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21. 呼び捨て

 あれはたしか、小学四年生だったと思います。ちょっと大人っぽい感じに憧れていまして。

 公立小学校だったので私服なわけですけど、制服っぽい服装を好んでしていました。チェックのプリーツスカートに紺色のカーディガンとかね。細いネクタイのついたシャツとか。


 そして、上級生のお姉さんたちが呼び合う様が素敵だなあと思っていました。六年生とかだと、まれに友達同士で互いの下の名前を呼び捨てしていたんですね。おっとな~!って思いました。

 私の周りは、親しい子は下の名前に「ちゃん」づけ、それほど親しくない子は上の名前に「さん」づけ。そんな感じでした。


 ちなみに男子は苗字呼び捨てですね。男子も女子のことは苗字呼び捨て。これ、うっかり「くん」とか「さん」とか付けようものなら、からかわれましたからね。異性を意識しすぎですね。かわいいですね。

 でもね、「くん」って時々つけちゃうんですよ。だって、家では人を呼び捨てにしてはいけません、みたいな感じだったので。仲良しの子をニックネーム的な感じで呼び捨てにするならよかったんでしょうけれど。


 私はいい子でいなくちゃっていう意識がものすごく強かったので、当然大人の前では敬称を付けて呼んでいました。だからつい本人に向かっても〇〇くんって呼んじゃったり。相手も呼ばれ慣れてないから照れちゃったりして気まずい空気が流れましたっけ。


 やっぱり呼び慣れている呼び方ってつい出ちゃいますよね。よく先生のことを「お母さん」って呼んじゃう子とかいましたもん。あれと同じだと思うんです。



 で、なんの話でしたっけ? ――ああ、そうそう、呼び捨てね。



 まあ、基本、友達いなかったので、あまりそういう機会には恵まれなかったのですが、でも幸いにして親しくなった人とは名前を呼び捨てし合う仲になれました。


 ただね、呼び名って自然に変化していくことがあるでしょう? それこそ、最初は「さん」づけだったのに、親しくなるにつれて「ちゃん」になり、呼び捨てやニックネームになる……みたいな。

 この流れで私の呼ばれ方は逆流するんですよね。「透子」って呼ばれていたはずなのに、気付けば「霜月」って呼ばれてる……ええ~……。


 たしかにね、中高生くらいのとき、某少女漫画で登場人物たちが女子同士で苗字呼び捨てのセリフだったんですよ。それがちょっとかっこよくて。そういう影響もあるんじゃないかなと思ってはいるんですが。


 とはいえ、他の人は名前で呼ばれているわけですから、キャラによる差なのでしょうねえ。

 あと、私の本名が下の名前は他の人と読みが被ることがあったりして。苗字(当時の旧姓)の方はいまだに出会ったことがない程度には少ないものですから、そういう理由もあったのかもしれません。

 でも自分の苗字が好きじゃなかったんですよ。はっきりいって嫌いでした。結婚するってなったとき、一番うれしかったのが苗字変わることでしたからね。……って、それ、ちょっと問題ですかね。まあいいや。


 苗字の好き嫌いはおいておいたとしても、やっぱり下の名前で呼ばれる方が親しみありますよね。

 なのに大人になってからも苗字を略したニックネームでした。たとえば山田さんを山ちゃんって呼ぶみたいな。うん、私は山田さんだったことはないんですけどね。


 でね、まあ人にもよるんでしょうけれど、彼氏だと名前呼び捨てにしてくれるじゃないですか。いいですよねえ~。ドキドキします。

 で、彼氏が自分の友達に私のことを話す時も「透子が」って言うものだから、その友達たちも一緒に遊ぶと私のことを「透子」って呼んでくれるんですよ! 中には「透子さん」って呼ぶ礼儀正しい子もいましたけどね。


 あ、今「子」って言っちゃいましたけど、そうそう、年下の子たちだったんです。二十代女子が十代男子に名前呼び捨てにされるんですよ! どうよ? キュンキュンでしょ!


 このねぇ、年下のくせにお姉さまを名前呼び捨てにしちゃう感じがたまらんですよ! も~、生意気だなあ~(ハート)みたいな?

 年下のくせにホニャララ系はいいですよねぇ……年下のくせに私を子ども扱いするとか、年下のくせに私よりできるやつだったりとか、年下のくせに……はっ! いっけな~い! テーマが変わってるじゃん!(戻れ、戻れ!)


 でもですね、初めは大人っぽいから気に入っていた「名前呼び捨て」ですが、ここまで大人になると、逆にそんな呼び方はしませんよね。学生時代からの友人ならまだしも、少なくともそれなりの年齢になってから出会った友人からは名前で呼ばれることも少ないですしね。最近では親戚に「透子ちゃん」と呼ばれるのすら新鮮ですもん。


 だからね、本名じゃないとはいえ、ネット上で「透子さん」と呼ばれるのもかなり快感だったりしているのですよ……。


 ああ……考えてみたら、今現在、私のことを名前呼び捨てにするのは母だけですね。もちろん本名の下の名前ですよ。

 夫? 夫からは略した名前で呼ばれます。透子だと説明しにくいので、仮に花子だとすると、ハナって感じですかね。……萌えませんね。Mとしてはやっぱここは呼び捨てですよ。


 ……うん!今回もおかしなゾーンに入って来たぞ。この辺にしておきましょうかね。



 今回もお読みくださり、ありがとうございました。透子がお送りしました~。


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