっ。
なんでしょうねぇ……どこがどうキュンポイントなのかよくわからないんですが、みなさんはわかりますか? もちろんみなさんもキュンする前提でお聞きしていますけど。
だって、タバコを吸う一連の動作って、すべての仕草がかっこよくなるようになっているじゃないですか。
おもむろに煙草の箱を取り出して、上部を軽くトントンとたたいて少し飛び出したタバコをスッと抜いてそのまま口に浅く咥える。この時、口は薄く開いているんですよ。
隙間って気になりますよね。あれ、なんなんでしょうね。ホラーでも隙間ってゾゾッとしますしね。タバコ咥えた口元はゾゾッじゃなくてドキドキですけどね。
で次に、ライターで火をつける手元もいいですけど、ちょっと伏目がちになるのもドキッとします。直前まで笑っていたとしても、この瞬間だけは真顔になるんですもん。そうしないと火がつけられないからなんでしょうけれども。
あとね、煙を吐く感じもいいですよね。息が目に見えるってとこがポイントなんですかね。たった今そう思っただけなんですけど。見ている時はどこがどういいのかなんて考えちゃいません。
あ、まだ終わりじゃないですよ。だって火を消していないじゃないですか。灰皿に押し付けて消す仕草もなんかいいです。
もうこれしか言っていない気がしてきました。「いいです」って何回使ったんだろ。そう思って検索かけてみたら十三箇所ありました。どんだけ好きなんだよ。はい、これ自分ツッコミじゃないです。みなさんの心の声が聞こえました。
おっと、大切な仕草を一つ忘れていました。吸っている途中になにか飲むって良くないですか? 灰皿に一旦置いてからっていうのもいいけど、タバコを指に挟んだままグラスを持って飲む! もちろんストローを使うような飲み物じゃなくて、グラスに口付けるやつですよ! よく考えたら、タバコとグラスを違う手に持てばいいんでしょうけれど、同じ手に持つのがキュンポイントですね! ね! これ、かっこいいですよね! ──はっ。興奮のあまり「!」を多用してしまいました……。
ただね~、健康のこととか考えると身近な人には吸わないでほしいって思います。でも身近な人ほど吸う姿を見せてほしいって思います。乙女心って難しい……。え? なに? 聞こえな~い。乙女ならここにいるじゃ~ん。
ちなみに夫は数年前に禁煙に成功しています。よってここまでの喫煙シーンはすべて私の脳内再生によるものです。もちろんとっても素敵な男性でね。うっとり……
あ。どうしよう……。まだ好きなもの三つ目なのにこんなノリで大丈夫かしら。ちょっと不安。