12. 理屈っぽい話
理屈っぽい人っていますよね。なにをもって理屈っぽいというかはざっくりでいいんですが、今ここで私がイメージしているのは、論理的思考だったり、分析しがちだったり、持論を展開したり、説明が長かったり……みたいなのです。たぶん一般的にはクドイ、ウザイと言われる類の話癖がある人かもしれませんね。私、こういう人、大好きです。
理解することを強要されたりするとまさにウザイのですが、単に「自分はこう思ってるってことを知ってくれ!」って感じがたまらなく好きです。こっちの理解が追いついているかどうかなんてお構いなしに夢中になって話してくれる姿にキュンキュンします。
そして話し手がふと我にかえって「あ、ごめん。一人でしゃべっちゃったね……」って照れたように申し訳なさそうに言うのもたまらないです。いや〜ん。いいのよ〜。どんどん話しちゃって〜。って思います。てか、そう言いますね。
子供が話す見聞きしたことの報告、お年寄りの思い出話、おじさんの主観だらけの持論、答えなど求めていないただの愚痴──どれもこれも聞いていて楽しいです。あ、愚痴を楽しいって言ったら失礼ですよね。本人は大変なんですもの。
ただね、楽しいっていうのは内容じゃなくて、その話してくれる様子や行為そのものなんです。あれ? 内容じゃないってそれもまた失礼な話ですね……。う~ん。どうしよう。なにを言っても取り繕えなくなってきちゃいました。
まあ、とにかく! どうでもいいことやよくわからないことをくどくど話されるのが好きなのです。
たとえばね、私がちょっと話の途中でお茶を淹れるとかで立ち上がるとか、他のことをし始めても構わず話しかけてくれたり、なんなら一緒に立ち上がってくっついてきてまで話し続けてくれてオッケー。うんうん、そうかそうか、そんなに話を聞いてほしいのか、ういやつめ。って感じです。
自分の持つ知識を披露してくれるのも好き。いわゆるなにかのオタクを自認する人の話っておもしろいですね。もうなにを言っているのか、どこにそんなに夢中にさせる魅力があるのか、さっぱり理解できないほどおもしろいですね。
マニアックなこととか、そんなこと聞いて楽しいのか?みたいな熱弁が大好物です。
そりゃあねぇ、共感できる話が楽しいのはもちろんですが、そんなことを夢中に話してくれるの!?っていうのはまた違った楽しさがあります。
身振り手振りが増えてきて、声がだんだん大きくなってきて、熱く語っているのを「うん、うん」「へぇ~。そうなんだ~」って聞いているのが好きです。もうねぇ、ウキウキキュンキュンしてついついすっごい笑顔で聞いていたりします。
これね、単なるおしゃべりな人とはひと味違うんですよ。理屈っぽさがミソなんです。
ただね、初めの方でもお断りしましたが、私が理解できなくても気にしない方に限ります。
私、すごく記憶力悪いんですよ。理解力も低いのですが。なので、話を聞いているそばから忘れていくことも少なくありません。だから楽しんでいるのは、その雰囲気なのです。
あ~。そんなこと言っちゃったら、みんな話してくれなくなっちゃうかな……。
じゃあね、言い訳します。一生懸命聞いてはいるんですよ。わかろうともしています。結果的に頭に残っていないだけで。……って、やっぱダメじゃん!
そうそう、だからね、よく話を聞いていないように思われます。集中力がないのは確かですがちゃんと聞いていますからね!
私はよくおしゃべりだとか話好きだとか評されますが、話を聞く方が好きなのです。
でもまあ、聞いているうちに私も一緒になって話し始めてしまうことも少なくないので、特に聞き上手というわけではないのだとは思いますが。