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124,妹ココ登場

 しばらくフェリペとあれこれ訓練したのち、俺たちは小休止をとった。

 鍛えたいスキルも結構増えたので、その間に俺はステータスを確認する。



【名前】エイシ=チョウカイ

【クラス】パラサイト54 マーシナリー21 魔道師32 剣士23 神官33 狩人26 呪術師29 闘士16 鉱員23 シーフ24 精霊使い25 エンチャンター30 ファーマー25 パラディン25 バーサーカー17 木こり14 ダンサー18 錬成術士19

【モンスター】ブラッドバット5 ソニックウィドウ 10 ポイズンモンスター8 ヴァンパイア 10

【体力】 401

【攻撃力】 381

【防御力】 356

【魔力】 420

【魔法攻撃力】 399

【魔法防御力】 418

【敏捷】 377

【スキル】

 糸斬 蟲毒の呪 強化延長 錬成コピー 自己再生 神聖弱化 旧き言葉 剛力 スケイルスキン 毒液 魔法の糸 毒の牙 音波探知 毛繕い new/ アイスボール スノードロップ デイライト マジッククラフトlv3 魔力節約 カウンター 鼓舞:物理 鼓舞:魔法マスタリ ホーリーパニッシュ 魔力回復量アップ ……



 また、現在パラサイト中なのは【エピ】【ギルドであった調教師】【ブラッドバット(二代目)】【ソニックウィドウ】【ポイズンモンスター】の五人だ。


 そう、実はエピに別れ際にパラサイトしていたのだ。

 その種族はもちろんヴァンパイア。


 しばらくはヴァンパイアのレベルは上がらなかったけど、最近ちょっと上がった。アンホーリーウッドには宮殿に住んでいるようなモンスター以外に野生のモンスターもいて、そいつらは他のモンスターに襲いかかるので、多分エピがそういうのを倒してレベルが上がったんじゃないかなと俺は推測している。おかげでヴァンパイア由来のスキルも覚えられた。


 またブラッドバット初代が多分他のモンスターに食べられお亡くなりになったあと、またダンジョンに行ってブラッドバットにパラサイトしたので、再び補充できている。モンスターは同じ種類のが同じ場所に複数大抵いるので、こうすれば、ばんばん死んでも大丈夫!……ってなんか非道な台詞な気もします。


 そんなわけで、最近のパラサイトのおかげでモンスターも含めて色々スキルが覚えられたし、ステータスも上がって万々歳である。

 魔法の糸なんかはかなりお役立ちだし、それにヴァンパイアのスキルで、剛力や自己再生を習得した。エピもリサハルナも素手でのパワーが凄かったから、これは納得。自己再生も不死者の名にふさわしいスキルだ。


 しかし……。


「神聖弱化って……これ明らかにマイナスでは……」


 ヴァンパイアで身につけてしまったスキルだけれど、完全にこれデメリットだよね。覚えるタイミング的には自己再生と同じだったから、つまりアンデッドの特性としてメリットと同時にそのデメリットまで習得してしまったということなんだろうけど。

 人間のクラスに比べるとモンスターの特徴はピーキーなんだな。

 まあ一応神聖系統の魔法を使ってくるモンスターってそんなにいないだろうと思うから、ダンジョンではあまり関係なさそうなので困りはしないだろうけど。


 とはいえ、これからはモンスターにパラサイトするときは、そのモンスターが致命的な弱点などを抱えていないかは一応考えといた方が良さそうだ。あまり影響ない段階でそういう情報が得られて助かったと思いましょう。


 さて、スキルといえば複合スキルも結構覚えた。

 特に驚いたのは、人間のクラスから来るスキルと、モンスターのスキルとの組み合わせでも複合スキルがあるらしいってことだ。

 魔法の糸と剣マスタリの複合で【糸斬】。これは魔法の糸が斬撃攻撃力を持つスキルだ。

 また軟化の呪と毒液で【蟲毒の呪】。魔法をかけた相手を毒に冒し体力を奪うスキル。

 また【強化延長】や【錬成コピー】も、エンチャンターや呪術師、錬成術士や魔道師のクラスのレベルを上げたことによって覚えた複合スキルである。


 モンスターのスキルもあわせてかなり増えてきたことで、結構充実してきた。それに毒液とか使いづらそうだと思ったスキルが、複合スキルになったら他のと組み合わせたことで使いやすそうになったりしているのも嬉しい予想外。

