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MAIN TRAFFIC3  作者: 浜北の「ひかり」
Office Episode
63/69

355列車 黒崎

LINE(ライン)。」

ピンク色のスマホが突然そう言った。着信音っていうのは何時も突然鳴るものだから、びくっとする。

「だーれかなぁ。」

鍵を左から右へスライドさせて、画面のロックをとくと珍しい名前が出てきた。「黒崎(くろさき)(あずさ)」。

「あれ、珍しい。」

思わず口から出た。

「久しぶり。」

そんな一言からLINE(ライン)は始まっていた。

「久しぶりだねぇ、どうしたの。」

問いかけるように動くニ○センのスタンプも一緒に送ってみる。

 以下文章のスラッシュは改行位置。

(もえ)ちゃんっていま滋賀県住んでるんだっけ?/年賀状の住所そうなってたけど。」

別に隠すようなことでもない。黒崎(くろさき)というより(あずさ)ちゃんは高校の時に一緒だった人。大阪に来てからというもの全くあっていないが、こういうやり取りはしている。

「そうだけど。それが?」

「ちょっとそっちに行くことになりそうだから/(もえ)ちゃんをちょっと頼ろうかなぁと。」

「ああ、何そんなこと/別に頼ってもいいけど、離れてたら、つてにはなりそうもないね/てか、こっちに来る理由は何?」

「まぁ、そうだけどねぇ・・・。」

一緒にちょっと焦ったようなスタンプも送られてきた。続けて、

「仕事の兼ね合いよ。」

と送られてきた。

「近かったら頼ってよ/私は守山駅か栗東駅なら歩いてもいける距離だし/草津とかにもすっと行けるから。」

こちらはそれに続け、

(おけ)

と送る。

「おお、頼りにしてるわ。」

「こっちには何時ぐらいに来る予定なのよ?」

「3月の終りぐらいかなぁ/詳しい日程決まったら連絡するね。」

High(ハイ) High(ハイ)。待ってるよ。」

「そっちに行ってちょっと経ったら落ち着くと思うし、そうなったら遊ぼうよ/カラオケとか行って二人でハメはずそう!!」

 スタンプで「いいね」を送信。

(もえ)ちゃんの彼氏も誘っていいよ。」

「はいッ!?」

とは言ったが続けざまに、

「じゃあ、(あずさ)は旦那を連れてきなさいよ。」

「だっ、旦那って!?」

「そんなの(あずさ)だったら聞かなくても分かってるでしょ。」

怪しい顔つきのスタンプを送信と。

「怪しむな、恥ずかしい。」

「そう送ってる時点で怪しさ満点だって。」

「まっ、その話はまた今度にしよ。とりあえず、まずはいくってことだけ伝えたからね。」

そう言ってスマホの電源ボタンを押した。低電力消費モードに切り替わったのだ。

「旦那かぁ・・・。」

顔を赤らめてそう呟いた。チラッと左手薬指にはまっている指輪を見た。

(まだ慣れないなぁ・・・。)


久しぶりに登場黒崎梓。

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