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8,大量のクラスに囲まれてしまった

 それからしばらく時間が経った。

 いやもう、笑いが止まらないね。



【名前】エイシ=チョウカイ

【クラス】パラサイト17 マーシナリー6 魔道師5 剣士5 神官3 狩人3

【体力】 77

【攻撃力】 68

【防御力】 60

【魔力】 72

【魔法攻撃力】 59

【魔法防御力】 59

【敏捷】 70

【スキル】トリプルパラサイト パラサイト・クラス 近接武器マスタリ 強撃  魔道具マスタリ 魔法の矢 剣マスタリ 高速剣 ディスペル 弓マスタリ マジックブレイド



 今のステータスを確認するとこうなっていた。

 パラサイト・クラスを身につけてからまだちょっとしかたっていないのにこの状態。スキルがたっぷり、能力値もパラサイトのレベルだけあげてた時より遥かに上昇している。


 マスタリというのはどうやらその武器の扱いがうまくなるという効果で、練習用の安い剣を買ってみたけど、剣道などやったことのない俺でも剣を振るえて、自然と体が覚えてるみたいに扱えた。

 さらにその武器を扱っている間は攻撃力が上がるって効果もあるらしい。


 そして嬉しいのが魔法の矢。これは魔道師レベル5で覚えたスキルだが、名前の通り魔法が使えた。

 いやあ、俄然異世界って感じがしてきたね。パラサイトの時点でも魔法と言えば魔法ではあったんだろうけど、やっぱりこういう攻撃魔法が欲しかった。


 さらに、俺はもう手に入らないと思っていた例のスキルを身につけた。それは女神ルーが最初に言っていた複合スキル。

 複数のクラスを身につけた者だけが手にできる、クラスの組み合わせによって覚えられる強力なスキルだ。


 マジックブレイドがその複合スキル。

 剣士と魔道師がともにレベル5になったら覚えた。

 効果は凄いのかどうかまだよくわからないけど、剣が魔力属性を帯び威力がアップするらしい。魔力属性ってのが有効なのかねえ。モンスターと一回も戦ってないからよくわからないんだよねえ、その辺。


 あ、ちなみにはしゃいでスキルの詳細見てレンズ三つおしゃかにしました。

 ついてなさすぎだと思うんだ、うん。




 パラサイト・クラスを覚えてからは俺は方針を少し変えた。

 せっかく強い人を見つけたけれど、他人が得たクラスの経験値を得ることが出来るなら、いろんなクラスを集めるために寄生先を色々変えることにした。

 ちなみに、もちろんこれまでどおりパラサイトのレベルも上がる。パラサイトと寄生した人の持ってるクラス、両方のレベルが上がるようになったわけだ。


 そんなわけで、冒険者ギルドに行き、色々な人に触っている。

 寄生先を変えて、クラスを集めようと思っているのだけど、しかしある程度レベルをあげてからの方がいい気もするし、塩梅がなかなか難しい。


 でもパラサイト以外のクラスはレベルアップ遅いんだよね。

 一人分の経験値しか入らないし、体感だけれどレベルアップのしやすさもクラスによって異なって、パラサイトは早い気がする。

 だからじっくりやるか色々乗り換えるか、悩ましい。


 悩みつつ宿屋で待機していると、また新しいスキルを覚えた。


【パラサイト・インフォ】寄生した者の情報を得る。


 簡単に言うと、寄生している相手のクラスとレベルがわかるというものだ。

 寄生先がもう持ってるクラスの低レベルだったりしたら、さっさと寄生をやめて他の人にやりなおせるので地味に便利。


 俺以外の人も自分のステータスを見ることは同じように出来るらしいけど、俺も俺以外も他人のステータスは見ることが出来ない。

 だからこういうスキルはたすかる。わかるのはクラスとレベルだけだけど、それだけでも知らない人にいきなり尋ねるわけにもいかないからね。


 俺のスキルって、基本的に寄生をパワーアップさせるようなのばっかりなんだなと、これまでのスキルを見て思った。

 徹底してるなパラサイトって、本当。




 そうしてさらに何日かが経った。

 さすがにパラサイトのレベルアップも鈍ってきたようで、他のクラスのレベルアップが多かった。

 しかし、そっちの方が戦闘力が遥かに高くなっている。


 この調子でいこうと、新たなクラスを見繕うために冒険者ギルドへと向かう途中、神殿を見つけた。

 いや、見つけては前からいたのだけど、今日は中に入ってみることにした。


 神殿は全てが白い大きな石で作り上げられている白亜の神殿で、太い柱には凝った意匠が為されていて見応えがある。

 入り口の正面に祭壇があり、そこまでは誰でも入って参ることができるようになっている。その裏には重厚な扉があり、おそらく神官達がおつとめをしている奥の場所へと続いているんだろう。


 ところどころにピンク色の花が飾られているけれど、あれはルーの髪がピンク色だったからだろうか。

 そして非常に目立つ場所、入って真っ直ぐ進んだ正面に、女神像が拝されている。


 ルーだこれ。


 かなり特徴をつかんでいる見事なできばえの石像だ。

 俺以外の参拝客はそれを恭しく拝んでいる。


 あいつって本当に神様だったんだなあ。

 それにこれだけそっくりな像があるってことは降臨したことがあるんだろうか。それとも姿だけ見せたとか?


 何やってるんだろうな、今頃ルーは。

 穴を開けるのに力を使うって言ってたから休んでたりするのかね。

 せっかく来たことだし、俺も拝んでおくか。寄生レベリングさせてくれてありがとうございます、と。


 普通どおりのクラス三つは無理だったけど、結果的には三つどころか遥かに大量のクラスを身につけることができた。

 祭壇を見ると供え物が色々と置いてある。これもまたありがたいことですと女神ルーと参拝者に感謝して、俺は神殿をあとにした。

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― 新着の感想 ―
[一言] パラサイトと表現しているけど、結局はスキルコピー系ラノベの流れなので、この先どのようなオリジナリティーがでるのか期待して読ませていただきます。
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