 やっぱり何が役に立つか世の中わからないね。


 ということを確認しているうちに小休止は終わり。

 俺とフェリペは再び魔道具や剣やスキルの試し打ちを始めた。


「いくぞ。次はアイススタッフだ」

「じゃあ、こっちはスキル【糸斬】で」


 フェリペが振った杖先から氷の塊が発射された。

 俺は覚えたばかりのスキル、糸斬を使用して迎撃する。

 新たな黒銀の剣に魔力を集中して、スキルの威力を増加させて発動。 

 魔法の糸が網目状に広がり、硬質な輝きを放ち、そして飛んできた氷をさいの目状に切り裂いた。


「ほう。なんだ今の魔法は。今の方法は珍しい」

「魔力の糸で切ったんだ。やっぱりこの剣はいいものだよ。このスキル覚えて間もないんだけど、それでも十分な威力が出せた」

「なるほど、そんなスキルを。まあ、俺の剣もあってのことか。まあそうだろうな」


 クールに言いつつ、口元が持ち上がってますよフェリペさん。まあ、でも実際たいした武器だと思うので、得意になるのもわかる。


「よし、じゃあ次行こう」


 その次は多数の方向からの取り囲むような同時攻撃を氷の杖によってやってきた。それに応じるために、今度は俺は、ブラッドバットから覚えたスキル【音波探知】を用いる。

 音響を利用し多数の氷の粒の場所を把握、迎撃に務める。背後の見えない場所からの攻撃も、音の反響で逐一手に取るようにわかり――。


「そこっ!」


 パワーアップした黒銀の剣で、それらをしっかりとはじき落とすことができた。


 うん、いい感じだ。




 そんなふうにして新たなスキルと新たな剣の使用感を試しつつ、しばらくの間俺たちは訓練を続けたのだった。


 モンスターのスキルでも使いやすいのもあるし、複合スキルもある。その色々なスキルが、威力が増していて、剣は扱い安さは前と変わらずなので、いろんなスキルと剣を併用する俺にとっては結構なパワーアップだ。これはフェリペいい仕事した。

 そんなことを思いつつ、俺たちがそろそろ切り上げようとしたころだった

 街中でも見たことだが、蛇をペットにして散歩させている女の子の姿が現れたのは。




 突然現れた、蛇をつれた少女は俺たちの近くで足を止めた。


「フェリペじゃない。なんで特訓してるの、こんなところで。職人じゃなかったの? フェリペって」

「職人が自分で素材を取りに行く時もある。それに自分で作ったものを試すことも必要だ」


 フェリペはやってきた女の子に答える。二人は知り合いってことだろうか?

 

 女の子の方、どこで見たことがあるような顔をしてるなあ。でも同じくらい気になるのは、すごく立派な蛇をつれてることだけど。


「ふうん、そういうものなの。ところでそっちの人は何者? 変な人仲間?」


 変な人?

 もしかして俺?

 俺は思わず自分を指さす。


「俺は変ではないぞ。こっちのエイシは多少変かもしれないが」


 フェリペがそう言った瞬間、その女の子の目が大きく丸くなる。

 そして蛇と一緒に俺の方へと大股でズカズカと近づいてきて。


「エイシ? へええええ。ふうううん。ほおおおお。あなたがエイシなの? 本気で?」

「はい、エイシは僕ですけど」


 思いっきり顔を近づけて、俺のことをガン見してくる。

 頭の上から足のつま先までじろじろと遠慮なく。

 見られるのはまあいいんだけど、一緒に近くに来てるニシキヘビみたいな蛇が、舌をちろちろさせているのがすごく怖いんですけど、


 しかしそんな蛇の様子に気づくこともなく、あるいは気づいていても別に問題ないと思っているのか、飼い主の女の子は特に意に介する様子もない。


「俺のこと知ってるの?」

「ええ、もちろん知ってる。だってお姉ちゃんが何度も話してたもん。あれがあなただったなんてなあ。それにこのフェリペとも知り合いだったとはねー。やっぱり、変わり者同士惹かれ合うところがあるんだなあ。変わり者三兄妹ね」

「変わり者って、俺はそんなに変わってないつもりなんだけど……って、それよりお姉ちゃんだって? 君のお姉ちゃんが、俺の知ってる人ってこと?」


 女の子は、大きく頷く。


「私の名前はココ=デュオ。アリーお姉ちゃんの妹よ。よろしく、エイシ」


 深い群青色の髪を二つにくくり、気の強そうな目元と、悪戯っぽい口元の少女は、そう言った。


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― 新着の感想 ―
なろうって糞ガキやなめた馬鹿ガキに異常に甘いよね
[良い点] 完結されているので、気持ちよく読み進められます。 [一言] 誤字報告を受け付けないようでしたので、ここで報告させていただきます。 本文の終盤の、ココとエイシの会話の場面にて。 「だってお姉…
[一言] 一覧に調教師が入っていない。
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