13. ほじくるの
ひとの耳掃除をするのが好きです。
猫のでもいいんですが、猫は耳掃除が嫌いなようなので、罪悪感生じます。なので、嫌がらない人の耳掃除がいいです。
だったら自分の耳でいいだろと思われるかもしれませんが、面白くないんです。
私、小学生時代は水泳の授業で耳に入った水が抜けなくて毎年中耳炎になっていたもんですから、いまだに水分を残しておくのが怖くて、毎日お風呂上がりに綿棒で掃除しちゃうんです。毎日やっているせいか全く汚れが取れません。水分を吸い取っているだけの行為になっています。しかも自分の耳は覗けないので楽しさ半減です。というわけで、ひとの耳掃除が好きということになります。
耳掃除のなにが楽しいんでしょうね? 自分でもわかりません。
ひとの耳掃除するとすごく肩が凝ります。あれ? 肩じゃなくて首かな? 首じゃなくて肩甲骨かな? ……まあ、なにしろ疲れるんですよ。でも嫌いじゃない。
なんだろうなぁ〜。あの発掘している感じが楽しいのかなぁ……? うん、そうだ。きっとそう。だってほじくるのって楽しいですもん。
あ、そっか! タイトル変えましょう! ──はい、変えました!
みなさんがご覧になったのは変更後のタイトルです。「ほじくるの」ってやつですね。変更前は「ひとの耳掃除」でした。でもねぇ、だって、ほら、どうでもいい話をダラダラ話す私でもさすがに耳掃除の話題だけで一話書けないですよ。ならばほじくる話なら書けるのかって話ですよね。うん、無理でしょうね! でも書きます。だって好きなんだもん。はい、そんなテーマ(?)のエッセイ(??)ですから。
さてと。タイトル変えたことですし、他のほじくる話をしましょうね。じゃないとタイトル戻す羽目になっちゃうし。
スイカの種をほじくるのって楽しいですよね。
おなかが弱いので、大人になってからはスイカを食べる機会はあまりないんですが、子供の頃はよく食べていました。そしてその都度おなかが……っておなかの話じゃないですね。スイカの話。
スイカの種って、取り方は人それぞれですよね。
その1。ガブリといって、口の中で種を選り分ける人。
その2。フォークや楊枝で一部分だけ種を取り除いて一口食べ、また一口分種を取り除いて……って人。
その3。ひと通り種を取り除いてから一気に食べる人。
お察しの通り、私はその3です。
もうねぇ、種を排除し終わったスイカって魅力の大半が失われているんですよ。種なしスイカの状態ですから、確実に食べやすくはなっているんですが、穴ぼこだらけで食欲はそそられません。
食べ物で遊んだわけじゃないですよ。食べるために遊ん……じゃなかった、種を取り除いたんです。だから食べるには食べるんですが、私的にはクライマックスが終わっているので、長すぎるエピローグがあるって感じでした。
あ、いいの思いつきました。
ほじくるっていうのとはちょっと違うかもしれませんが、みなさんの共感を得られるであろう「ほじくるの」思いつきました。
それは──潮干狩り!
あれもアサリの潮吹く穴をほじくりますよね。あれ、最高に楽しい! 宝探しみたいです!
うちね、自転車で行ける距離に潮干狩りできる海岸があってですね、四月か五月のある日、干潮時刻が昼間のいい時間帯だったのでチャリチャリ〜と気軽に行ったわけですよ。ビーチサンダルと掘り掘りする道具とバケツがわりの大きめタッパを持って。一人でふらりと。
いやぁ〜、楽しかったです。夢中になって掘り掘りしました。アサリがいっぱい取れました。
ただちょっとばかしぼんやりフラフラしていたんです。ずっと屈んでいたから貧血かな〜とか思って。
その海岸からは電車でも帰れるんですが、でも自転車で来たからには自転車で帰らなければなりません。だるいな〜っと思いながらも自転車こいで家に帰って、アサリの砂抜きしたりして、疲れたな〜って横になったら起き上がれなくなって……38℃の熱がありました。あらま。
そうでした、私、発熱を自覚するのが苦手なんでした。
頭痛を伴えば体温計ってみようかなと思う時もあるのですが、ただの発熱だと気付かないことがほとんどです。37.5℃までは余裕ですね。38℃もフラフラクラクラはしますが、酔っ払い状態と変わらないので結構元気にしていたりします。でも身体がついていかなくて学校や職場でなんの前触れもなくブッ倒れたりして迷惑をかけたことがあります。
あの時も熱があるのに気付かずに潮干狩りに行ってしまったのでしょう。で、潮風にあたり、足元を冷やし、日光に当たりっぱなし……。そりゃあ悪化するわな。
これはさすがにちょっと反省し、あれ以来、潮干狩りに行っていません。
今度行くときは誰か私の体調管理担当を連れて行きたいと思います。
どなたかほじくるのが好きな方、一緒にどうですか?