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24. 狭いとこ

 秋雨の候、朝晩の冷え込みも強くなりました。ますます狭いところにもぐり込みたくなるこの頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。


 さて、「たまにドン引きします」と感想をいただいたりするこのエッセイ、ならば共感を得るものも書いてみようじゃありませんか!

 というわけで、本日のテーマは「狭いとこ」! さあ、これでどうだ! 好きでしょ、みんな。


 だってほら、電車とか、飲食店とかでも端っことか壁際の席って人気ですものね。すでに座っていたって、角の席が空いたら移動したりする人も少なくないし。

 その流れでいけば、当然、狭いところも好きでしょう? 隙間とか穴とか、すっぽり収まってみたくなりません?


 ただ、私、居住空間は開放的です。家具以外のものは床に置かれていないし、家具そのものもほとんどないし。すっきり空間。なので、近頃は狭いとこに収まる機会がめっきり減りました。

 でもその習性の名残りはあって。就寝時、頭の先まで布団にもぐります。特に変わった寝方だとは思っていなかったのですが、先日、友人たちと話していたら「苦しくないの?」と言われました。

 でもさあ、その友人Aなんて、顔に布をかけて寝るそうですよ? そっちの方がよほど苦しそう。息吸った時に張り付かないのかしら? そして、ちょっと不吉な姿を想像してしまったのは私だけでしょうか。口にしてはいけないような気がして、その場では言いませんでしたが。

 とはいえ、顔に布をかけたり、布団にもぐったりって、喉に優しそうですよね。就寝時用のマスクがあるくらいですし。まあ、私はそのためにもぐっているわけでもないんですが。

 頭まで布団をかぶって、内側から引っ張って隙間をなくして。うん、落ち着きますね。包まれている感じ。子供のころからこの寝方です。外から見ると、布団がぺったんこで、寝返りもほとんど打たないので、いるのかどうかわからなくて怖いとよく言われます。


 と、まあ、布団の中が狭いのは当たり前として。


 子供のころだと、机の下がお気に入りでした。

 私、一度も自室を持ったことがなくて。そりゃあ一人暮らしのときは全部が自分の部屋ですけど、それって自室とはなんか違うじゃん? 実家にいた頃は、なんとしても自室が欲しくて、小学生の頃から一人暮らしするのが夢でした。

 一人暮らしの快適なこと! ホームシックなんてありゃしませんでした。毎日が天国! ああ、自分だけの空間ってなんて素敵なの! と思っていたのに、なぜか結婚してから自室を確保するという発想がありませんでした。いまだに特に必要性は感じていません。


 ……ありゃ。なんか違う話になってる。机の下に戻ります。


 でね、子供の頃ね、自室が欲しいけどないわけじゃないですか。だから、机の下を自室にしたんですよ。

 ライティングデスクだったので、盤面を開くと(ひさし)みたいになるのもよかったんですよね。机はすべての面が板張りだったので、外からはまったく見えないのもいい。更には、椅子も四本足のものではなくて、座面が開閉できるボックスになっているものだったので、机の下に潜って、中から椅子を引っ張ってくれば、扉にもなる! なんて素敵な快適空間!

 時には気分を変えて、入口(机の下の入口の意)を扉(椅子ともいう)ではなく、スカーフや風呂敷でカーテンみたいにしたりして楽しんでいました。そうすると扉(だから椅子だって)で閉じるのとは違って、薄暗くはあっても本とか読めちゃうんですよね。

 親に見つかるとよく怒られました。目を悪くするって。暗いところで読むと視力が落ちるっていわれていましたからね。

 あれって、疲れ目になるのであって、視力低下に直結するわけじゃないらしいですね。でも疲れ目を放置すると視力低下につながるから、あながち間違ってはいないわけですが。

 ともかく、当時は視力に不安を感じていなかったので、しょっちゅうこそこそともぐりこんでいました。


 あと、押入れ。特に二階。青ざめた猫型ロボットの居住スペースですね。あそこも大好きでした。

 で、やっぱり内側から襖をしめて。細く開けておけば、ここでも本を読めます。


 子供っていいですよね。そういところにもぐりこんでもおかしくないんですもの。


 時々見かける室内アスレチックみたいなの、あれ、すごくやりたい。あ、もちろん子供向けなので我慢しますよ。

 子供の付添いで一緒にチューブみたいなのを這いずりまわっている親御さんとか羨ましすぎます。私だったら、子供に付き添ってもらって自分が楽しんじゃいそうです。

 大人用のを作ってくれないかな。大人・子供共用だと、やっぱり子供優先みたいになっちゃうので、大人専用のやつ。

 あー、でも十代、二十代の人達に紛れて遊ぶ勇気はないなぁ。見ず知らずの元気なお兄ちゃん・お姉ちゃんに珍獣を見るような目で見られたら、遊びに集中できなさそうだもん。


 あとあれだ! サイズが合わなくて使えないけど、猫用おもちゃの魅力的なこと! 猫ちぐらとか入りたい! 空き箱とかはまってみたい! テントみたいなやつで、ところどころ小さな窓がついているやつとか。手だけが出るようなやつね。ちょいちょいって手を出して遊んでみたい。絶対楽しいと思うのっ!!


 そういえば、子供の頃によくやった室内遊びで、絵本に囲まれるってのいうのがありました。

 えっと、わかるかな……。

 絵本って、中のページも表紙と同じ厚さの厚紙でできていたから、開くと自立するでしょ? それをね、自分の周りに並べていくの。城壁みたいに。

 そお~っとやれば、二段、三段、って高くできるんですよ。絵本に囲まれた空間。素敵でしょう?

 ああ、またやりたいなあ。でも絵本そんなに持ってないしなあ。


 大人になるとなかなか狭いところにはまる機会ってないもんですねぇ。

 ゴミ屋敷とかってそういう気分なのかな、とか思ったり。でもなあ、私は片付け魔だし、ゴミ屋敷はちょっとなあ。無理だなあ。

 とりあえずは布団にもぐるくらいしかできませんね。

 ちなみに、冬用布団を昨年初めて布団圧縮袋に入れてみました。そしたら、膨らみませんでした。ええ~!? な、な、なんということっ!!

 まあ、十数年使ってきた布団だし、そんな高級なものでもないし、ということで、新しい布団を購入しました。明日届きます。もぐり心地はいかがなものか。期待が膨らみます。


 それでは、みなさま。冬籠りに向けて各々の快適狭いとこを見つけてくださいませ。



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