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32. 弟キャラが実は…な設定

 今回のお話は、弟キャラが実は……、もしくは、犬っころキャラが実は……、の巻です。


 最初にお断りしておきます。フィクションの好みの話です。というか、主にドラマです。


 ちょいちょい言っていることですが、恋愛ものがあまり得意ではありません。特にハリウッド映画でありがちなアドベンチャーものなのにラブ要素があるとか、SFなのに恋の行方が差し色的に入っているとか、共に危機を乗り越えたら恋人になっていたとか、もうそれさえなければ面白いのに!と思ってしまいます。

 なぜそうも余計なものを入れてしまうのでしょう。まあ自分でも言いましたが、差し色的なものなんでしょうな。

 それならばむしろがっつりラブストーリーの方が割り切って楽しめます。


 恋愛ものが得意でないといっても、絶対イヤというわけでもなく、過去には「プリティウーマン」や「ゴースト」ではキュンキュンしました。って、古いな、おい。ていうか、すぐに思いつく〈よかったラブストーリー〉がそれしかないってことなんですよね。


 最近では寛大になったのか鈍くなったのか、ラストシーンでカップルができあがっていても「ハッピーエンド感を増長させているのね~」と受け入れられるようになりました。よかったよかった。


 しか~し! わかったのです。ラブストーリーが苦手なわけではなく、好みのものでなかっただけなのだと。

 好きなラブストーリーは好きなんですよ。なんか当たり前のこと言っていますけど。


 私ね、テレビドラマが好きなんですよ。先日もね、「東京ラブストーリー」の再放送を全話録画して観ちゃいましたよ。古いよね。古いけど、ハイウエストのファッションとか、一周して(もしくは二周くらいしちゃってる?)今またおしゃれかもしれないなとか思ったり。そして相変わらず里美ちゃんやカンチにイライラ。悪い男として描かれているであろう三上くんはかなり魅力的でした。


 って、ちがうよ。いつになったらタイトルの話に入るんだよ。


 過去に、悶えるほどキュンキュンしたドラマがいくつかありまして。もうほんと、観ながら実際に悶えて転がってしまうほどに。

 なんでしょうね、悶えるほどのキュンキュンって画面を見ていられないですね。恥ずかしい気分にかなり近い。恥ずかしい=キュンキュンなんですかね? いや、ちがいますね。


 でね、その共通項に気付いたんですよ(遅い)。

 いや、いま気付いたっていうか、うっすらそうじゃないかなとは思っていたけど、まあ偶然だろうくらいに。だけど、自分でもちょこちょこ恋愛ものを書くようになって、書いていて気分が乗るのはやはり共通項があるなと気付きまして(だから遅いって)。


 って、ここでドラマの話をしてもどれだけの人に通じることやらって感じではありますが、まあ、あとから引くほど語りますから、ドラマは一例ということで。

「ロングバケーション(1996)」「きみはペット(2003)」「anego(2005)」「ラストシンデレラ(2013)」

 さあ、共通項はなんでしょう? 古くてわからないですかね?


 答え。年上女子、年下男子ですね。


 なんだそんなことかということなかれ。年齢設定だけではない黄金律的なのがありましてね。それを満たさないと、年齢だけではキュンキュンは成立しないのだよ、きみ。(誰だ、あんた)


 中でも「きみはペット」が最高ですね。ピッカピカの黄金律ですよ。原作はマンガですが、ドラマを観てしまったら原作は読めない! もう私の中で小雪と松潤で完成されています。てか、あのドラマを観ている間は確実に松潤に恋していましたね。それまでなんの興味もなかったのに。


 えー……。ドラマを観ていない方にもわかるようにお話しましょう。

 以下、私の好きな設定ね。


 年上女子はしっかり者だったり、仕事ができたり、姉御肌だったりします。ひとりでも生きていけそうな女性ですね。周りからもそう思われていて、自分でもちょっと寂しいけどそうなんだろうなと自覚している。そんな女性。


 年下男子はなんつーか、へなちょこ? ゆる~い感じですね。愛されキャラというのでしょうか。チャラいの一歩手前みたいな。犬っころみたいな。


 年上女子が「わんわん」と懐いてくる年下男子を「はいはい……」と適当に相手する――当初の設定はそんなとこ。


 当然、それで終わったらキュンキュンは来ません。じゃあ、なにがあればいいのか。そう、かの有名なギャップ萌えですね!


 年上女子は周りの期待に応えようと無理をしている。しかもそのことを自覚していなかったりする。それが年下男子の出現で自覚しちゃうんですね。あらやだ、私、この子に癒されてるかも……って。

 これね、なにがいいって、その無理しているのを犬っころ……じゃなかった、年下男子だけが気付くんですね。はい、ここギャップその1です。なにも考えていなそうな調子いいだけの子が、誰よりも見抜いているという点。もうここだけでもよろめきそうです(ちょろいな)。


 で、この二人の関係性というのは上司・部下だったり、飼い主・ペット(!?)だったりするのですが、ベースになる関係は姉・弟ってイメージでしょうか。典型的、概念的な「お姉さん」と「弟」のキャラ。


 癒しという意味では、弟や犬は、まあ可愛ければそれでもいいのかもしれません。ただ、そう思っているのは姉の方だけだったりするんですね。一見、しっかり者で、できる人であるはずの姉は、そこが見えていない。

 双方の能力が噛み合わないところがまたいい。いや、ちがうな。得手不得手が異なるから、むしろ噛み合うんでしょうね。


 そうして物語は、互いが互いを必要としていることに気付いていきます。そこで起こるなんらかのアクシデント。試されているような出来事が起こるんですね。

 姉キャラは自分で解決しようとする。もしくは自分が背負えば済むならそれでいいと思っている。

 が。弟キャラがビシッと跳ねのけちゃうんですね。けしてスマートではない。けれども真っ直ぐな思いと方法で。

 それがね、グッとくるんですよ。たまらんですな。子猫だと思っていたらライオンだったみたいな。ギャップその2ですね。


 いま、こういう言い方はいろいろと問題があるようですが、概念としての言葉で使用しますね……男らしさを見せつけられるんですよ。

 この言葉をつっこまれると、なにをもって男らしさなのかとか、男とは、とか答えられないのですが、こんなエッセイなのでゆるっと流してくださいませ。


 ここがね、私的にポイントなんです。守っているつもりが守られた、というのもいいですが、どうせ恋愛対象じゃないと高を括っていたら強引に手を繋がれた、とかね。もっとシンプルなところだと、華奢だと思っていたのに重い荷物を軽々と持ってくれた、とかね。

 姉キャラの気付きの瞬間にズキューンときます。いや~ん、気付いちゃったね~、どうすんの? どうすんの~? ってドキドキ。


 なにかと自分自身に制約をかけがちな姉キャラに対して、弟キャラは基本的に自分の心に忠実。その対比も好きです。世間的には姉キャラの方が立派な人間なのでしょうけれど、本当に人間的に強いのは弟キャラだなと思います。素直で真っすぐ。

 そのくせ、なにかしらの影があるのですよ。ここがね、ギャップその3でしょうか。


 悩みとかもちろんあるんですよ、だって、人間だもの。いくらアホっぽく振舞っていたって、本当になにひとつ悩みがない人なんているわけがない。そのいるわけがない「なにひとつ悩みがない人」を演じてしまう、弟キャラの大人な面に私は撃沈します。

 本当の大人は、周囲に悟らせない人のことですよ。頑張っているのを気付かれるのは未熟なんだと思います。あ、もちろん、それも立派だし、かっこいいと思います。でも能ある鷹は爪を隠す的な人ってとっても魅力的じゃないですか? しかも、それに気付いているのが自分だけという優越感たるや。


 姉キャラの頑張りに気付いたのが弟キャラだけなら、弟キャラの能天気さの裏に隠されたものに気付いたのもまた姉キャラだけだったというね。なんでしょうね。その設定だけで目がうるうるしてきますよ。わけわからんですね。


 要約。弟キャラが実は……子猫だと思っていたらライオンだった! これですね。これに尽きます。


 いやあ、たまらんですな。ご飯が何杯でもいけますな。あ、いや、ご飯のお供にはなりませんけども。


 ……あ、うん。あれ? なんか羞恥心みたいなものが顔を出してきた……かな?


 てなわけで、おかしな空気のまま、これにて失礼。


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